マーカス・キング@ビルボードライブ東京
2023年4月17日(月)
ビルボードライブ東京で、マーカス・キング(2ndショー)。
コロナで2度延期になり、その度に心で泣いて、ひたすら機会を待ったマーカス・キングの来日公演。まさに待ちに待った公演の実現で、チケットは発売時間と同時に獲ったので、ステージ正面の前のほうの席で観ることができた。
大好きなアーティストであるだけに(そしてソロ1作目『エル・ドラド』のライナーノーツを書いてもいるだけに)、久しぶりに開演前から気持ちが昂り、客電が落ちてメンバーたちが上の階段から降りてきたときにはもう立ち上がりたくなっていた。
バンドはギター&ヴォーカルのマーカスのほかに、ギター、ベース、ドラム、鍵盤、そして3人のホーン隊。長髪で細身のサイドギタリストもスライドを弾いたりと随所で腕を見せていたし、ドラマーのソロでの見せどころもあった。つまりマーカス・キングというソロ名義の公演でありながらも、マーカス・キング・バンドのときと同様、バンド表現の旨味をしっかり伝えて来る、今回もそういうライブであった。
近年、マーカスはソロ名義作を2作出したので(ブルーズロックに振り切った2作目は国内盤が出ていない。勿体ない!)、その2作からの曲が中心になるかと思いきや、マーカス・キング・バンドとして出した以前のアルバムの曲も全然普通に(やるのが当然といったふうに)演奏した。なにせ、イントロに続いてのっけから「Virginia」。つまりのっけからレッド・ツェッペリン並みの音の重量感で客をビビらせた(喜ばせた)わけだ。
ソロ1作目はメロウなソウルタッチの曲がいくつかあり、僕はそこからの曲が多めに歌われることを勝手に期待していたのだが、そこからやったのは確か3曲くらい。バラード「Beautiful Stranger」と、同じくバラードで「ジョージア・オン・マイ・マインド」を想起させる「Wildflowers&Wine」が聴けたのは嬉しかった。わけてもライブ後半に演奏した「Wildflowers&Wine」はマーカスのギターソロにも切実なヴォーカルにもグッときちゃった。
ブルーズロック作である2ndアルバムからは「Good And Gone」「Aim High」などゴリっとした曲で攻め立てたが、聴きたかったアルバム・リード曲の「Hard Workin Man」はやらなかった(1stショーではやったようだ)。
バンド名義作のなかでは「Rita Is Gone」が聴けたのが嬉しかった。泣きの名バラッド。この曲では3管とオルガンが映えまくる。ホーン隊がいてくれてよかったと実感した。
ほかにビートルズの「Dear Prudence」をちょっとやったり、デラニー&ボニーの「Coming Home」をやったりも。
といった感じで、ブルーズロック寄りの曲とメロウなソウル寄りの曲、バンド名義作とソロ名義作の曲をバランスよく混ぜての形。…ではあったが、ブルーズロックのほうの側面がより強調されてたのがいい意味で以前と変わらずなところだったか。
まあとにかく、マーカスのギタープレイと声の色気を間近で味わえ、もっと聴きたい、できれば3時間くらいやってほしい、という思いはあったものの満足度の相当高い最高なライブとなった(観客みんな最後まで座ったままだったのは、うーんという感じだったけど)。いや、ほんとかっこいいね。あれでまだ27歳とかだからびっくりしちゃうし、30代以降にどうなっていくのかもすごく楽しみ。
因みに終演後、友人に会って1stのセトリをもらって見てみたら、思いっきり演奏曲を変えていた。ああ、やはり1stも観るべきだったな。
ああ、またフジロックでも観たいものだ。
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