GLIM SPANKY@豊洲PIT
2019年6月8日(土)
豊洲PITで、GLIM SPANKY。
豊洲PITには初めて行った。駅からそこそこ距離はあるが、音響もなかなかよく、ロックに向いた会場であるように感じられた。
GLIMのライブを観るのは昨年9月にキネマ倶楽部で観た「MAGICAL WEEKEND PARTY」以来なので、けっこう久々。結論から書くと、すごくいいライブだった。バンドとしての音の厚みが格段に増していて、それはもう吃驚するくらい。ふたりの鳴らしたかった音はこういう音だったんだと、体感としてはっきりわかった。
鳴らしたい音に対しての強い意識・拘りを以前から明確に持っていたふたりだったが、4枚目のアルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』をL.A.のスタジオで徹底的に音に拘って録ったその経験が大きくものを言ったのかもしれない。また今回のツアーのなかで培ったものも大きく、それを昨日のファイナルで肩に力を入れることなく思い切って出せていた、ということなのかもしれない。なにしろ強い音、どっしりした音を出すバンドになったなぁと。その急激な進化の度合に驚いたし、嬉しかった。レミちゃんの声も昨夜は通りのいいものとして強く響いてきたし、亀本くんはまた一段とギターの腕をあげ、音でバンドを引っ張っていた。日本の若手のロックギタリストのなかで、いま彼はぶっちぎりなんじゃないか。
個人的にはポップさもあるロック曲…例えば「サンライズジャーニー」だったり「リアル鬼ごっこ」だったり、あるいはライブで滅多にやらないけど「BOYS & GIRLS」だったりが大好きな自分としては、重めのスロー曲ばかりを押し出していく近年の方向性にもうひとつノリきれず、正直なところ『LOOKING FOR THE MAGIC』も繰り返し聴いてはいなかった。そろそろもう少し風通しのいい曲を聴きたいと思っているのはきっと僕だけじゃないだろう。がしかし、昨日のライブを観ていて、とりわけレミちゃんがどういうところに価値を置いてどういう勝ち方をしたいのかが体感としてわかった気がした。昨日のライブには、初期の曲の風通しのよさ、ある種のポップさが好きでファンになった人もねじ伏せるくらいの強度が演奏にあったということだ。それによって『LOOKING FOR THE MAGIC』収録曲群は、録音されたそれよりも豊かで深い音像を持って響いてきたのだ。「私たちのやりたいロックは、鳴らしたい音は、こういうものなの!」という迷いのなさ。自信。それが演奏にもセットリストにも理想的な形で現れていた、素晴らしいライブだったと思う。
そうそう、亀本くんがMCで大事なこと(ライブは戦争じゃないんだから「参戦」という言葉に抵抗がある。仕事帰りにビール飲みに行くくらいの感覚で行けるのがロックのライブの理想だし、自分たちもそういうスタンスでライブをしたい…といったこと)を言ってて、そういうことをちゃんと言葉で伝える姿勢もとってもいいなと改めて思ったな。
うん。この2年くらいのGLIMのワンマンのなかで一番よかった!
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