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小さくて大きなもの。

やることがいっぱいある。

染めたり、部屋を片づけたり、書類を書いて郵送し、食べ物を買いに行く。

パソコンに新しいソフトを入れる。

自分のことだけだし、難しいことはしていない。

ただ、ひとつひとつの判断を細かく自分に確認するから、自分の中ではたくさんのやり取りと情報の処理をしてる。

シンプルなことで忙しい。


この間広告を見て取り寄せた化粧品を使ってみると、びっくりするくらい肌がしっとりもちもちになった。

使うものでこんなに変わるのかとびっくりした。

この会社のものを使ってもいいのだけれど、注文しようとしても何でか気が乗らなかった。

以前によく使っていた別の会社のオンラインストアに行っても、

悪くはないのだけれどしっくり来ない。

「どれでもいいから買えばいいやん。もう試供品使い切ったから早く決めないと。」

「うーーーん、、だって、いいのがないんだもん。。」

「どんなのが欲しいの?」

「それが分かんなくて困ってる。」

「どっちかの会社で買えばいいじゃん。」

違うなって思ってるところから無理に選ばせようとしても全然進まなかった。

何が悪いってはっきりしたところは分からないんだけど。

今の自分に似合わないような感じがしたんだと思う。

「何でもいいじゃん。とりあえず使ってみれば。」

そう言ってみるけど、どうも納得してくれない。

ちっとも決まらないので、近くのドラッグストアで当面使う用の小さなボトルセットを買った。

「これでしばらく大丈夫。気が済むまで探せばいいよー。」

これは真面目にやらないと終わらないと、本腰を入れてパソコンで調べる。

なんか違う、ちょっと気になる、よく分からない。。。

むむむのむ。。

根気良くザッピングしてるうちに、ここのにしようかなって思える会社が見つかった。

なんだかすごく真面目に丁寧に商品を作っている会社だなと思った。

会社の中にコンセプトの違うブランドがいくつかあって、自分がいいなって反応するものを見極めていく。

これくらいの予算で収まるといいなと思っていた金額で、一通りの品物が買えた。

集中してめっちゃ腹減った。


わたしはこれまで化粧品選ぶのが面倒で、そこにエネルギーかけるのが、何となく浪費だと思っていた。

だから手近なところで揃えてて、今回もその手で行こうと思ったんだけれど、今までのものは全部違うって言われてしまった。

「わたし、綺麗になりたいんだから。」

「もうちょっと本気になってよね。」

「わたしのこともっと真剣に考えて!」

これまでのようにちゃちゃっと済ませようとすると、進まない。

かと言って、単なる贅沢でも通らない。

どちらも望んでいることからズレている。

「あれ?なんだ?なんで進まないの??」

「もう、わがまま言って。そんなことやっててどうすんのよ。」

「そんなことに時間も手間も割きたくないの!」

自分に不満をぶつけてみても、許してくれない。

「あんた、わたしのためにもっとできるでしょ。」

「今、この場で解決してほしいんだけど。」

お金の問題じゃない。

人に乗っかったり、委ねるのでもなく。

自分の欲しいもののために、自分の時間と労力を使うこと。

そこを出し惜しみしてんなよって言われてる気がした。


今までいろんなものを節約して来たなと思う。

自分に対してかけるお金、時間、労力。

無かったというよりも、惜しんで来たのだ。

できるだけ細く長く続くように。

後々たくさん残るように、今は我慢。

そして、自分にそこまでのエネルギーをかけても仕方ないと思っていた。

そんなことに費やすのは浪費だと思っていた。

でも今は、それは逆で自分以外に投資するものなど無いよって自分に言われてる。

どうやったら自分の望みを今ここで実現できるのか。

そのために自分は何ができるのか。

望みって、わたしの場合は結構ぼんやりしている。

「綺麗になりたい」

「安心して暮らしたい」

「美味しいもの食べたい」

「面白い経験がしたい」

「美しい景色が見たい」

何をしたら合致するのかは、いろいろ試してみないと分からない。

「これはどう?何が気になる?」

「やってみてどうだった?」

「今度はどうしたい?」

常に細かく会話している。

だから、自分以外のことやる時間なんて本当に無い。

自分のことは、次から次へとやって来る。

生きてるだけで生理的な欲求が発生する。

暮らすって忙しいな。

ぼんやりしている時も起きてる間はずっと会話してる。

ぴーちく、ぱーちく言っている。

疲れたら、スマホか睡眠に逃げているけれど、それでおっけーだと思う。


外で働いてると、こんなに自分のこと見てあげれない。

仕事のこと、人のこと、いろんなことが入ってくる。

それで自分のことは後回し。

その方がラクなのだ。

わたしの要望はとてもうるさくて、面倒くさいから。

めっちゃしつこいし、時間かかるし、はっきりしなくて、中々納得してくれない。

外に答えはないから、これはどう?あれはどう?って全部細かく聞かないといけない。

人のことやってる方が簡単だと思う。

今まで面倒くさくて好きじゃなかった化粧品探しを真剣にやってみて、わたしは自分にこうしてほしかったのかと思った。

根気よく付き合って欲しかった。

見つかるまで。丁寧に。

またひとつ、自分との付き合い方を知ったような気がする。

わたしは調べ物が好きで、その労力も何か凄いことに使うんじゃなくて、こうやって自分の細かな欲求を満たしてあげることに使うものなんだと思った。

よく分からないものは調べるのが億劫に感じたりするけれど、自分がやってほしいと思うことはどれだけ時間かかってもやればいい。

体の無理が利かなくなってきたと同時に、

自分への愛の出し惜しみが許せなくなってきたなと思う。

それが嬉しい。

育ってきてる。

もうあれこれ勘繰らなくていい。

自分への愛を節約しなくていい。

体の動きたいように、気持ちの向くままに進めばいいんだと思う。

自分のことだけに集中して、注いでいればいいんだと思う。

いろんな結果が出るだろうけれど、全部発見。財産だから。

わたしはそれを宝物にできる。

そのことを知って、体がふわっと軽くなった。

自由に触れるとこんなに嬉しい。

わたしは自由に生きられる。

そのままの自分を開いて、繋がって生きていきたい。

ふわふわ浮いて、流れていきたい。

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