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「圧巻」とクールな国「中国」

 「中国」と聞くと色々なことが連想される。共産党、世界の工場、コロナウイルス、キングダムなどなど。しかし最近では香港や台湾との騒動などで民主主義国家の多くからは良いイメージを持たれていないことは確かだ。しかし、過去の歴史の中では長い間中国は東アジアの中心であり続けてきた。漢字が中国由来であるというのは当たり前のことだが、日本で使われている熟語の多くも中国の史実に由来していたりする。今回は「圧巻」という言葉を紹介したい。

「圧巻」
全体の中で最も優れた部分
巻は、昔、中国で行われていた官吏登用試験「科挙」の答案。最優等のものを一番上に乗せたことに基づく 
例)この作品が、出品中の圧巻だ(広辞苑を参考)

「科挙」とは中国の歴代王朝で約1300年間(598〜1905)実施され続けてきた役人を選ぶための試験である。現在の公務員試験と同じようなものだ。内容は儒学についての教養を問うものであった。作文や詩を作る能力が試された。試験は二泊三日の泊まり込みで行われ、食糧や着替えなども試験場に持ち込むことができた。科挙を受験するための資格試験から本試験、皇帝による最終試験などが課され、最終的な倍率は3000倍であったと言われる。想像もつかない。2020年の国公立大学全体の募集人員は約10万人で、志願者数は約44万人であった。大学全入時代と呼ばれる現在でも倍率は4倍以上もあるのかと驚いたが、科挙試験の倍率とは比べ物にならない。科挙試験こそが数ある試験の中で圧巻の難易度を誇ってフラグを自主回収してしまうあたりも素敵だと思う。
 
 科挙試験は隋の時代(581―618)の途中から取り入れられた。それまでは貴族の子が特権階級を代々世襲し、権力の私物化が当たり前に行われていた。その問題を解決し公平に役人を選出するために始まったのが科挙試験だ。これは世界各地に広がっていく。朝鮮や日本はもちろん、ヨーロッパにおいても官僚制は中国に倣って整備されていく。科挙が現在の基本的な試験制度のもととなったという見方もできる。

 中国をコロナウイルスの元凶としてバッシングする動きが散見される。しかし長い目でみれば中国は世界の先進地域として世界中に良い影響を広めた。そのような事実を知った上で現在の中国を見つめ直す必要がある。

「圧巻」についての説明から大きく脱線し、科挙試験の話やコロナウイルスの話まで飛んでしまった。しかし最近の報道では中国の怪しい部分や反民主主義的な部分が多く取り沙汰されている。その中では、中国がいかにクールな国だったかを伝えることは割と有意義な気がする。

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