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伝説のRPGに出会った日

まだ、テレビゲームという娯楽が世の中に浸透していない時代。
我が家にはゲーム機よりも先にPCが導入されていた。たまたま父が趣味で始めたのがきっかけであったが、今ほどPCが普及していない時代に、一般家庭にPCがあるなんて恵まれた環境である。そんな頃に出会ったRPGの話である。

ウィザードリーとの出会い


一番最初に導入されていたのは、かの有名なNEC社製のPC−8001。データのやり取りをカセットテープで行っていた今では考えられないくらいアナログなデジタル機器だった。その後、フロッピーディスクたるものが導入。フロッピーディスクですら、令和の時代に存在すら忘れられている記録媒体ではあるが、当時はその速度に感動を覚えていた。
そして、気がついたら物好きな父により知人から譲り受けたとPC−8801が我が家に現れた。キーボードと本体が別体という今のデスクトップPCの先駆け的デザインであった。これが私にとってはBASICとゲームを覚えていった思い出のPCとなる。またもや気がつくと、父がどこぞやから入手してきたゲームが増えていき、その中の一つが「ウィザードリー」であった。
当時愛読していた「マイコンBASICマガジン」にはゲームの情報、攻略等の特集が組まれており、「ウィザードリー」もまた特集されていたこともあり、すぐにのめり込むことになった。自分の好きなようにパラメーターを振って、好きな職業を選ぶという作業が斬新でそれだけでも数日潰せるくらい熱中していた。
BGMも無く、ラインだけの3Dの迷宮、今となってはチープな印象を受けてしまうが、そんなことは気に留めない勢いで、キャラの育成に励んでいた。
どこまで進めたかは明確には覚えてはいないが、数え切れないくらいのワードナを倒した気がする。

ドラゴンクエスト


ウィザードリーにハマり出した頃、世間ではファミコンがブームとなっていた。結局我が家にはファミコンが導入されることはなかったのであるが、それとは関係無く、かるた会社が放つ「マリオ」等のキャラを前面に出すミーハーな売込み方が、PCやアーケードゲームに夢中になっていた自分には受け入れられず好きになれなかった。
そんななか、満を辞してファミコン向けにRPGが発売されることになった。
ドラゴンクエストである。
当時PC向けに絶大な人気を誇っていた「ウィザードリー」の戦闘シーン、「ウルティマ」の移動画面で両者のいいとこ取りをしたようなゲームシステムに加え、キャラクターデザインが「ドラゴンボール」で有名な鳥山明氏、音楽がすぎやまこういち氏という豪華陣営。良くも悪くもこのゲームによって、RPGが一般化されたし、ゲームに興味のなかった人々を世界に引き込んだので素晴らしい功績なのであるが、やはりミーハーな感じがして、硬派気取りの自分には素直に受け入れられなかった。

復活の呪文


その頃中学時代であったので、必然的に周りはドラゴンクエスト話題で盛り上がる。受け入れられないとはいえ、なんだかんだ気になる。
恐らく嫉妬的な感情だったと思われるが、気になる感情の方が高まり、ドラゴンクエスト2からプレイすることになる。しかし、家にファミコンも無かったので、復活の呪文を記入したノートを持ち歩いて友人の家を訪ねまくる…という今思うと大迷惑な行動によってクリアした。
当時を知っている人なら皆同感だと思われるが、アンテナ出力で細かい解像度が出せないテレビに表示される復活の呪文。幾度となく書き間違いにより、もう一回育て直す羽目に。
今のデジタルモニターならそんな心配は無用なのに…それ以前に、メモリーに保存できるから、復活の呪文自体不要ではある。
どうでもいい話であるが、復活の呪文を入力する場面で流れるBGM「ラブソング探して」が一周まわるまでに呪文を打ち終わる…というのをポリシーで呪文入力をしていた。

名作ドラゴンクエスト3


当時のファミコンの性能からするとかなりの限界突破とも言えるスケールで製作されたのが続編の3。
何よりも注目を浴びたのが、保存用メモリーが搭載されていること。当時は記憶装置が発展途上であり、PCでさえフロッピーディスクを使用しており、ハードディスクすら世の中に普及されていなかった頃。かなり思い切った事をしたという印象であった。
しかし、今思うとよくぞまあ市販化したな、と感心してしまうくらい不安定なメモリーであった。ファミコンはゲームカセットの嵌め方が甘いと電源入れた時に正常に起動しない。まあ、それは良くある話として皆受け入れていたが、ドラゴンクエスト3でそれをやると、ほぼ100%の確率でメモリーが飛ぶ。なので、電源を入れる時は、いつも以上に神経質になっていた。
そして、2の時はノート片手に出歩いていた自分にはメモリー化は死活問題でもあった。
どこでプレイしよう?
そんな中、3枠あるメモリーの1枠を貸してくれるという友人がいたので、ありがたく借用した。中学3年生の終わりがけの話であるが、お互い私立高校の受験をいち早く終わっていたので、ほぼ毎日通ってクリアした記憶がある。これも今思うと大迷惑な話である。

エピローグ


ウィザードリーというRPGの原点、RPGをお茶の間に普及させたドラクエシリーズ。両者を同時期にプレイした経験はこの先のRPGに触れていく中で、大いに役に立っていったと思う。その後、別のゲームによって、人生変わるくらいの影響を受けたのであるが、それはまた別の機会で。
ありがとうございました。

#自己紹介をゲームで語る  #ドラゴンクエスト #ウィザードリー #RPG


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