【8.水曜映画れびゅ~】クリストファー・ノーラン特集 ”PART I”~”ノーランSF”を楽しむためには…~
クリストファー•ノーランは『ダークナイト』(2008)を含むバットマン3部作(通称「ダークナイト•トリロジー」で監督•脚本を務めた方です。
「ダークナイト•トリロジー」のほかにも、観る者を圧倒させる数々の至極の映画を撮られているノーラン監督。今回は2週にわたり、そんなノーラン作品の魅力を紹介させてもらいます。
第1弾は、ノーラン監督のSF作品にフォーカス。「ノーラン作品といえばSF!」といえるほど、ノーラン監督を語るうえで欠かせない素晴らしきSF映画をいくつか紹介させていただきます。
『インセプション』
夢の世界では何もかもが可能になる、という世界観を見事に映像化している今作。SF作品を通り越してアニメを見ているかのような感覚に陥ります。
その映像やサウンドは評価が高く、2011年のアカデミー賞で撮影賞•視覚効果賞•音響編集賞•録音賞を受賞しました。
また『インセプション』は、2006年公開の今敏監督のアニメ映画『パプリカ』の影響を受けているとよく言われます。
確かにストーリ性が似てますよね。加えて『パプリカ』をオマージュしたシーンが『インセプション』には登場します。合わせて観てみると、より一層楽しめますよ。
『インターステラー』
今作では、宇宙での時間軸と地球での時間軸が異なる部分に焦点が当てられています。宇宙での1時間が地球では7年ほどに相当することにより、時空を超えたクーパーと残された子供たちとの気持ちのすれ違いが生まれます。それが単純なSF作品として以上に、人間ドラマとしても作品に深みを持たせます。
そして、宇宙空間の映像は息を呑むほど美しく、サウンドもド迫力。2015年のアカデミー賞では視覚効果賞を受賞したほか、作曲賞•音響編集賞•録音賞•美術賞にもノミネートされていました。
公開当時に映画館で見たかったな…。
『TENET テネット』
人類滅亡、そして逆行する世界…。これまたジャンプ漫画みたいな設定ですが、それを本気で描くのがノーラン監督。逆行する世界を見事に映像化しており、特に逆行する世界と順行する世界が同時に戦争するシーンは、鳥肌モノです!
当時の予告CMで流れていた「この映画を見るために、世界中の観客が劇場に帰ってきた!」という決まり文句は伊達じゃないではなく、『TENET テネット』はコロナ禍での公開にも関わらず世界中で大ヒット。日本でも週末興行収入ランキングにて、初登場から4週連続1位を記録しました。
"ノーランSF"を楽しむための心がけ
さて、ここまで代表的な"ノーランSF"3作品を紹介させていただきました。そしてここからは僭越ながら、私の思う「"ノーランSF"を観る上でのちょっとしたアドバイス」をさせていただきたいと思います。
それは…
すべて理解しようとしてはいけない!
なんとなく各映画のあらすじを読んでわかっていただけたかと思いますが、どの映画の世界観も設定も難しすぎます!そして映画を観れば、もっと「わからなさ加減」がわかります。しかも、映画の登場人物たちは基本的にはっきりとは説明してくれません。
では、どうすればいいか…?
そんなの簡単です。
わからないままほっとけばいい
理解しようとアレコレ考えるより、まずは映像や音響に没入しましょう。ストーリについていけなくても大丈夫です。帳尻を合わせるように後からジワジワわかっていきます。
でも、結局わからなかったら…
もう1度見ればいい。
と思えばいいです。だって、何回見てもノーラン作品は面白いですからね(笑)。
これこそが、JUN式"ノーランSF"を楽しむ心がけです。
前回記事と、次回記事
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次回の記事では、クリストファー・ノーラン特集第2弾として、クリストファー・ノーランが描いたミステリー作品について紹介しています。