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組合員の幸せに向けたキャリア支援と道しるべ


現在の私たちは第4次産業革命とも呼ばれる産業構造の大きな変化に直面しています。
IoTやAIの活用により省人化が進み、雇用ニーズが変化するとともに、昨年からの続く新型コロナウイルス感染拡大は私たちの雇用環境だけでなく、働き方、生き方についても大きな意識の変化をもたらしました。
1つの職場や事業所で職業人生を全うするのではなく、職場や業務内容の変化に適応しながら、組合員一人一人が自らの価値観・キャリア観で仕事を選択し自己成長していくことが求められるようになりました。

このような流動化した社会の中で主体性を保ちながら自らのキャリアをどのように築いていくか、現在以下の3つのキャリア論が注目されています。

① バウンダリーレス・キャリア

一つの企業や職務という境界にとどまることなく、自律的自己成長しながら形成されるキャリア。マイケル・アーサーが1994年に提唱。

② キャリア自律

1994年にウォーターマンによって提唱された概念。変化の激しい時代に企業が競争力を高め成長するためには、自律的な社員、キャリア競争力に富む社員が必要であり、個人の会社内及び会社外における雇用適性を維持、向上させる責任を企業と社員がシェアする新しい契約であるとした。

③ プロティアン・キャリア

移り変わる環境に対して、組織によってではなく自己志向的に変幻自在に対応していくキャリア。「プロティアン」はギリシャ神話に由来する。1976年にホールにより提唱。

これらのキャリア論に共通するのは、組織に依存したキャリアではなく、個人が自ら変化に柔軟に対応し主体的にキャリア形成していく点です。

コロナ禍の影響を受け、職場ではあらゆる分野で多様化が進んでいます。

「何に働きがいを感じるのか」
「どのような働き方を望んでいるのか」
「心地よい生活スタイルはどんなものか」
「これからの生き方・暮らし方はどうしたいのか」
「組織に対する意識はどうなのか」などなど…

社会環境の変化で生じたキャリアや働くことへの意識の変化を踏まえ、組合員一人ひとりの幸せを追求する労働組合として、組合員の生涯に亘る人生を視野にいれながら、個人の主体的なキャリア形成を「個別に」支援する姿勢が求められています。

それには、まずは自組織がいまどの位置に立っているのか見定め、活動の道筋をつけるところから始まります。
私が所属している j.union Labは、組合員の現在地を測る指標としてj.union独自で開発した「ホーム(安心:ありのままの自分でも存在が認められる状態)」と「バザール(挑戦:自ら動けば獲得できる機会が豊富にある状態)」の指標を基に、さまざまな組合さまと共同調査を実施・分析し、それぞれの組織の特徴をつかみ、所属する組合員の関心や価値観に寄り添った活動を共に考えていきたいと思っております。

組合員一人一人が仕事を通じて実現したいことを見つけ将来の姿を描くことができれば、日々の仕事にも自律的に取り組むようになり自己成長に結びつき、ひいては組織全体の活性化や生産性向上にもつながります。

ともに活動していきましょう!

清水 康子 j.union株式会社 Labチーム
(j.union ゆにおん・ネタ帳より転載)

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