甘くないみたらし団子から語るクリエイター論

クリエイターなら誰でも
「王道をつくるか」vs「予想外のものをつくるか」
という悩みを持ったことがあるとおもう。
このジレンマについての
一つの回答案が見つかったという話。

昨日、某コンビニで
5個入りのみたらし団子を買った。
今日のお昼、コーヒーのお供に食べた。

1個目を食べたとき、
反射的に僕の口から出てきた言葉は
「なんだこれまっず!」だった。

コーヒーの苦味と対比されて
さぞかし甘いんだろうなと思って食べたけど、
甘くなかった。

でも、もったいないから全部食べた。

この体験で思ったことが2つある。

1. 人は予想通りが好き

もし、みたらし団子が
平均的に甘ければ僕は満足していたはずだ。
そりゃそうだ。
甘いもの食べたいと思って買ったんだから。

2. 「予想通り」に満足することで損しているかもしれない

3個目を食べるくらいで
「これはまずいんじゃなくて
甘さが控えめなだけなんじゃないか?」
とおもってじっくり味わってみた。
普段意識しない醤油の味が良くする。
「醤油を味わう団子」としては
おいしいのかもしれない。
もしじっくり味わわなかったら気づかなかった。
こりゃ損だ。

食べ手としての僕は、
2の考え方のほうが圧倒的にお得だ。
楽しめる幅が広いんだから。

では作り手(=クリエイター)としての僕は、
どっちを作るのが正しいのか。

作り手が利潤を追求する前提にたつと、
1が正しいんじゃないかと思う。

普通の食べ手なら1個目で食べるのをやめるか、
もしくはもったいないからと全部食べたとしても
他の可能性に気づかない可能性が高い。
(僕が優秀な食べ手と言うつもりは毛頭ない)

となると、
「予想に応えない」ということは
大半の食べ手の間口を失うということになる。
じっくり味わってくれる人にはワカるんだけど、
一部の通だけがワカる商品じゃ食っていけない。

だからこそ、クリエイターの僕は
「予想に応える」を当然のようにやった上で
「じっくり味わえば別の発見がある」
ものを作りたい。

というわけでセ◯ンさん、
あのみたらし団子もうちょっと甘くしてください。


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