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《変容の対象》2023年4月第1-2小節目

《変容の対象》2023年4月第1-2小節目を福島諭さんに送る。

まだ何かを確定できるものは書けなかった。

最近はまるで江戸川乱歩の掌品に出てくるような男のようだなと読みながら思った。

谷崎潤一郎の細雪は面白く読んでいる。この前福島さんにも話したが如何せん有名すぎるものには疑いの眼で見てしまうのは生来のことで、二十歳になるかならぬかの時にはあのマイルス・デイヴィスを頑なに聴かなかったり(どうしようもないボーンヘッドである)兎に角そういう反射的な思考は未だに根強くあって、ようやく谷崎の細雪である。体重も生まれてから最高に重くなり身体は肥大化の一途をたどるが思考は縮小の一途を、、、ではお話にならない。

安部公房もどこかであまりに多くの支持のあるものは疑ってかかると書いていたが、その文章を読んだ時の印象も未だに鮮明に覚えている。当時「納得の一撃」だったのだった。

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