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《変容の対象》2024年5月第9-10小節目

《変容の対象》2024年5月第9-10小節目を福島諭さんに送った。
本の整理をしてると、昔読んで一切開かなかった本などでいま読むとちょっと時間を忘れてしまうようなものもある。中上健次「on the border」では中上健次と村上春樹が対談していて、そこで言及される作家が当時殆ど未読だったから反応は薄かったものが、今はほぼ読んでいたりするので、そこから受ける印象は随分と血が通ったものになり、こちらに帰ってくるのだ。

さて、アルトのbuescher aristocrat series III はサイボーグのように私に手を入れられてまぁ吹けるようにはなったが、吹いていると僅かな齟齬が起こり、分解し、補修し、また吹いて、、、と本番では使うのは躊躇するレベルの再生に留まっている。ひとえに当時の部品が手に入らなく、代用で済ましているからだが、とはいっても一時は売るかどうか考えていたものが再生してとりあえず演奏に耐え得るまでになったのは雲が晴れたようで気が軽くなったようではある。

さて、今日はえげつない大雨。J・G・バラードの小説のようにこれが一月も降り続けば、、、というようなイメージも。
これは村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドでも書かれていて、昨日その箇所を読んだ。(全く記憶は無かった)バラードはインナースペースという内に潜るSFと評されるが、ヴァーミリオンサンズ・シリーズなどは当時ロマネスク的な気分も読んで感じた。テープの話とか。あれは美しい物語だ。


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