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GAP、HACCPの制度化及び一元化された新食品表示制度の課題と期待される成果について

4月よりアグリビジネスについて検討を進めています。
オンライン講義を受講しながら、備忘録として学んだことを整理します。

GAPとは、HACCPとは、新食品表示制度とは

GAPは生産工程下の安全・安心な農産物を安定して生産するため、HACCPは加工・製造工程下で食品事業者が安全・安心な食品を製造するための衛生管理のために設けられた国際基準である。

食品表示制度は、従来の食品表示を定義した食品衛生法・JAS法・健康増進法を「食品表示法」に統合し、食品表示に関する制度を一元化したものである。

それぞれの制度で期待される成果と課題

 事業者にとっては国際基準に則ることで国際競争力の確保・輸出による新たな販路の確保が期待される。
 また、消費者にとっては、基準に基づく管理による事業者の生産・加工、食品の情報表示による購入時の判断材料の増加、国際基準に基づく輸入食品の安全確保など、消費者にとって安心安全の提供を受けられることが期待される。

 一方で、GAPやHACCPのいずれにおいても、事業者にとって管理に伴う工程や事務処理の増加、認定取得の場合は第三者機関による認証費用など、生産や加工そのもの以外のコストがかかることが課題として挙げられる。 

https://www.th-haccp.com/haccp/flow.php 

 新食品表示制度は、消費者の生活様式の変化に伴う販売商品の少量化による表示スペースの縮小、表示義務内容の増加による文字サイズの小文字化や複雑化、表示義務内容と消費者が期待する表示内容、印象との乖離が課題として挙げられる。最近の紅麴の件でも、「健康被害が起きた」というマスコミ報道を鵜呑みにする傾向も強く、一度植え付けられた印象の払拭には相当の時間や金銭的コストを有することが考えられる。

 消費者は、食品安全基本法9条で食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めることや食育基本法13条で食育の推進を国民の責務として規定されているが、実際は前述の通り、食中毒の原因と食品表示で消費者が求めることことに乖離が生じているなど、判断に至る前の正しい知識の取得がなされていないことが課題として挙げられる。

まとめ(事業者・消費者ともにやるべきこと)

 事業者としては、各制度や法令順守による被害の未然防止に加え、普段からのブランディング、行政では不足している消費者への情報提供、被害が発生時の説明や対応などリスクコミュニケーションが必要と考えます。
 消費者の立場からは、使われている原材料について知識を持ち、風評被害に踊らされないようにすることが自己及び家族の安全を確保することをしっかり学ぶ必要があると考えます。


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