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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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#1

ベルベル人、そしてモーリシャス、セイシェルの料理を知る

ナショナル・ジオグラフィック誌が選んだ世界を知るcookbook5選 #1 高校生のころ、ぼくが定期購読していた雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』。 当時は動物関係の記事が目当てで買っていたのですが、最近はちょこちょこと食関連の特集もあるんですね。 これは盲点だった。 食というのは科学でもあり、地理学でもあり、人類学でもありますもんね。 イギリス版の『ナショナル・ジオグラフィック』のWebサイトに「いまオススメのcookbook5選」という記事が載っていて、チョイス

玉ねぎは片面ロースト、片面生で

2冊のcookbookが教えてくれるうまいハンバーガーの作り方 #1フードカルチャーを取り上げるウェブマガジン「ザ・テイクアウト」に、ハンバーガーのcookbookの記事が掲載されていました。 「2冊のcookbookから学んだ10のレッスン」と題されたこの記事。 奇しくも今年そろって発売された2冊のハンバーガーcookbookに注目し、ハンバーガー作りに役立つコツを簡潔に教えてくれるものでした。 ぼくもごくたまに家でハンバーガーを作るので、参考になるかもしれないと思い

料理本にももっとアフリカを!

サンフランシスコの書店主が語る必読のcookbook #1月曜日に終了したサッカーワールドカップ・ロシア大会。 フランスは若手主体のチームながら、しっかり先輩たちの遺産を受け継いで98年以来の2度目の優勝を果たしました! あるいは、98年に3位という好成績を収めたクロアチアが、悲願の初優勝を果たしました、なのかな? これを書いている時点ではまだ結果が出ていないんです……。 いずれにせよ、今回のロシア大会ではグループリーグを突破したアフリカのチームがなかったですよね。

シドニーの見どころは動物園だけじゃない!

世界の料理本だらけの専門書店13選 #1ぼくがcookbookにのめり込むようになったのは、サンフランシスコの料理専門書店に行ったことがきっかけだという話は、このククブクでも何度か書きました。 Amazonなどの通販で簡単に書籍が手に入るようになったいまでも、こういう料理専門書店に足を踏み入れると、その豊かな世界に胸がときめいてしまいます。 なんだろう、人類の文化遺産がすべてここに集結しているって感じ。 『ゲーム・オブ・スローンズ』の知識の城・シタデルのような……ってわ

すぐれたレシピはハリケーンにだって負けない

ニューオーリンズの300年を語るcookbook #1ニューオーリンズのラジオ局WWNOの番組『ザ・リーディング・ライフ』。 タイムズ・ピカユーン紙の元書籍編集者スーザン・ラーソンが本について語るという、J-WAVE『BOOK BAR』的な番組なのですが、ニューオーリンズが今年で市制300周年を迎えるということで、現在ニューオーリンズに関連した本の「読むべきリスト」を題材にトークを繰り広げています。 そして6月22日からはそのcookbook編が始まりましたので、今日から

やがてスタンダードになるものはいつも過激だった

ロンドンを定義するcookbook10選 #1昨年11月にイギリスで先行発売されていたcookbook『River Cafe 30』。 ククブクのストーリーでも何度か取り上げていますが、このcookbookが5月にアメリカで『River Cafe London』というタイトルで発売になったことで、ロンドンの食を再評価する動きが高まったようで、サヴール誌のサイトにこんな記事が掲載されていました。 記事は「ロンドンの街を定義するのに欠かせない10冊のcookbook」と題し、

ラクダのこぶってどんな味?

イスラム世界の料理がよくわかるcookbook7選 #1つい先日、イスラム世界の料理大全である『Feast: Food of the Islamic World』というcookbookが発売されたというストーリーをお伝えしました。 このcookbookは来年の賞レースを狙えるほどすばらしい作品なのですが、その著者のアニッサ・へロウが、長年のイスラム料理の研究の過程で大変に参考になったcookbookというのをサヴール誌のウェブサイトで発表していました。 どんな料理本が彼女

内部告発者からストーリーテラーへ

雑誌「ニューヨーカー」によるアンソニー・ボーデイン追悼文 #1アンソニー・ボーデインがこの世を去って、早くも5日が経ちました。 アメリでは今日までにたくさんのメディアで追悼の記事が掲載され、日本のマスコミも続々とその死を報じたのは意外でした。 築地すごい!にひっかけるあたりが、いかにも読売らしいですが。 日本語のツイッターでもアンソニーのことを悼む声がたくさん投稿されていて、日本でも彼が非常に愛されていたことを再発見できたのは、悲しみのなかでの一条の光でした。 今日は

私たちのやりたいことは大手出版社がやれないこと

ニューヨーク・タイムズの独立系フード雑誌特集 #1雑誌はオワコン、なんて言われるようになって久しいですが。 終わっているのは、大手出版社が一般大衆をターゲットにして作る、どれも似たり寄ったりの雑誌(ページの半分以上が広告だったり、造りのチープなブランドものの付録がついていたり)であって、編集者の名前で作っているような、個性がはっきりしていてパンチのある雑誌は、これからもしっかりと読み継がれていくのだと思います。 アメリカのフードマガジンの世界でも、そんなマイナーだけどもこ