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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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2020年6月の記事一覧

日本よ、これが映画原作料理本だ。

マーベルヒーローたちのcookbookが7月に発売 ビデオゲームや映画、コミックなどに登場する料理や、キャラクターにインスパイアされた料理をまとめたファン向けのcookbook、というものが結構あります。 もはやcookbookのなかでも、ひとつのジャンルを形成していると言ってもいいくらい。 こうしたcookbookを出版する会社のなかでヒット作を連発しているのが、インサイト・エディションズです。 ビデオゲーム『Fallout』シリーズや、『The Elder Scro

太陽は過去、地球は現在、月は未来

オースターの小説に登場するレストランの最後の夜 ぼくは海外文学をよく読むのですが、なかでも好きな作家のひとりがポール・オースター。 初期のニューヨーク三部作(『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』)からクッツェーとの共著『ヒア・アンド・ナウ』まで、彼の作品はほとんど読んでいます。 もう70歳を超える御大なんですよねー。 それでも執筆活動を旺盛に続けていて、2017年には最新作『4321』を上梓。 ブッカー賞の候補にもノミネートされました。 そんな彼の邦訳が新

勇気のタルトが りんりんりん

再考、『BraveTart』 「料理本は古びることがない」とククブクではよく書いていますが、本当に優れたcookbookというのは「歴史のふるい」にかけられてなお輝いているものです。 そしてこの歴史上まれに見る外出自粛期間が、世界の各地で「ふるいがけ」を加速させているようで、いままで当たり前だと思っていた習慣が「本当に必要なもの」「なくても困らないもの」にどんどんと選別されていますよね。 料理本の世界でもそれは当てはまるようで、ここ最近「使えるcookbook」と「使えな

炭水化物に恋したっていいじゃない

米ファッション雑誌が選ぶ「クセが強い」cookbook14選 女性誌「コスモポリタン」のウェブサイトに、「買い物バッグの悲しい食材をグルメ料理に変えるcookbook14選」という記事が載っていました。 タイトルがうまいなあと思って目を通したら、紹介されているcookbookも比較的独自性が見られたので、今日はこれを読んでみたいと思います。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

その者青き衣をまといて金色のザクロに降り立つべし

人気のペルシャ料理作家が5冊目を発売 緊急事態宣言も解除され、なんだかちょっとだけ光がさしてきたような気がします。 こういうときは、未来のcookbookの話でもしましょうか。 ちょっと古いですが、イギリスの出版情報サイト「ザ・ブックセラー」の2月18日付け記事に、サブリナ・ガユールの新作cookbookのリリース情報が掲載されていました。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください! https://kukubuku.net/%E3%81%9D%E3%81

料理本はセンチメンタルなジャーニー

3人のシェフが語る「良いcookbook」とは? その3 ファッションウェブマガジン「HYPEBEAST」に5月11日付けで掲載された、「良いcookbookについて3人のシェフが語る」という記事を読んでいます。 インタヴューの質問はいよいよあと3問。 シェフのひとり、マックス・ハリーが料理本を読むと思い出すという、アイルランドの詩人シェイマス・ヒーニーの詩も登場します。 最後までどうぞお楽しみくださいね。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

料理本における文体と写真の役割

3人のシェフが語る「良いcookbook」とは? その2 新型コロナで本当に料理本が売れているの?と思われるかもしれませんが、実際にここ1か月でククブクのアクセス数は何割かは増えていますし、ご紹介のリンクを経由してcookbookを購入されている方も増えているなあというのがぼくの印象です。 (いやもともとニッチなジャンルなので、増えたといっても大したことないんですけどね) ご家庭で海外の料理本も楽しんでいただければ何より! さて、ファッションウェブマガジン「HYPEBE

ユニークな文章に物語の力を宿らせて

3人のシェフが語る「良いcookbook」とは? その1 コロナ禍による外出自粛やリモートワークが当たり前になったいま、家で食事をする機会が増えた影響で料理本が売れているんだそうです。 その典型が、滝沢カレンさんの『カレンの台所』。 ぼくももちろん購入しましたよ。 上の記事では『カレンの台所』ヒットの理由は「物語性」と「ユーモア」にあると指摘されていますが、その指摘は正しいだろうなと思います。 近年の海外のcookbookの傾向を見ても、著者本人の生い立ちをレシピにリ

2020年ジェームズ・ビアード賞、発表です!

「上唇から尻びれまで」が年間最優秀賞に 連休明けに今年のジェームズ・ビアード賞の候補作となっているcookbookを、速報的にお伝えしましたが。 https://kukubuku.net/2020%E5%B9%B4%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA-%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%89%E8%B3%9E-%E5%80%99%E8%A3%9C%E4%BD%9C%E7%99%BA%E8%