長編小説【三寒死温】Vol.22
第三話 型破りな中学校教師
【第七章】任務を失敗する教師
あたしは涙が止まらなかった。
ついさっき、ひとしきり泣いて少しだけ気分がすっきりしたはずなのに。
でも、その時の涙とは意味がまったく違う。
「恐らく、この手紙が俺の家のポストに投函されたのは、去年の夏休みに入ってすぐのことだ。しかし俺は、親父の具合が悪くて様子を見に田舎に帰っていた。もちろんずっと行ったきりではなかったんだが、たまにこっちに戻って来ても、仕事や用事が済んだらまたすぐにとんぼ帰りしていた。
そのせいで