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明晰夢で空を飛ぶこと - インヘイル / エクスヘイル
この日記は、頻繁に明晰夢を見る筆者が、これから眠る自分のために書き残すメモである。
夢の中で夢だと気づくためのテクニックは、昔からインターネットで散見するが、ご自身の快適な眠りを妨げることに他ならないから推奨はしない。
筆者においては、自ら進んで明晰夢を見ようとしたことは1度もないが、週に数回、ふと夢の中で自意識と視点を取り戻す瞬間がある。そこからむやみに動き回ったり、覚醒しようとしたりすると
木の上で眠る人 - インヘイル / エクスへイル
子どもが揚げた凧が木に引っかかってしまい、親子で空を見上げている人たちがいた。
中学生くらいのグループが通りがかって、登って取ろうとするもうまくいかない。行くかあ、といって、立ち上がった夫は木のふもとに着くなりするすると登り出した。
地上ではお母さんが「え!ええ!?」と困惑の声を上げている。そりゃあ知らない大人が目の前で木に登り出したら驚くよね。ひょいと凧を手にして渡した夫は、またするりと降りて戻
目に見えないものを追いかけている - インへイル / エクスへイル
風は、この街の隅々に引っかかった寒さの淀みを散らして走るようだった。
春の広い空気の中で梅の香りを探しながら歩く。明るいのに目に見えないものを追いかける。
Radio Gardenというサービスを知り、作業用のBGMに取り入れてみた。指で画面上の地球を撫でると、夜空の星のように点々と表示されたラジオ局に次々と繋がる。
インドの大きな点に焦点を合わせたら、明らかなポップスのメロディでHallel
なんでもない日おめでとう - インへイル / エクスへイル
ロボットを動物扱いしてしまう。
去年のクリスマス、夫にロボット掃除機をもらった。クリーンぼうや、略してくりぼうと我が家で呼んでいるその掃除機は、とかく愛嬌がありかわいい。
人がキッチンに集まっていると何回も乗り込んでは往復し、人の足にぶつかり、スリッパをいっしょうけんめいに轢いて、逃げるように和室へ走る。ちょっとするとまた戻ってくる。
かと思えば、ベッドの真下で「おなかがいっぱい」になりピーピ
日記というもの - インへイル / エクスヘイル
うろんがいなくなった。
川のどこを見回しても、澄んでいて穏やかなものである。頭上でヒヨドリが鳴く。
もうこの辺り一帯の小エビも虫も食べ尽くして、どこかへ行ってしまったのだろうか。
うろんとは、ある日突然、通勤路にある小川に現れた白鷺の名前である。
本来人が通るべき路の真ん中にこつぜんと立っていて、私をたいそうギョッとさせた。
その立ち姿が、エドワード・ゴーリーの『うろんな客』に似ていたことから