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共働きと在宅勤務と子育てと

我が家では、4月9日から夫婦二人の在宅勤務が始まった。同じタイミングで二人の子どもは登園自粛とし、毎日家族四人で過ごしている。在宅勤務が始まって2,3日経った時、不意に妻が「なんか私ばっかり子守りしてない?私も在宅勤務なんだけどおかしくない?」と切り出してきた。その通りだと思う。明らかに私のほうが、部屋にこもって仕事をしている時間が長い。不公平と言われれば、返す言葉もない。

妻の要望に応えるべく、日中自分も子守りの時間をとり、妻が仕事に集中できるようにと試行錯誤を重ねているが、そう簡単にうまくいくものではない。何より、乳幼児がいる我が家では在宅勤務をしながら、乳幼児の子守りを両立しようとする事の危険性を強く感じている。仕事に注意が向いている状態の時、前の記事“娘をやけどから守れなかった”で書いたように子どもへの注意が著しく奪われる。自分がそうなるのは自覚していたけど、妻が仕事に集中しているときの子どもへの関わり方を見て、これはダメだと思い、二人の間で何が起きているのか俯瞰しようと思った。それがこの記事だ。

まず、在宅勤務が持つ特性から考えてみたい。在宅勤務というのは、ある意味でとてもシビアだ。がんばっているプロセスは何も見えない。見えるのは創り出したアウトプットだけ。会社員としての私は常にアウトプットを創り出すプレッシャーを意識、無意識のうちに感じているのかもしれない。

在宅勤務①

アウトプットを出すプレッシャーを感じると、時間をとって仕事をする。

在宅勤務②

仕事をするとアウトプットが生まれる。

在宅勤務③

アウトプットが生まれると、プレッシャーが緩和される。こんな感じで、自分が感じているプレッシャーを緩和できるところまで頑張ってこのループを回している。

在宅勤務④

一方、仕事上のアウトプットを創り出すべく、私が仕事に時間を使えば使うほど、妻の子守り時間が増える。

在宅勤務⑤

妻の子守り時間が増えると、妻の仕事時間は奪われていく。

在宅勤務⑥

妻の仕事時間が減ると、妻が創り出せる仕事上のアウトプットは減る。

在宅勤務⑦

すると、妻はやらないといけない事、創り出したい事が創れない事からアプトプットを創り出すプレッシャーを感じ始める。

在宅勤務⑧

プレッシャーが高まってくると、妻は当然仕事をする。

在宅勤務⑨

すると、今度は私の子守り時間が増える。

在宅勤務⑩

そして、私の仕事時間は減る。すると私は自分が創り出せるアウトプットが減りはじめ、アウトプットを創り出すプレッシャーに自分を支配されそうになる。(いまここ)

ここで私がプレッシャーに無自覚に支配されると、私は逆ギレのような感じで自分の仕事時間を確保しにかかるかもしれない。すると、また妻の子守り時間が増え、妻は仕事時間を削り、創りたいものが創れないことからプレッシャーが増幅する。今度は妻が私に怒り、自分の仕事時間を確保し、創りだしたい物を創ろうとする。そうすると私の子守り時間が増え、私は仕事ができないという焦りを抱えながら・・・。これがずっと回り続けるという構造に陥ることが目に見えている。

アウトプットを創らねばならぬというプレッシャー、もしくはこれを創り出したいという想いに駆られている時、子どもに向けられる注意はどうしても弱くなる。こういう時に事故が発生する。

この両立をどうしたらいいのだろうか?本当に難しい。。。

性別役割分業みたいなものが存在しない、あるいは弱くなっている我が家において、夫婦が同じ役割で足し算になるような関係だと難しい。家族という一つのシステムの中で、どうすれば補い合う関係を創り出せるだろうか。それを考えないといけない。難しいけど。

まずは、大事にしたいのは仲が悪くなる構造の中にいることに気づくことだと思う。個人の人間性だけが問題ではない。そして、こうやって互いの間で起きていることを俯瞰して気づくのは、相手が感じている仕事のプレッシャーを理解しようとすることが大事ということ。自分が感じているプレッシャーには敏感だけど、相手が感じている仕事上のプレッシャーは見えないし、感じられない。そこに注意を向けることが大事だと思う。その時にはじめて、自分が仕事部屋にこもっている時に、相手にどんな影響を与えているか自覚することができる。夫婦二人が上に書いた相互作用の中にいる時、子どもはどう感じるだろうかと思いを馳せてみることもできる。

そして、特に大事だと思うのは周りに理解、助けを求めることだ。構造を俯瞰してみると、夫婦二人だけの問題ではない事は明らかだ。仕事上のプレッシャーは外からもやってくる。そして、外からやってくる仕事上のプレッシャーというのは、変えられない前提条件ではなく、実はコントロールできることに気づく。

今は、私が早朝からお昼まで仕事部屋にこもり、午後は妻がこもるという分担でやりくりしている。ただ、午後に届くたくさんのメールが気になって仕方ない。その時に、この状況を説明すればいいのだけど、私の中には「男が家庭を理由にする」ことにどうやら抵抗感がある。ここが私にとってチャレンジなのかもしれない。

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