社長同行記at岩手県立大学

先日開講された、岩手県立大学盛岡短期大学部での授業「岩手のくらしと工芸」のなかで当社社長 工藤林太郎が講演しました。
その一部をご紹介いたします。

授業は、参加された学生さんへ「純木家具って知ってますか?」という問いからスタート(情報発信がんばります!!)。
”工業家具”と”工芸家具”の違い、木の種類(広葉樹、針葉樹)と材木についての基礎知識から、木材・家具の流通についての説明へ。

マネーの地域循環

海外の家具メーカーを例に「国産材をつかう意義」について解説。
海外メーカーは、海外で伐採・製材された材木を使い、海外の工場で製造され流通する。日本で購入されても利益の大部分は海外に流れていく。
しかし、国産材・県産材の場合、山を管理しているひと、運送しているひと、つくって売っている人などにお金が循環する…つまり、国内(県内)で仕入製造販売まで行い、お金の流れをつくることが、雇用を守り産業を維持していくことにつながる。
輸送にかかる距離に注目しても、船で何日もかけて運ばれる輸入材に対して、県産材なら岩手県内の移動だけで完結する。
「これってかなりエコですよね!」と語りかける社長。
地域経済と地球環境。授業は、純木家具の想いへ。

(講義の様子 「岩手県立大学短期大部生活デザイン専攻@iwate_pu_design」Twitterより)


木にも、人にも…

1975年先代社長 工藤宏太は「300年生きてきた木は、300年使える家具に」という理念とともに、「大きい木は大きいままに」から始まる指針を掲げて岩泉純木家具を創業。
『合板で大量のテーブルをつくっても、10年長くても20年使ったら捨てられる。そんなものに樹齢数百年の広葉樹を使うことこそもったいないし、無駄づかい。
大きな木を大きいまま使い、300年生きた木は300年使える家具にしよう。
300年使える家具をつくれば、その間に次の新しい木が十分に成長することができ、広葉樹の資源を減らすことにはならない。』
(岩崎書店 「森がささやいている」池田まき子著より抜粋)
大量生産・大量消費の時代に、岩泉町の森林をみつめ、故郷の美しい山や森、自然を、次代の子どもたちへ引き継ぐことが大人の責任と考えた先代。
「SDGsなんて言葉が流行る何十年も前に、30代で考えてたんですから。いや~、自分の親父ながらすごいですね」と笑う社長。
岩泉純木家具は今年で創業48年。木にも、お客様にも喜んでもらえる家具づくりを続けている。

(盛岡店レジ正面にある「純木家具の指針」)


少しだけ背伸びをしてみよう

授業終盤、林太郎社長は「器やカップ、なんでもいいからひとつ良いもの、自分が気に入ったものをつかってみる」ことをデザインを学んでいる学生さんへのメッセージとして伝えた。
純木家具を引き継ぐにあたり、『オーダー家具とはなんぞや?』という自らの問いに答えを出すため、スーツや革靴を盛岡でオーダー製作したエピソードを紹介。
体に合ったスーツは、スポーツウエアを着ているような感覚で長時間着ていても疲れない。靴は今まで足に合うものがなく詰め物をして履いていたが、オーダーした靴は足になじみ、履き心地よく歩きやすかった。
良い物は愛着が生まれ、自然と丁寧に大切に扱う。大事に手入れすることでずっと長く使うことができる。
今、100円ショップの食器や個性を排した安価な製品に囲まれ「これで十分だよね」という暮らしが若い世代だけではなく、40代50代にもじわじわと広がっている。これでは文化が衰退していく。
そこで、「少しだけ背伸びをしてみよう!!」。クラフト市に出かけてみて、作家さんが手掛けたものを手に取ってみよう。
手になじむもの、気に入ったものを使おう。
「大人になった時、世の中の見え方が変わるはず」と語り授業は締めくくられた。


書ききれなかったことや、紹介したいエピソードなど多々ありますが、以上が林太郎社長の講義に同行した盛岡店スタッフのレポートです。
授業に参加いただいた学生さんと同じ目線で、授業に参加し書きました。
岩手のデザインや工芸を学んでいる学生さんや、まだ純木家具を知らない方に読んだ頂けましたらうれしいです。

所在地  〒020-0063 岩手県盛岡市材木町8-26
TEL  019-624-4323 FAX  019-624-4330
営業時間  AM10:00~PM6:30(定休日/木曜日)
本社HP https://www.junbokukagu.co.jp


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?