good vibes ,open heart

2012年、ちょうど10年前。大阪から船に乗って中国に渡った。
夏の上海は蒸し暑く、船で知り合った旅人と宿にチェックインし重いバックパックを下してから、早速冷えたチンタオ(向こうのビール)で乾杯した。

高校生の時にTVの無意味さに気づいて辟易していらい、TV観る習慣が無くて中国に渡るときもやんわりと耳に入った程度にしか知らなかった 日中の島問題 。向こうでは 魚釣島 と呼ばれていたので日本で何と呼んでいたのかは知らない。
とにもかくにも、自分が上海へ渡った時は思いっきり、もう気持ちいくらいに 反日感MAX な状況だった。

店の入り口には日本国旗が敷かれていて、みんなそれを踏みつけて入店していた。
日本車のエンブレムには中国国旗のシールが貼られていた(日本の車だと反日ピープルに破壊されてしまうので)
そして、俺は行かなかったけど近所で反日デモが行われている、そんなタイミングの中国入りだった。

日本を離れる前は、あまり中国人についていい印象の話は聞こえていなかった。
ただ、それはあくまでそれを話した人達の感覚からくる話し手であって、あれだけ沢山人がいれば人数に比例していいやつも(確立だけで言えば日本より多いはず)多いんじゃないかと思っていた。
この入国前の自分の考えは良い意味で後日、立証されることになった。

シンプルに言うと

中国めっちゃヨカッタ!

良いヤツら沢山イタ!

とてもとても助けらレタ!


です。

すごくよかったよ中国。


謎な偏見もってないで心オープンにして(これ大事ね~)訪れればきっとどんな所でも違った景色が見えるんじゃないかと思ってる。
なかなか日本では心を開くのは難しいけど、やはり海を越えると開くものがあるように感じる。

旅はいいね。


さて、メディアは連日、互いの国に否定的な態度で国民の皆さんもそれにほとんど同調している様子だった。

食堂や移動の際、英語を話せる中国人の方と時折おしゃべりする時も、話初めはにこやかだけど、日本人です と伝えた途端に表情がもうあからさまに曇る、というのを何度か経験した。
まぁその方の価値観でしかないから、そうなんだなぁ、少し残念だなぁくらいに思っていた。

宿がたーくさんある観光地で宿探しをしていくと、日本人は政府からNG出てるから泊められんと言われ、何件も断られたりして、一件だけ人の好さそうなおばちゃんの宿がこっそり匿うように泊めてくれたこともあった。(10年たった今でもちゃんと思い出せる。めっちゃ嬉しい。笑顔の素敵なおばちゃんだった。謝謝)

そんな感じで大分AGAINSTな雰囲気の中だったけど、懲りずに広い広い中国大陸を一番安い木のシートに夜行列車で旅をつづけた。

ほとんどルートも目的も持たない旅なので途中であった人からすすめられて次の目的地を選ぶことも多かった。
西部の大理(ダーリー)に向かったのも旅のどうちゅう旅人に勧められてのことだった。
風の吹くまま、気の向くまま、羽毛が風で運ばれるような旅だったように思う。

そんな羽毛がたどり着いた大理はあんまりそれまで目に入って来なかった面白い中国の若者が集まっている場所だった。ドレッドヘアーの中国人の兄ちゃんも初めて目にした。
おしゃれな店も多くて他の街とは明らかに何かが違っていた。
日がなウロウロしていると何人かの若者と仲良くなって気づいたら彼らと一緒に暮らしていた。

学生や元自衛官、自分探し中?のカメラマンなどそれぞれ20代前半のフリーな時を過ごしていた。自分もそんな彼らと一緒だった。


2週間ほどともに過ごし、中国人の趣向を色々とみることになった。


彼ら、ひまわりの種めっちゃ食う。

行ったら分かるけどホントにそこらじゅうで食べるからいろんなところに殻が落ちていた。


食堂とかでもめっちゃ散らかす(散らかすのはおいしかったよ!の証らしい?)


そしてお茶めっちゃ飲む。


宿の中庭の木陰に並んだテーブルと椅子。
そのテーブルに台付きのお茶セットがあって、おちょこ見たいな小さな椀に何度も何度もみんなで注ぎ合ってお茶をすする。

そのそばではいつも誰かが麻雀をする。

腹が減れば近所の食堂で腹ごしらえをした。

良く食べよく寝、良く遊び、平和な時間がそこにはあった。


ある日同じようにみんなでお茶をしていると、友達になった一人から 島のことで国同氏もめてるけどYOUはどう思ってんの??と聞かれた。


その時中国に入って2月以上過ぎていて、ビザも延長していた。それくらい中国での時間を楽しんでいた。


彼の質問にはこう答えた。


争っているのは、国対国で正直おれは興味がない。中国人を好きでない日本人も確かにいる、でも俺はそうは思っていない。
反日の影響で嫌な思いもしたけど旅の道中、本当にたくさんの中国に人々に助けられた。どの瞬間も常に助けられて中国のいろんな景色を見ることができた。
そして今もすごくいい時間を過ごしているし俺はお前ら好きだから、まぁそんだけだよ。国対国じゃなくて、あくまで人対人だと思うよ、と伝えた。

そうしたらJUNめっちゃありがとうホントそうだと思うといって固い握手を交わした。 木漏れ日の中のとても穏やかな良い時間だったのを覚えてる。


国同氏の利権もあるし、マスメディアが情報を流すのにも色々な裏があると思う。流れる情報にどれほどの信憑性があるのか甚だぎもんだ。

この時の中国TRIPも自分の体を通して、情報と現実の差を実感することができた。

全員がいいヤツではなかったし、もちろんいい悪は状況や立場が変わると変化するものでもある。

ただ聞いていた以上に、良い国だったCHINA.

インドとはまた違うカオスだった。人の多さも実際目にすると結構パンチが聞いていて、高級車の走る横で沢山の人たちが列車を待つまでのあいだ家族で身を寄せ合って駅前の広場で寝ていた。自分も彼らに混ざって寝た。

色々とごちゃごちゃしていたけど、競争率の高さなのか国民性なのか、みんなとてもエネルギッシュだった。我が我が!!なプッシュしまくりな勢いを感じた、俺はその感じが結構好きだった。

時々、あのわちゃわちゃした感じが懐かしく、恋しくなって、中国行て―!!となることがある。


旅から戻ると人から、どの国が一番良かった?と聞かれることが良くある。

質問者の期待外れかもしれないけど、本当にどの国も、本当に良かった。としか答えられない。
体壊したり騙されたりヘビーな経験をすることもあるけど、結局そんなときも現地の人や旅人に助けられて、 超ありがてー(感涙)と良い思い出になって自分の中に重なっていくのがほとんど常だった。

ただやはり重要なのは心を開いてお相手と接することだと俺は思う。
国によっては、人によっては、なんだこのアジア人は?といぶかしげな顔からコンタクトが始まることも多かったけど、こちらがフレンドリーかつオープンに接するとお相手の壁がするすると溶けていって別れの時には笑顔でGOOD BYEできることが多々あった。

相手ではなく、国、ではなく、結局自分、なのだねぇ。


これはいろいろなことに通じているのでございましょう。

good vibes ,open heart

旅は続くね。