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【1-3-4-1-2】前進に必要な”四角形”攻略法と”CB-SB間” 攻略法徹底解説

” 1-3-4-1-2 ”

バルセロナの育成年代ではあまり採用しているチームを見ないシステムでもあります。ただシステムとしてはあまり見ないだけで、ポジショニング(固定されたものではなく、プレー状況や背景によって常に変動するもの)としては試合の中で採用するチームも多いです。日本の現場でもそうじゃないですかね。

今回の記事ではそんな1-3-4-1-2システムの焦点を当て、プレーの前進に必要な四角形の攻略方法とフィニッシュゾーン侵入に必要なCB-SB間の攻略法方法について見ていきます。

こちらの記事を動画で視聴されたい方はこちらから。

-この記事を書いている人-

中身に入る前に、共通認識しておきたい考え方と当記事に登場する言葉の共有をしておきます。

まず初めに何か集団的なコンセプトの話をする際には必ず以下の3つの視点(規模)の理解が必要です。

❶MACRO(集団戦術)
❷MESO(グループ戦術,個人戦術)
❸MICRO(テクニック-実行)

現代フットボールの傾向からして、全体のオーガナイズを通した数的優位性または位置的優位性の構築という点では大抵のチームが行えるようになってきましたが、せっかく構築した優位性をMESOアクションもしくはMICROアクションの欠如によって活用しきれない場面が多いように思います。優位性というものは構築できるのも一瞬なら消え去るのも一瞬です。

・守備のスライドの動きはめちゃくちゃ綺麗に統率されて距離感や角度も適切に保たれてるんだけど、いざボールを奪う際のタックルする技術が欠けてるからボールを奪えない…

・適切なサポートで位置的優位性の確保ができても、いざボールを受けた際のからの向きやコントロールする方向性が悪いがために前進ができない…

・センタリング時の全体的配置(誰がエリア何に入って、誰がこぼれ球の位置にいて、誰が後方でリスク管理をする)やエリア内での選手間のタスク(誰がどこのゾーンに走り込むか)もはっきりしてるんだけど、肝心なシュート能力に欠けてゴールが決まらない…

いろんな状況が考えられますが、何が言いたいかというと最後のミクロまでにコレだけのプロセスが詰まっているのがフットボールだし、そのプロセスが完璧でも最後の実行が不完全なら目的が達成されないのもフットボールです。我々指導者は、まずは個々の分類を理解しチームにとって今何が不足しているのか?に目を向ける必要性があります。

今回の記事ではここで言うところの、MACROとMESOアクションに焦点を当てながら見ていくイメージです。

次にもう1つ前置きとして共通言語を共有します。以下の図に色々書いてますが、今回の記事でより頻繁に登場するのは4つのゾーン名と相手の1stプレスの背後に存在する前進ベーススペース、そしてそのさらに1列目に存在する3つの四角形です。

存在する四角形の数はもちろん相手のシステムとの兼ね合いで変動しますが、今回の記事では対峙する相手システムを1-4-4-2と仮定するので3つの四角形を書いてます。

1-3-4-1-2 前進に必要な3つの四角形攻略方法

それでは中身に入っていきます。

まず初めに特徴としてこのシステムでは2ボランチを含めた前線5枚の配置が赤四角形で記されている通り中央レーンに密集しているため、トップ下が左右に流動的に動けるとはいえ、左右の四角形スペースを占拠することが少し困難になる傾向があります。

ではこの問題を解決するために、チームに対してどのような機能性を与え選手間でのムーブメントを起こしていくべきなのか?その手段をこのあといくつか見ていきます。

また、1-4-4-2の相手と対峙したと仮定した時にどこのスペースに有益なスペースが存在するのか?も少し見ていきます。

以下の図の通り、前進ベースには既に2枚のボランチが配置されているためスペースの占拠ができています。

また相手FW2枚の脇スペースは、ボランチを左右化するかCBの両腕(中央CBの横をぶら下がってるイメージから腕と呼ぶ)が高い位置を取るもしくは運ぶドリブルを行いスペースを占拠することは可能です。

ただ先ほども言ったように、四角形の占拠という意味では確かに2FWが相手両CBを固定できれば中央の四角形はトップ下はが埋めれる構造になっていますが両端の四角形は構造上に2枚のトップ下でプレーもしてなければ、インテリオールもいなければ、中を取るウイングの存在もないのでやや占拠が難しくなります。

WB内レーン+3人目の動き

では先ほども言った左右の四角形の占拠をどのようにして行っていくのか?まず1つ目のオプションはWB+3人目の動きです。

❶腕から相手DFを背負っているFWに縦パスが入り、ウイングバックが外レーンではなく四角形がある内レーンに正面を向いたまま落としのパスを受けて3人目の動き(FWにピヴォ的役割を担える選手がいればより有効)
❷WBが内レーンに入った際の相手SBの対応としてはWBについていくよりは、最終ラインを整えたいという心理が働き下図のようにポジションを後退させるためWBはフリーになりやすい。また単純に3人目の動きに対して縦の関係性/動きになるのでマークに付いていくのは困難
❸相手CBはFWに固定されているためWGにプレスに出るのは難しい
❹同サイドの相手ボランチがWBに対してプレスに出れるかもしれないが、縦パスで既にライン超えられていること、そしてトップ下の位置が気になってWBへのプレスがかかり切らない

ではFWの選手は落としのパスを行った後にどのようなプレーオプションを持つべきなのか?を見ていきます。

❶円形ムーブメント(相手CB動員役)

1つ目のオプションは落とした後に円形ムーブメントを行うオプションです。

ただここでの動き出しはあくまでも自分がボールを受ける以上に相手CBを後方に動員し(円形ムーブメントには動員力がある)ライン間で受けたWBにスペースを生成することが目的になります。

またここで受けたWBが逆足の選手だとそのまま自分で中に切り込んでシュートまで持っていけるかもしれないし、円形ムーブメントをFWがした際にCBが自分に出てきた時に行うFWへの斜めのパスも右足のアウトサイドよりも精度が増します。

❷ダブル壁パス

次のオプションは相手CBがWBにプレスに出てきた場合です。ここで活用可能なアクションがダブル壁パスの概念です。このコンセプトに関しては著書ダイヤモンドオフェンスを書かれた坂本圭さんから学ばせていただいた概念です。

落としのパスをした後に、プレスに出た相手を逆手にとってダブルでさらにもう一度FWの選手とのパス交換を行い前進します。メッシが右サイドにおいてよく行うアクションですね。

❸自ら反転するオプションを捨てない

3つ目は落としのパスを行わずに自らが反転してゴールを目指すオプションです。何度かこの崩しをした後に、相手CBが事前に落としのパスを予測しているなと認知をした場合に落とさずに自らが反転します。

相手に対して、「こいつ自分でも反転できるオプションあるんだ」と思わせることが重要です。

CB,ボランチ,WBの流動的なポジションチェンジ

少し話を左右の四角形の攻略方法に戻します。2つ目のオプションはCB,WB,ボランチの流動的なポジションチェンジです。逆サイドの腕からCBにボールが渡っている間に3人が外レーンいおいてポジションチェンジを行います。

❶WBが同レーンにて高さを上げる。
❷腕がWBがいた場所へと移動
❸ボランチが腕がいた場所へとポジションを左右化する

この段階で最初のオプションとの違いは同レーン(外)に2枚がいること

次に、外の落ちたボランチの選手がCBからボールを受けて顔を上げた瞬間に外にいたWBが四角形の中心に移動。ポジションチェンジ実行の明確なタイミング(WHEN)の指定はキーファクターの中でも特に重要です。

全体バランスを整えるため、トップ下,逆FWが高さを落としてバランス調節

WBが高さをとり、四角形を攻撃した際の相手のWGの守備対応を見てボランチの選手は腕とプレーするのか、四角形に縦パスを付けるのかの判断を下します↓

フィニッシュゾーン侵入のための相手CB-SB間攻略方法

ここからはもう1つのテーマであるCB-SB間もしくはCB間の攻略について。フィニッシュゾーンへと侵入する際に非常に重要な概念です。

まず前提として、今回話している1-3-4-2-1システムだと、このCB-SBの間隔を利用する選手がいません。最前列にままえる2トップは同ラインからこの間隔に抜け出すことは可能ですが、セカンドラインから走り込むような選手がいないので相手からするとそこまで怖くはないです。

ではどのようにしたらこの間隔を利用しながらフィニッシュまで持って行けるのか?見ていきます。

❶腕のインナーラップ+3人目の動き

まず1つ目は腕のインナーラップ活用です。下の図のように右腕がWGにパスを出した後インナーラップを行います。WGは中央レーンに顔を出したトップ下とプレーを行いトップ下はインナーラップで相手のCB-SB間を攻撃した右腕を3人目として活用しフィニッシュまで持っていく形です。

もちろん、腕がWBにパスを出した際に相手のSBが明らかにトップ下へのパスを嫌って中を切ったプレスに出てきたら、直接に右腕とプレーができます。そうではなく図のような配置を取ってくるのであれば3人目としての活用が有効です。

またここで面白いのが、なぜWGは一番近いFWとプレーするのではなくあえてトップ下をプレーする必要があるのか?コレには明確の理由があります。


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