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”自動化トレーニング”は必要なのか?

今回の記事では、「自動化トレーニング」について解説をします。

動画での視聴を好む方はこちらからご覧ください↓

スペイン語ではAutomatismo、直訳すると「オートマチック」「自動」といった意味合いとなります。

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今となっては日本の指導現場でも頻繁に聞くようになった言葉かと思いますが、ではそもそもで...

・自動化トレーニングとは?
・適切な利用シーンは?
・行う際の注意ポイントとは?

そこまで詰めて定義をできている指導者は意外と少ないのではないかと思っています。

そこで今回の記事を最後までご購読いただき、本当に必要なトレーニングなのか?を判断していただけたらなとも思います!

-この記事を書いている人

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まず初めに、すでに自動化トレーニングがどのようなものなのか?

知っている方も多いとは思いますがまだぼんやりしてる方のために、まずはわかりやすくこういうものだよと言ったビデオを3つ共有します。同じ自動化トレーニングでも少し設定が異なるので比べながら見てみてください。↓

https://youtu.be/t6mY8psKI58

https://youtu.be/3Gg0pq-s1Ac

以上のような形でのトレーニングが当てはまるわけですが、しっかりと言葉として定義からしましょう。定義はこちらです。

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ここで1つポイントとなるのは、あくまでも【集団的アクションの連鎖】ということです。

指導者によっては、それこそ動きを自動化するいわゆる反復的要素が伴うものが自動化トレーニングとして当てはまるのであれば、頻繁に見られる決まったポジションについてのパス回しのトレーニングや、フィニッシュのトレーニングでセンタリングなどの決まった場所に走り込んで行う反復作業、これらも全て自動化トレーニングと定義する指導者も多いのですが、僕個人の定義と認識ではあくまでもこの自動化トレーニングというのは、集団的アクションの動きをトレーニングする際に用いられる方法というところです。ここを少し冒頭にはっきりさせておきます。

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賛否の意見

スペインの育成現場でも頻繁に見られるトレーニング法ではありますが、この方法に関しては賛否両論あるのが事実です。

「事前にプレーヤーの意思決定だったり判断が決定されている状態になるから、実際に2回も3回も同じシチュエーションが起きえないような試合のためにはならないんじゃないか?」や、「敵がいない中で行うのであればいわゆる認知的負荷やプレーの複雑性が減るので意味がないんじゃないか?」とか、逆に「試合の中でプレーヤーたちが考えないでプレーをする、いわゆる無意識化を促すためには大事なんじゃないか?」など本当にさまざまな意見があります。

なので結論を出すには難しいテーマではありますが、僕個人的には結論、それがいわゆるチームのプレーモデルが関与しているメニューなのであれば意味がないものはないと思っていて、しっかりと利用シーンさえ間違えなければ使い勝手の良いメニューになるなという感じです。

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どのタイミングで活用すると有効なの?

なので、この記事でも意味がある/ないの話をする気はないのですが、ではその適切な利用シーンてどのようなものがあるの?を見ていきます。

僕の中では主に以下のシーンにおいて、有効だと思っています↓

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❶1日のTRのイントロダクション

まず初めの利用シーンは「イントロダクション」の部分です。要するに1日のTRの目的を初めの段階でプレーヤーのの中にインプットさせる作業に適しています。

いきなりに、敵ありでのオレアーダポゼッションTRをスタートするのではなく、徐々にプレーの複雑性/難易度を調整するためにはイントロのタイミングで自動化トレーニングを挿入する指導者はたくさん見受けられます。

”複雑性”を調整するプログレッションメソッド解説動画はこちらから↓

❷新しいチームコンセプトの導入時

次に「新しいチームコンセプトの導入時」にも適しています。少し❶と似てはいますが、もちろん週末の対戦相手のシステムや特徴によってゲームプランが変化する中で、通常持ち合わせているプレーモデル内でのプレー以外のプレーを行う週も発生します。

そのようなケーズにおいて、初めの”植え付け作業”としてこの自動化トレーニングが用いられることも多々あります。

❸プレシーズン

最後に「プレシーズン」があります。日本の育成現場とスペイン育成現場ではこのプレシーズンへの見方や期間などが異なるかと思いますが、バルセロナの育成現場では夏の長い長いバケーション期間を終えた後、約1ヶ月間のプレシーズンがしっかり設けられます。

この期間にいわゆる、今シーズンのプレーモデルの構築作業を行う中で自動化トレーニング用いる指導者は多いです。初めのシメオネの動画でもありましが、それは攻撃の形に限らずに守備も然りです。

動画のようなあんな地味で退屈なメニューをシーズン中に行なってしまうと、スペイン人は爆発します。笑

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行うにあたりここだけは気をつけて!

最後に見ていくのが、実際に自動化トレーニングを行うにあたり、重要となるポイントについてです。

一見、シンプルな構造のトレーニングですがその分、我々指導者が注意するべきポイントがあります。以下の4つです↓

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❶トレーニングするアクションの明確な設計と伝達

自動化トレーニングの1つデメリットとして、”退屈さ”があるのでセッションを始める前に我々指導者が彼らに対して「今週末の相手はこうでこうだから今からこれをやるんだ!」とパッションを持って伝え、同い方向を向かせることが重要です。

また、定義でもあった通りテームとしての動きを行うので、初めの説明で各プレーヤーのポジションごとの機能を明確に伝える必要があります。また、一度プレーが始まると可能な限り継続性を与えるために、フリーズはしたくないので同じく重要となります。

❷プレーの継続性の管理を行う

❶と重なる部分はありますが、飽きやすいというそもそものTRの傾向からして、過度なプレーへの介入をしてしまうと選手からすると地獄です。

動作を体と頭に染み付けるためには、一定のプレーの継続性を与えてあげる必要がありそのための工夫をする必要があります。

また、仮にプレーへの介入をするにしても可能な限りフリーズをかけず、プレーを流しながらの介入を意識することが大切になります。またそれに加え、行う時間もうまく調整しなければダラダラしてしまうので注意が必要です。僕が行うときは、長くても7分ですね。

❸複雑性/難易度の調節が存在するか?

この記事の初めの育成のTRとグアルディオラのTRメニューでもありましたが敵なしverと敵ありverがありましたよね。

要するに、自動化TRの中でもメニュー自体の複雑性を少しずつ調整することで彼らのアクションの習得の手助けとなります。

例)敵なしの状況→奪いなしのプレスだけの敵ありを設定状況→(シンプルな判断とバリエーションを持たせる)→ずっと同じ動きで彼らを機械化させるのはNG

❹テクニック要素のエラーに対しての過度な介入と修正は行わない

定義にもありましたが、あくまでも集団としての動きを作るために行います。もちろん、その中にはメニューを通して技術的なミスも発生するわけですがその側面への過度な介入と修正を行なってしまし時間を費やしてしまうと本来の目的からブレてしまうことがあるので注意が必要です。

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