我々は映画「タイタニック」から何を学ぶべきか
映画史上最高の世界興行収入を記録していた「タイタニック」。
私自身も大好きな映画です。
この映画は、ただの「ラブストーリー」でも「パニック映画」ではありません。
この映画は、「生きるということがどういうことなのか」を教えてくれる映画だと思います。ローズの生き様を通じて。
一番好きなシーン、名セリフ
最後、ローズが生還して、生存者の確認で名前を聞かれ、
「ドーソン、ローズドーソンよ」と答えるこのシーン。
強くたくましい顔で。自由の女神を眺めながら言うこのセリフが一番好きです。
この時のローズの心境はどうだったのか。そこから何を学べるのか。
まずは、少しストーリーを追わせてください。
決められた人生に息苦しさを感じていたローズ
ローズは、ワンピースでいえばサボと同じ。
一見よく見えるけど、不自由な暮らし。
貴族としていい暮らしをしていたけど、家のために自分を犠牲にしなければいけなく、息苦しさを感じていた。
自殺まで考えてたほど。
そんな時、船でジャック出会い、ジャックは自分たちとは真逆の生き方をしていることに興味を持ち始める。
婚約者や母親を含め、自分たちは身分や財産やプライドを守るためいきているのに対して、ジャックは貧乏生活だけど、自分の意思で懸命に生きて夢を追いかけている。
貴族たちや自分には大事なものが欠けていると気付き、人生を変えたいと強く思うようになります。
理想と現実の境で揺れる心
海へ飛び込もうとしたローズを救ったお礼に、貴族の晩餐会へ招待されるジャック。
その後、ジャックはローズを誘い、3等客船でお酒を飲んで、踊ってはしゃぎまくる。
ローズにとっては、普段とは全く違う世界。いいな。自由な道。ジャックが見せてくれる自分が知らない世界に、自分も好きな道を歩みたいと思うようになったでしょう。
しかし、現実はそう甘くはない。
翌朝、婚約者から「二度とあんなことするな」とヒドく怒鳴られる。
母親からも、もうジャックと会わないようにと言われ、家のため(お金のため)に結婚しなさいと強く言われる。
その気持ちにジャック自身はもちろん気付いていた。
そこで、続くのがこの名シーン。(ここも好きなシーンなので、映像たっぷりでお読みください笑)
ジャックが貴族の服着て、紛れ込み、ローズを捕まえる。話があると。
会うなと言われているから困る。
あなたの助けはいらない。と突っ放すローズ。
感動的な口説き文句です。(好きすぎて、ここだけで10回くらい再生しました。)
しかし、ローズはこの時ジャックを振り切ります。
シーンが替わり、お母様たちとお茶のシーン。
ぼーっと女の子を見るローズ。
礼儀正しく躾されてるの女の子を見て、自分の幼少期と重ねる。
この先ずっと決められた道を歩むことを改めて実感したローズは、自分自身の生き方に吹っ切れる。
自分の気持ちに素直になり、運命を切り開くことを決断。
そして、一番有名な船頭のシーン。
船が沈没・・・
そして船は、氷山とぶつかる。
乗客の半分も乗れない救命ボード。
女性が優先されローズも一度はボートに乗るが、なんと飛び出してしまう。
なぜ、飛び出したのか。
ローズは、一度は自殺まで考えていた。
でもそんな自分を助けてくれたのはジャックだった。
それは自殺行為を止めてくれたことじゃなく、貴族を捨ててでも自分の信じる道を生きる、人生をやり直す、ジャックはその運命を切り開く勇気をくれた人。
ジャックと一緒に生きていくと決めた。
ジャックがいないと意味がない。
ジャックと生きると思ったのだと思います。
そして、タイタニック号は沈没。
ジャックが自分を船の残骸に乗せてくれ、救ってくれた。
こんなところで君は死ぬんじゃない。
子供をたくさん産んで、最後は温かいベットで死ぬんだ。
この言葉はすごく意味深い言葉だと思います・・・
ジャックは自分がもう死ぬことをわかっていた。
だからこの言葉をかけた。
ローズが今までの不自由な人生から、自分と新しい道を歩もうとしたことをジャックはわかっている。
でもローズには、自分と生きることが新しい道を歩むことのすべてではないことを伝えたかったんだと思います。
世の中はすごく広い。楽しいこともたくさんある。馬に乗ったり、飛行機に乗ったり。
だから、せっかく新しい人生を歩もうとしたんだから、生き抜いて欲しい。
それを約束して欲しい。
そう思ったのだと思います。
そうやってジャックは死に、ジャックのおかげで自分は奇跡的に生き延びることができます。
自分がローズの立場だったらどうだろうか・・・
セリフに隠れた意味「ローズ・ドーソンよ」
そして、来るこのセリフ。
ドーソンは、ジャックの名前。本当は結婚しないと名乗れない名前です。
ローズがこう名乗った理由の1つは、
貴族から断ち、自分の意思で生きることを意味している。
本当の名前を言うと、生き残った母親や婚約者に見つかってしまうため、貴族としてのローズを殺したのだと思います。
そしてもう1つは
ジャックとともに生きることの意思表示です。
「自分の意思で生きていくこと」は、ジャックの願いでもあった。
自分の命と引き換えに、最愛のジャックの願いでもある。
自分を色んな意味で救ってくれたジャックのためにも生きていく。
その強い意思が、この顔には現れています。
この映画から学ぶべきこと(1つ目)
私は、ローズの生き様を通じて「生きるということがどういうことなのか」を考えさせられました。
私の大好きな本で、「選択の科学」と言う名著があります。
この本は、全盲となった著者が、「自分で選択した方が明るい人生が拓ける」と思い、20年にわたって「選択」を研究したまとめです。
そこには、自分で選択することが、健康的で幸せな日々を過ごせると書かれています。(もちろん環境によっては、必ず幸せになるとは限らないケースもあると書かれています)
自分で選択すると言うことは、誰かに決められた選択より自責に思えるでしょう。
タイタニックのラストシーンで、ローズの魂が船の中にいきジャックと再会します。
あのシーンの直前のベットシーンで、たくさんの写真が並んでいます。
そこには、馬に乗ったり、飛行機に乗ったり。(おそらく当時の女性では一般的ではなかったはず)
ローズが、自分の選択で生きた証です。
貴族として生きていくのも1つ。
最愛のジャックを失い、家にこもり失意の底へ落ち続ける生活をするのも選択も1つ。
子供を産み、自分の好きなことをしていく選択も1つ。
ローズは、貴族という人生を捨て、悲しみのどん底から前を向いて、自分の意思で自分の選択で生きていった。その生き方は幸せそのものだったと思います。
生きることは、選択の積み重ねです。
であれば、ローズのように、誰かに選択された貴族の人生より、自分の意思で選択して生きていく生き方を歩むことが大切だと感じます。
この映画から学ぶべきこと(2つ目)
そして、もう1つ。
選択の積み重ねを言い換えるならば、
人生とは、常にトレードオフの連続だということです。
何かを得ると言うことは、同時に何かを失っている。意識無意識に限らず。
晩餐会の後、ジャックの誘いにのるかのらないか。
一度は乗った救命ボートに降りるか乗り続けるか。
1つ1つの小さな選択が、違う選択だと今のローズはなかったように思います。
そして、生きていれば、最も大切なものを失うこともあります。
ローズはジャックを失いました。
でも、ジャックを失ったからこそ、あの吹っ切れた生き方ができたと思います。
生きると言うことは、何かを得続け、同時に何かを失う続けること。
そして、実は、人生は「得ること」以上に「失ったこと」からこそ生まれるものが大きい。
ローズのように、
一番大事なものを失っても、それがあるからこそ今の自分がいるんだと思います。
人生とは選択の積み重ねである。
人生とはトレードオフの連続である。
だからこそ、
・自分の意思で生きていくこと。
・得ることだけでなく、失うことにも目を向け、失うからこそ今の自分ができ上がり、前を向いて生きていくこと。
ローズの人生を通じて、人生を考えさせられる映画でした。
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