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デイヴィッド・ホックニー展

デイヴィッド・ホックニー展 
東京都現代美術館にて2023年11月5日(日)まで開催


今年一番楽しみにしていたデイヴィッド・ホックニー展。
私は開催されてから2回行きました。
2回とも感動するポイントは一緒だったり、
違うところに心惹かれたり、とても良い時間を過ごせました。
あと2回は行ってしまうかもしれません。
それくらい楽しみに待っていました。


さて本編のデイヴィッド・ホックニー展です。
私はたまたま学生時代に友達が彼のファンで、彼のドキュメンタリーを見たことがありました。表層的な一部分は知っていた程度です。
スイミングプール、スプリンクラーの作品が有名ですね。
私もスプリンクラーの作品を直接観ることが非常に楽しみでした。
この後は思うままに、印象に残った作品について書いていきたいと思います。

『スプリンクラー』
色彩、自然、人物、人工物。
現代人は、過去最高に自然と人工物に囲まれて生きている人類です。
変化も大きい。
誰も、その関わり方の正解なんで解らない。
青々と美しく茂った芝生、大きな邸宅。
美しい芝を保つために放たれるスプリンクラー。
自然に囲まれているようで、全ては人工物。
このことに気が付いた時、描かれずにはいられない芸術家。
違和感があるのに調和がある。何だろう、この不思議な感覚。
私たちは人間的な平和や美しさを保つために、自然を都合がいいように調節し始めたんですね。

『クラーク夫妻とパーシー』『両親』
あるいは人物。
友人と両親。どの芸術家も人物を描くとき、ポーズや視線にとても気を配ると思います。それらがその人物を物語るから。
友人夫婦を描いた作品では、美しいく整えられた室内、夫婦の距離感、色調が作者と夫婦の美意識の高さを感じさせます。

そして両親。まっすぐ作者を見つめる母親とじっと本を見る父親。
なんとなく人柄を感じてきます。
深いまなざしとよく言うけれど、彼の母親の瞳の表現にぴったりだと思います。彼の父親も、今のデイヴィッド氏に通じる職人気質現わしているようで、ふたりの人柄を想像するのが楽しく感じました。
二組の夫婦のポートレートが同じスペースのすぐそばにあるので、何度も何度も観比べてしまいました。
人物の内面を感じさせることで作品に説得力や魅力が生まれていました。
鑑賞者に想像する余地を与えてくれる作品に、アートの可能性を感じました。


ドローイング画には、ブルーノ・マーズ氏も登場していました。
彼は陽気でご機嫌な明るい方だと思っていたのですが、知的で繊細さを併せ持つ方なのかもと感じました。
こういう想像を掻き立ててくるので、人物画も面白いですね。
作者との関係性、モデルの個性を推察しながら観るととても興味深いです。

『リトグラフの水』
私の大好きなスイミングプールがモチーフになった作品も観られるのですが、違うアプローチで描かれた作品です。
でもこのスイミングプールの作品も不思議な透明感があって好きだなあ。
光を通す透明感。水の抵抗感。誰でも肌感覚で知っている水を表現するのに
こんなアプローチの仕方を考えつく?たゆたう水の表現が素晴らしい!

『ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作』
ひときわ大きなスペースに飾られた巨大な風景画。
50枚に分割されて描かれた作品に脱帽。
この根気と執念、情熱は私にあるのか。
彼よりずっと若いはずの私にこのエネルギーはあるのかと、自分に問いたくなる作品です。
正直、1度目は大きさに圧倒されたけれどそこまで心に残らなかった。
2度目に訪れた時、圧倒されて椅子に座りながら鑑賞していて、
「私は何に対してもここまでの情熱がない」と多少打ちのめされた気分でいました。
しばらく観ていると、枯れた木々の向こう側に潜む暖かいピンク色に気が付きました。足元にはかわいらしい花が咲いている。
冬が春を内包していて…予感を感じさせている。
ひとことで言うと「包まれている」
大きな安心感に包まれながら、幸せな気持ちで2回目の
デイヴィッド・ホックニー展を後にしました。

Do Remember They Can't Cancel the Spring
春が来ることを忘れないで        2020.March

『春の到来 ノルマンディー2020年』オンライン公開時見出しより

これは私の体験です。
本展覧会には様々な表現手法を使った作品があり、この記事だけでは魅力を伝えきれていないと言わざるを得ません。
少しでも興味を持たれたら、ぜひデイヴィッド・ホックニー展に足を運んでください。
またデイビット・ホックニー展に行った方、行ってないけれど興味が湧いた方もお気軽にコメントを残してください。
お待ちしています。

こちらの本編に書ききれなかった記事もございます。
よろしければ、そちらもお楽しみください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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