古代の薩摩940年 #42
第二部 弥生時代 海野幸吉と土田源太
幸吉:「おい、源太よう、市松には驚いたなあ。お前知っていたか? 」
源太:「いやあ、誰にも言ってないと思うよ。」
幸吉:「松蔵で大丈夫なのかなあ、ちょっと心配だなあ。」
源太:「まあ、市松が選んだんだから、期待しようよ。七人協力隊にお前んとこの次郎もいるんだろうが。」
幸吉:「ああ、次郎でいいのかなあ。」
源太:「翔んとこの学人は小さいころから「知恵の塊」って言われてたぞ。それに毛先生の娘の澄乃ちゃん頭いいって評判だけど性格が優しすぎるそうだ。それより誰より史進の娘の菫(すみれ)ちゃん。美人だけど馬で走りまわって手が付けられないと言うんじゃないか? 」
幸吉:「さすがおてんば娘茜が産んだ子よ。父親が史進だもんな。さもありなん。後、小太郎んとこの龍、健とこの剛、それに王(わん)さんとこの宣朔(せんさく)」
源太:「七人協力隊、おもしろいのがそろったな。おれも子がほしかった。4人もいるんだから、1人くれないか?」
幸吉:「太郎、次郎、三郎、四郎だれがいいか?」
源太:「四郎がいい。うちに来て土器作りを飽きもせずに一日中でもみているそうなんだ。」
幸吉:「よし、決まり。まだ5歳だし。頼むわ。」
源太:「おりょうが泣いて喜ぶぞ! ありがとう。」
<源太も目が潤んでいる。>
弥生時代(25)親友ー麻とおりょうー
おりょう:「ありがとうね。昨日は人生で最良の日だったわ。」
麻:「こちらこそ。男の子が4人もいるとなかなか下までは手がまわらないのよ。四郎はよく、おりょうさんとこに毎日のように遊びにいってるからなんの違和感もないみたいね。」
おりょう:「うちの人もう跡継ぎにするって張り切っているのよ。まだ5歳なのにね。」
麻:「よろしくたのむね。ところで、弥生土器の出来が最近とてもいいんじゃない。」
おりょう:「実はね、大きな窯が出来て、木炭だと火力が強くできるから、質のいい土器がつくれるそうなの。」
麻:「木炭って何?」
おりょう:「松・栗・ブナ‣カシ・クヌギ・ナラなどの木材を窯に入れて点火したらすぐ蓋をして密閉し、燃やすと、灰にならないで木炭が出来るのだそうよ。最近村になったtばかりの栗野村には森が多くて、材木がたくさんとれるし、焼く窯を近くに作ったそうよ。松の木は防風林にもなるということで、吹上浜一帯にたくさん植える計画らしいわ。」
麻:「松蔵さん、さっそくいい仕事ね。」
おりょう:「七人協力隊が走り回っているようよ。次郎君どうなの?」
麻:「家にはめったに帰って来ないわよ。薩摩の国中を走り回っているようよ。」
おりょう:「がんばってるのね。よく育ったわね。」
麻:「なんでも茜ちゃんとこの菫ちゃんがみんなをひっぱってるそうよ。さすが茜ちゃんの娘ね!」
この物語は、薩摩の古代の歴史をドキュメンタリー風にしてみました。
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いつか映像にしてくださる方がいると嬉しいです。 吉峯盾
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