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約束が消えるとそこは砂漠だった

こんばんは。
発売初日に月見バーガー食べようと思ったけど、ダイエット始めたので一日待ってから食べました。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。


先日、伊坂幸太郎先生の『砂漠』を人生で初めて読みました。
面白すぎて読んでる時の記憶がないくらいなので、皆さんは僕みたいにもっと早く読んでおけばよかったと後悔しないように今すぐ読んでください。


ストーリーとしては稚拙な言葉で僕が語るよりもホームページを見るなり、本屋で実際に手に取ってめくってほしいのですが、自分なりの言葉であらすじを書くとしたら、なんでもない大学生5人の小説には出来ないくらいの、いや出来るけどどこにでも溢れてそうな日常を書いた作品です。

先ほども書いたようにこの作品には5人の大学生が登場します。麻雀、学祭での超能力対決、ボウリング、そんな日常を通して、歪で形すら合わない、みんなが△とか□だったら簡単に合わせられるのに☆がいたり○がいたりするせいでなかなか噛み合わない、なのにそれがあまりにも愛おしい時間、そう感じる5人になっていきます。


僕にもこういう存在がありました。
コロナ禍で大学が始まらずに、同じ学科の同期ですら週に一度だけある外国語の授業のzoomでしか顔を知らない、という大学生らしからぬスタートでした。
そんななかあることをきっかけに毎週木曜日に集まって、語り合って夜を明かす仲間ができました。


もしくは、元からそれなりに仲の良かった男女4人で、大学のある仕事をきっかけにグループ名までつけちゃうくらい仲良くなった仲間もいました。


それでも、こういう話のオチは男女仲の問題で自然消滅なり破滅なりするのが鉄板です。
例にも漏れず僕たちもそうでした。
前者はまだ半年に一回の成績発表で単位落としたとか落としてないとかでグループが動くことがあるのですが、後者に関しては最近完全になくなりました。


別に誰が悪いとか全くなくて、もともとは繋がれなかった関係が一時的にでも大切な時間だったって言えるだけで僕は満足です。


それでも約束は消えて欲しくなかった。
次はどこに行こうねとか、来年もここに来ようねとか、一緒に行きたいと思ってブックマークしたままのインスタの投稿とか全部なくなってしまうのは寂しいですね。


大人になったら会った時の第一声がお疲れ様〜になって、解散の時もまた次も飲みに行こうねになって、あんなにも憧れていた大人って存在があまりにも渇ききっていることが悲しいです。
大人になるにつれて「約束」の持つ力がだんだんと弱くなってる気がして、約束したことすら忘れたり、また会おうねって言ったまま疎遠になったり、約束をしておけばずっと縁が続くと思ってる自分だけが取り残されてる気がします。


それでも僕はまた会いたい人には約束するし、その約束が消えたらちゃんと悲しみます。
もしまた集まれるなら、とか叶わないことを願うのは好きじゃないけど僕にとっては大切な居場所だったから、叶わなくてもみんなが同じ想いでいつか思い出してくれたら嬉しいです。


インスタのアーカイブに残された思い出たち、何もないはずだった大学生活の「砂漠」のなかでその存在は僕にとってのオアシスで僕はいつまでもその素敵な思い出に縋って生きていきます。


みんな忘れないでね。
おやすみなさい。

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