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エヴァンゲリオン、人間の在り方。【前編】

こんにちは。天宮純です。
「天宮純の読みとく世界」も第3回を迎えました。
今回は私の人生を変えたと言っても過言ではない「エヴァンゲリオン」について読み解いていきたいと思います。
この作品の解説や考察などは、沢山の方々が時すでに上げていらっしゃいます。
そのためここでは天宮の思う、この作品の伝えたいことにフォーカスしていきたいと思います。
長くなってしまったので2回に分けて、お送りしていきましょう。
今回はエヴァに登場する人間にフォーカスしていきます。

まず天宮とエヴァの出会いは中学生の頃でした。
そう丁度、パイロット達と同じくらいの年齢です。
エヴァに乗せられるシンジ君の不条理、自分という存在が曖昧なままエヴァに乗るレイ、自分の誇りのために乗るアスカ。
天宮が一番初めに見たのはTVアニメ版でしたので、結末も全く理解できない。
そもそも人類補完計画って何だったの?
何でエヴァンゲリオンは存在するの?
パイロット達の母親は結局何だったの?
使徒って何のために存在するの?
沢山の疑問が残る、そんなアニメだったのを覚えています。
ちょうどその頃、新劇場版の第一作「序」が公開されました。
『新たなエヴァンゲリオン』という事でしたが、当時あまりアニメ版を見て日の経ってない天宮にとってはただのリメイクと言う印象でした。

そして「破」「Q」と作品を追うごとに、エヴァンゲリオン沼に沈んでいくわけです(笑)
アニメとは全く違うストーリー、キャラクターの立ち位置、新劇場版にしか登場しないキャラクター…。
その中で改めて、アニメ版の再視聴、旧劇場版、コミカライズ版と全ての作品を制覇しました。

ここで、今回私が何が言いたいのかというと。

「エヴァンゲリオンは、人類の在り方を肯定する作品である」

と言う事です。

この作品の全てのキャラクターには実は壮大なバックボーンがあります。
主人公の碇シンジを例に挙げても、母が人類のために研究したエヴァンゲリオンに乗り、それを指揮する父に従い、周りの人間達に揉まれながら、自分の存在価値を見出すと言うものがあります。(諸説ありますが、大まかにはこの様な感じなのでは無いかと考えています。)
シンジくんが報われない、所謂『主人公補正』が無いのは、現実世界がそうだからなのではないか、と天宮は思うのです。

だって皆さん、自分の人生を生きてますよね?
その主人公って、皆さん自身ではないですか?
誰かに人生を操られたり、操作されているわけではなく、自分でその時の状況や自身の能力等で物事は決定しますよね。
人に相談をしたとしても、「その意見が良い」と自分が決断したに過ぎないのです。
だからどんなにシンジくんの境遇が理不尽で可哀想でも、結局はシンジくん自身が望んだ事。
エヴァに乗ることも、レイを助けるために覚醒した事も、ヴィレの皆にニアサードインパクトのトリガーという烙印を押されることも…。
知らなかったり、予期できなかった事とはいえ、自分が望んだことの代償なのです。(とはいえQのシンジくんは、可哀想過ぎますが…。)

その他のキャラクターもそうです。
アスカはエヴァに乗っている事が誇りであり、誰よりも優秀でありたい。
変わってしまった世界を救えるのは自分しかいないと思っているのかもしれません。
ニアサードを『レイを助けるために』という理由で引き起こした、シンジを許せないのも彼女の胸中を考えると嫉妬や悔しさが渦巻くから。
ミサト自身、『破』の段階では「行きなさい!シンジくん!」と背中を押したのは、今までの彼では考えられない行動を後押しして上げられる程、認めていたから(実際ネルフ本部に乗り込んできた第10使徒に、抗う初号機を見たときにシンジくん!と言っているのは、そういう事の比喩ではないかと思っています。)
そしてその代償は、ミサトも予想していないものだったのでしょう。
14年後に再会した時、ネルフに対抗する存在のヴィレの艦長として登場しますが、ヴィレから脱走したシンジのチョーカーの自爆スイッチが押せなかったのは、そういう負い目があるのだと思います。

皆人間は、失敗もするし、成功もする。
例え、それが自分にとっての結果がどうであっても。
周りのレスポンスがどうなるかは、100%予想できるものではないと言う事を、この作品は教えてくれているのではないかと考えています。
そして、それの怖さは時として大きな物になります。
けれど生きていく上で私達は、その恐怖から逃げることは出来ないのです。

今回は登場人物にフォーカスしたお話をしてきました。
次回は「人類補完計画」について、お話出来たらと思います。

1月23日に最新作が公開予定でしたが、コロナウィルスの影響により延期になるそうです。
非常にショック…。
ですが、まだ観ていない方でも間に合います!
この記事を読んで、一人でもエヴァに興味を持ってくれたら嬉しいです。

ありがとうございました。



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