見出し画像

本と出合う、言葉と出合う

書架の本の背表紙を追うと心が落ち着く。
そして背表紙から何か惹かれるものを感じたら書架から抜き、表紙を眺め、目次をめくってみる。
ぱらぱらと目次、本文をめくると今の自分に必要である本であるかどうかが伝わってくる。

独身の頃は毎週のように書店に出向き、気に入った本を数冊、買っていた。
引っ越しを数回繰り返す中、手元に置く本はしだいに減ってきた。
私の出生時のホロスコープの月星座は乙女座であり、ものの整理整頓や維持がうまくできないため、最近は、できる限り図書館で借りて読むことにしている。


ホロスコープを学ぶ仲間と時々オンラインでそれぞれが本の紹介をしつつ、その本の中で、自分にとって必要な言葉やメッセージを付箋に書いてお互いにシェアするような会を楽しんでいる。
自分又は他の人が選んだ言葉やメッセージをタロットカードのような感じで自分に必要なメッセージとして受け取り、暮らしに活かしていくことを意図している。

大型書店などに行くと圧倒的な新刊の量に驚かされるが、出合うべくしてその時に自分に本当に必要な本と出合うように思う。

本と出合うということはその本の著者と出合うことであり、そしてその著者の人生で抽出された普遍的な言葉と出合うことである。


①書けるひとになる 魂の文章術 ナタリー・ゴールドバーグ著
帯に「書くことから人生を学び人生から書くことを学ぶ」とあり、この文章はとても味わい深い。
特に私が響いたところを抜き出したい。
文章を書く基本は時間に制限をもうけること
そして綴りや表現は気にせず自分の奥から湧いてきたものを止めずに言葉にしていくこと。
起承転結や構成も大切だけど、その人の奥から湧いてきたことが表現されているかという点は、俳句とも重なるがとても重要な要素と感じる。
時間の制限をもうけることで生まれてくるというのは俳句と同じで型などの制限があるからこそそこに飛躍がうまれると思う。
そして著者も俳句を例に上げ、俳句の間の感覚、そこからの飛躍するものに言及されている。
日本語でない文化で育った著者が、日本の間の感覚を感じることができたということもとても興味深い。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07YWP71B7?tag=note0e2a-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1


②自由への手紙 オードリー・タン著

台湾のデジタル大臣が日本の若き世代に贈る新しい社会をつくるための17の手紙の形式。
帯には誰かが決めた「正しさ」にはもう、合わせなくていいととても意味深なメッセージ。
まさに人を支配するために作られてきたものに従おうとすればするほどその人の輝きが失われていく。
まさにマドモアゼル愛先生の月理論とも重なるが、月により作られたルール、しきたり、社会、組織はひとの生きていくエネルギーを奪っていく。
彼はITのテクノロジーの支配を受けないためにスマホは使用しておらず、二つ折りの電話に自分でアプリを入れて通信環境を獲得されている。
17の手紙の中でも特に私は、不安から自由になる。正しさから自由になる、家族から自由になる、お金から自由になるという手紙が惹かれた。
支配的な父からお金の大切さ、家制度、社会のレールに従って生きていくことを叩きこまれてきた。
月の働きを学ぶことで、月の働きが社会のみならず家族関係にも連鎖的に働いているということを学んだ。

https://bookclub.kodansha.co.jp/title?code=1000038324



③イドコロをつくる 伊藤洋志著
帯には乱世で正気を失わないための暮らし方とある。
イドコロとは自分が居心地よく精神を回復させられる場所。
今のコロナ禍の時代、人と人が出合うことが制限されることで
今まで以上に自分で自分の正気を保っていく工夫が必要である

著者は現代のイドコロを次の8種類に分類している。

自然系イドコロ
●生活を共同する集まり(家族その他)
●(親しい)友人
●仕事仲間
獲得系イドコロ
●強い趣味の集まり
●公共空間の気に入った場所
●日頃通える小さなお店
●有志でつくるオープンな空間
●文明から離れて一人になれる空間
https://book.asahi.com/article/14329014

私のイドコロを考えてみると家、職場の中でも確かに自分のイドコロを確保している。
私は親しい友人は少ないので自然系イドコロは少ない。

獲得系イドコロとしては、
●俳句仲間(結社の代表が自由人で、風通しのよい関係性が生まれている)
●畑(土に触れることでまさに正気を保てる)
●図書館(3室牡牛座に太陽、水星があるため、図書館で正気を保てる)
●マドモアゼル愛先生のオンライン仲間(ホロスコープを学び合う仲間の存在は大きな心の支え)
●noteを通じて出合う仲間(顔は見えないが文章、写真から自分の感覚に近い方との関係性が築ける)
●毎日散歩をする公園
●天然酵母のパン屋さん(街の情報掲示板)
●お米、野菜の生産者の方(単なる生産者と消費者の関係性を越えたものがある)

イドコロも人により求めるものが違うのは、その人と共振する周波数のものや人と出会っているからだと思う。
自分の中でイドコロとして定着するには少し時間が必要だ。
また、定着したイドコロも場合によってはイドコロでなくなっていくこともあるだろう。
そのときにイドコロと共振していた自分の内側のものが、時間とともに共振しなくなるということは往々にしてあるように思う。

いずれにしても乱世の時代に正気を保てる自分のイドコロの大切さを意識しておくことは色んな意味でとても重要であると感じた。



秋空に向かふボタンを押しにけり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?