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路上の鳥


駅の乗り換え通路に雑誌を掲げて立つひと。
ホームレスの人たちが自立していくための取り組み(BIG ISSUE)であると知り、姿を見れば買うようになった。
雑誌を受け取るときにお互い交わすひと言。
通勤途中の無機質な路上での人間味あふれるひとときである。
顔なじみになった人が別の人になれば、その人は自立の階段を登っていかれたのかなと想像することもあった。
ある方は自分の趣味やその駅界隈の名物スポットや美味しいお店情報を冊子にして添えていただいたこともあった。
どの方の目も声もやさしい。

出勤する日が少なくなり、乗り換え通路で見かけることも少なくなっていたが、先日、久しぶりに姿を見かけたので、通勤の列から外れて後戻りして購入した。

先ず目を通すのは芸人やタレント、アーティスト等がリレー形式で人生の分岐点をテーマとしたインタビュー記事。
人生の節目節目での精神的な葛藤をどう受け入れてこられたのか明るい視点で描かれている
今回の特集は、公共の空間をいかに遊ぶ感覚で活用していくか6人の方が投稿されている。毎回、古民家を活用する移動する大工の方、自分のイドコロ、街の小さな私設図書館、移動する住居などなかなか通常の雑誌では味わえない斬新な内容が多い。
そして料理家枝元なほみさんのレシピ入りのコラムも悩む方への心がぬくもるメニューが毎回紹介されている。
厚さは薄いが、表紙のデザインが斬新であり、内容はマスコミでは報道されない内容ばかりで読み応えがある。私は特集記事で特に気になった内容は
該当ページを外してファイリングして保存している。

https://www.bigissue.jp/how_to_support/


都会の路上の風景として、ギターを奏でるストリートミュージシャンの存在がある。
先日、小さな駅前の倉庫を改造したアートギャラリーに立ち寄った際にいただいた雑誌に長岡享介というミュージシャンのインタビュー記事が掲載されていた。何となく感覚的に魅かれるものがあったのでYou-tubeでいくつか聴いてみた。
おそらくメジャーデビュー前のストリートで弾いている動画に魅かれた。
自己主張することもなく淡々と歌うメロディーの美しさ、ギターの弾き語りに味わい深さを感じた。
私は彼の存在をこの雑誌を開くまでは知らなかったが、今や知る人ぞ知る実力者のようである。

https://www.youtube.com/watch?v=L9vluPcPwec&list=RDL9vluPcPwec&start_radio=1&rv=L9vluPcPwec&t=2


私の好きな女性ボーカリストに福山出身の森恵さんがいる。
彼女も路上でひとりで歌い込み随分前になるがメジャーデビューした。
そんな彼女が、ストリートミュージシャンであった頃の自分を詠った「路上の鳥」もメロディーと詩がとてもに美しく、聞く度に励まされるものがある。

私の太陽は牡牛座26度、そのサビアンシンボルは「恋人にセレナーデを歌う
スペイン人」で、メッセージを作品や持ち物に託して他者に伝えたいエネルギーがあり、路上でメッセージを伝えようとするミュージシャンの思いと共振するものが内側にあるようだ。

路上の鳥はストリートミュージシャンのような華やかな存在だけではない。ビッグイッシュの雑誌を掲げもつ方もいずれは鳥として羽ばたいていくための存在。
ちょうど、蠍座の季節であるが、私のネイタルの蠍座には木星と海王星がいる。それぞれ太陽牡牛座の太陽と水星と180度の関係性にある。一般的にはホロスコープでは180度の関係はハードアスペクトと呼ばれて凶のイメージが強いが、私の感覚では牡牛座の脇の甘さを蠍座の鋭さで補完しているように受けとめている。蠍座の神話には鷲も登場する。砂漠の厳しい環境で生き抜く蠍が最後は鷲になって大空を飛び交うということも路上の鳥と重なるものがありとても象徴的だと感じた。

私たちひとりひとりもまた、それぞれの場で自分の存在を輝かせて鳥となっていける存在であるにちがいない。

https://www.youtube.com/watch?v=-CUtvdECRDY



足音が足音を追ふ今朝の冬

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