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お盆前に同じ俳句結社のお二人が句集を上梓された。 一人は私とほぼ年齢が近いKさん。 Kさんは…
新涼の朝やいつもの顔を剃る 新しき眼鏡に九月揺らぎけり 秋風や瞳合はさぬ旅のひと 露草や…
秋草や蛇口の固く締められて 鼻歌のやがて口笛花野原 猪罠のワイヤーぴんと張られけり 鳥影…
秋光を背に新作の置かれけり 月光に瑠璃色の絵の透きとほる 秋風や三条筋の扉押す 花束は…
眼鏡拭く秋の日差しに眩暈して 沈黙に沈黙返す姫石榴 沈黙に耐へきれぬ君青蜜柑 梨剥くや授…
紫陽花や本を開きしまま眠る 緑さす盤置かれ駒揃へられ 軒下の影におさまる夜干し梅 干し梅…
「朝顔」 朝顔の紺のいたみに触れにけり 朝顔や行ってきますを三度言ふ 朝顔やラップの端をぴんと張る