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1970年代から2024年までの大卒初任給の推移

1970年代から2024年までの大卒初任給の歴史

日本の大卒初任給の歴史は、経済の変遷と密接に関連しています。1970年代、日本は高度経済成長期の末期を迎え、新卒者の初任給は着実に上昇していました。


この時期、オイルショックが世界経済に大きな影響を与えましたが、日本の大卒初任給には顕著な下降は見られませんでした。1976年から2018年までのデータを見ると、大卒者の初任給は年平均5%の割合で伸び続け、バブル経済の崩壊までこの傾向が続きました。

1990年代に入ると、日本経済は長期にわたる停滞期に入ります。この時期、大卒初任給は20万円前後で頭打ちとなり、その後も大きな変動はありませんでした。調査が始まった1968年の大卒初任給は月給3万600円でしたが、90年代以降は20万円前後で安定しています。

21世紀に入っても、大卒初任給の大幅な上昇は見られず、新卒者の給与水準は比較的安定しています。2023年のデータによると、新卒初任給はわずかながら上昇しているものの、30年間で平均年収が大きく上がっていない中で、初任給の増加率は限定的です。

このように、大卒初任給の歴史は、日本の経済状況を反映しています。高度経済成長期の終わりから現在に至るまで、初任給は多くの変動を経験しましたが、近年では安定した傾向にあります。

これは、経済のグローバル化、人口動態の変化、技術革新など、多くの要因が複雑に絡み合っていることを示しています。大卒初任給の将来的な動向は、これらの要因によって大きく左右されるでしょう。今後も、新卒者の給与水準は、日本経済のバロメーターとして注目されることでしょう。

2024年の日本における大学卒業生の初任給の平均額は、約226,341円となっています。これは前年度と比較して8,706円の増加を示しており、約4.01%の増加率です。

また、一部の企業では、大卒初任給が最高で236,509円、最低で212,639円となっていることが報告されています。このデータは、日本の経済状況や新卒者の需要と供給、さらには物価の変動など、多くの要因に基づいて決定されています。

初任給の増加は、新卒者の確保や在籍者のベースアップがあったため、または初任給の据置きが長く続いていたためなど、様々な理由によるものです。

企業によっては、初任給を引き上げることで、優秀な人材を確保しようとする動きも見られます。これは、労働市場における競争が激化していることを示唆しており、企業は新卒者を惹きつけるためにより良い条件を提供する必要があると考えています。

初任給の水準は、卒業生が社会に出る際の重要な指標の一つであり、経済状況や企業の人事戦略を反映しています。今後も、日本の経済成長や労働市場の動向に注目し、初任給の変動を追跡することが重要です。

初任給の動向は、新卒者だけでなく、社会全体にとっても重要な意味を持っています。初任給が増加することは、一般的には経済の健全性や成長を示す良い兆候とされています。しかし、物価の上昇や生活コストの増加といった要因も考慮に入れる必要があります。

結局のところ、初任給は単なる数字以上のものを表しています。それは、新卒者が社会に出て最初に直面する経済的現実であり、彼らのキャリアのスタートラインを示しています。また、企業が新卒者に対してどのような価値を置いているか、そして社会が若者の労働にどのような価値を認めているかを示すバロメーターでもあります。初任給のトレンドは、将来の労働市場や経済の方向性を予測する上で、貴重な手がかりとなるでしょう。

日本の新卒者の給与水準と他国との比較

日本の新卒者の給与水準は、国際的な視点で見ると、多様な要因によって異なる国々と比較して様々な結果を示します。OECD(経済協力開発機構)のデータによると、2022年の日本の平均年収は41,509ドルで、OECD加盟国34カ国中25位に位置しています。これは、先進国の中では比較的低い水準であることを意味しています。

例えば、アメリカの平均年収は77,463ドルで、日本の約1.86倍にあたります。また、アイスランドやルクセンブルクなどの国々は、さらに高い年収を記録しています。一方で、アジアの他国と比較すると、日本の給与水準は高い傾向にあります。例えば、中国の中央値を基準にした場合、ASEAN主要国の賃金水準は中国の7~8割程度であり、日本はそれを上回る水準にあります。

しかし、単純な年収の比較だけでは、各国の生活コストや物価水準、税制、社会保障制度などの違いを考慮に入れていないため、実際の生活水準を反映しているとは限りません。購買力平価(PPP)や消費者物価指数など、他の指標を用いて比較することも重要です。

日本の新卒者の給与水準は、国内の経済状況や労働市場の動向、企業の人事戦略などによって決定されています。また、グローバル化の進展により、国際的な競争力を持つためには、新卒者の給与水準を含めた労働条件の改善が求められています。

今後、日本の新卒者の給与水準は、国内外の経済状況や労働市場の変化に応じて、さらに変動する可能性があります。また、新卒者自身のスキルや専門性、さらには働き方の多様化なども、給与水準に影響を与える要素となるでしょう。

日本の新卒者の給与水準が他国と比較してどのような位置にあるかは、これらの要因を総合的に考慮する必要があります。そして、それは単に給与の数値だけでなく、働く人々の生活の質やキャリアの展望にも関わる重要な課題です。日本が国際的な労働市場で競争力を持つためには、新卒者の給与水準を含めた労働条件の改善が今後も重要なテーマとなるでしょう。

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