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24. ブラジルの料理は

 ここらで食べ物の話もしておきましょう。(なんて、僕は不得意な分野なんですけど。)

 ブジオスでは魚の料理をいただきました。漁村ですからね、新鮮です。新鮮だけれども味付けが違います。写真からも想像できますね。ブラジル料理に比べると、日本食は爽やかで、そよ風みたいなものですね。ギトギトとしたものばかりを食べているとここへ戻りたくなります。それで、この当時のブラジルの流行が日本食だそうで、寿司屋が混雑していました。味のほうはわかりません、僕はどうも心配で寿司屋には入りませんでした。

 ブラジルの朝は果物と甘いパン、カフェオレが主体でした。菓子パンは小さいけれど種類が多くてより取りみどり。いつもタップリいただきました。ほかの国と比べて圧倒的に多いのが、果物です。スイカ、リンゴ、オレンジ、パイナップル、バナナ、マンゴ、パパイア、ココナッツなどはいいとして、カランボラ(星型のフルーツ)、ジャックフルーツ、マラクジャ(パッションフルーツ)となると、もうワケがわかりません。

 その代りお昼は簡単なもので済ませます。ファーストフードにも入った。これは世界中どこでも同じですね。
 変り種はチーズパン。これは人気食です。こういう小さな菓子パンの類を売っているスタンドが街角のあちこちにあって、どんな時間でも、たいてい人がそこの丸椅子に腰掛けてモグモグやってます。さっそく注文してみると、握りこぶしくらいのやわらかな白いパンで、そこにチーズが挟んである。それをオーブントースターに入れて暖め、さらにそれをワッフルを焼くような器具でギューッと潰して、少し焦げ目がつくくらいにもう一度焼いて、「はいどうぞ」と紙に包んで渡してくれます。
 熱いところをハフハフ噛み切りながら食べると、これが何と日本のお餅のような味がするんですね。ほんのりと甘味があって、少しねばっこい。これはいけます。汗かきながら、ハフハフ、口が熱くなったら水をゴックンゴックン飲んで、汗拭きながら、最後のかけらを口に放り込む。ちょうどこれくらいのサイズです。チーズパン。

 さて、夕食が始まるのは9時過ぎであることが一般です。ブラジルの代表的なメニューが、Feijoadaフェイジョアーダ。奴隷たちが食べていた料理です。黒豆を煮込み、そこへ豚を入れる。豚と言っても、もちろん丸ごとではありません。肉は支配階級が食べるもの。肉を切り取った残りの物が豆のシチューの中に入るわけです。内臓、骨、皮、鼻、耳、脚などの細切れです。後年になってフェイジョアーダが一般に広がる過程で、普通の肉やソーセージが入れられるようになったものの、依然として真っ黒いシチュー。申し訳ないけど、食指は動きませんでした。自分の皿にこれを取り、ライスやファロファと混ぜて、香辛料をかけていただきます。

 それから有名なものに、ブラジル独特のバーベキューがありますね。Churrascoシュラスコと言って、これは最近アメリカにもたまに見られるようになりました。
 広いレストランの一角に厨房があって、炎が上がっている。そこで1メートルほどの金属串に刺した肉を焼いているのですが、肉の種類は10種類近くあります。焼きあがると、給仕さんがその長い串に肉を突き刺したものを左手に、そして包丁を右手に持って、客のテーブルの間を早足で巡ります。こうやって客の皿に少量を切って落としていき、客は焼き上げたばかりの肉をアツアツでいただく、という寸法です。
 店内は、串と包丁を持った給仕さんたちが、ひっきりなしに行ったり来たりしています。テーブルの客は1枚のカードを持っていて、表は緑色、裏が赤。食べたい時はカードを緑色にしてテーブルに置いておくと、給仕さんが肉を持ってやってきます。赤にしておくと通り過ぎるわけです。そうやって食べる方も給仕する方も忙しい。お皿の上に肉がなくなると給仕さんがやって来る。とにかく食べ放題ですから、最初は持ってくるもの全てに対してグリーン カードですが、20分もすると、ペースが落ちてくる。そういう頃になって、とりわけ美味に見える肉が出てくるわけですね、これをマーフィの法則と言います。ま、とにかく味と量ともに満足してホテルに戻れることは請け合います。機会があったら、ぜひどうぞ。

 また、ブラジル北部へ行けば、Acarajeアカラジェというものが食べられます。アカラジェとは道端に店を開いたおばさんが供してくれるブラジル版ハンバーガーとでも言えるものです。椰子の油で揚げたてのパンに小エビを挟みいろいろな香辛料を付けて、これも熱々でいただきます。新鮮な魚のすり身で作った揚げたての厚揚げのような味がして、忘れられないものでした。これもお勧めです。

 はいそれでは、明日はリオへ戻りましょう。とっておきの場所へご案内します。



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