せめないで(セレナーデ)

きみはわかりきった事実を
いつも大きなダンボールに書いて
見せてくる。
現状分析こそが大事だと主張する。
  
ぼくは、とぐろを巻いてぐずぐずしてる。

ぼくが詩として何も書くことが無いと、
「あと十秒!」とか
「今、三時二十分」とか、
「お前はきょう何だか解らないものに千七百円も使った」とか、
書いてくるし、ニヤニヤしている。

・・・結局ぼくも「いやぁ」とか言って、ニヤニヤ笑いを返している。
 
正しいことを言うなとは言わないが、なんか面白くない。
きみはどうせ他に行くところがないんじゃないか。
そう言われればぼくもそうだけど・・・。

もぉーまた、なんか書いてる。もっとニヤニヤしながら。
ぼくは勇気を出して 、
「マジックのきゅっきゅする音が少しうるさいかもしれない」
みたいな事をそこはかとなく言ってみたりしてみたりする。

するときみは手を止めず、
「え?」
とか言う。

本当は聞こえているのに。

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