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気ままに漫画紹介【3月のライオン】

「人の温かさが、冷たくなった心をほどいていく過程に目が奪われる」

今回、ご紹介させていただく作品は、漫画からもアニメからも、温かさが滲み出てきて心がポカポカしてきそうな作品です。HSP気質の私は、感情移入しすぎて何回見ても泣いてしまいます。

【3月のライオン】

東京の下町に1人で暮らす、17歳のプロ将棋棋士 桐山零 と、彼の前に現れた 川本あかり・ひなた・モモ の3姉妹。零や川本家の人たち、彼らを取り巻く様々な人間が、何かを取り戻していく、優しい物語。

若くしてプロ棋士になった桐山零は、温もりを忘れてしまったように孤独な生活を送っていた。そんな中、川本家の長女あかりにたまたま介抱されたことをきっかけに川本家との交流が始まる。


「環境の変化で、こんなにも人は変わるのか」

主人公の零は、川本家の人たちと出会い、彼女たちの温かさに触れることで、どこか人間らしくなっていく様が描かれていきます。

この3姉妹が本当に素晴らしい人間性をもった方々で、忘れられた昭和の良さといいますか、インターネットもスマホもなかった時には、こういう温かい繋がりもあったよねって思い出させてくれます。

風邪を引いたら心配して家まで来てくれたり、さりげなく夕飯に誘ってくれたり、零が遠慮する暇も与えないぐらいに優しさをお裾分けしていってくれるのです。

そんな川本家の人たちと関わることで零の冷たくなっていた心がほどけていき、棋士として、高校生として、人として、驚くように変わっていき始めます。

【特に印象的だった登場人物】

私が特に感銘を受けた登場人物が2人います。
まずは川本家の次女 川本ひなた です。

ひなちゃんは、零と出会った時は中学生なんですが、優しくて明るくて繊細な所もあるけど、とにかく芯が強い女の子。作中で、零が「恩人」とも呼ぶ人です。

芯が強い故に苦しむところもあるのですが、間違っていることは間違っていると誰かのために最後まで自分を貫く姿に尊敬の念を覚えました。

苦しむひなちゃんを、零が不器用ながら支え、問題が解決した瞬間のあのなんともいえない解放感と感動は忘れられません。


もう一人は、零の高校の教師 林田先生 です。

少し冴えないように見えるけど、零のことをいつも気にかけてくれて、問題があったら一緒に考えてくれる生徒思いの先生です。

林田先生は零の心にまっすぐ刺さる素晴らしい言葉をいくつもかけてくれています。HSP気質を自覚する私の心にも、零と同じく刺さりまくっています。特に好きな林田先生の名言が…

「一人じゃどうにもならなくなったら、誰かに頼れ。でないと実は、誰もお前にも頼れないんだ」

HSP気質の私も誰かに頼るのが下手で遠慮しがちです。自己犠牲しすぎて体調を壊すギリギリまで働いていたこともありました。一人で仕事を抱え込みすぎて必死な私に、周りのスタッフが接しにくくしている様子を思い出しました。

きっと、あの時の私は声をかけにくかったのでしょう。そして、そんな姿を見て「もっと頼ってくれたらいいのに…」と思っていてくれてたのかもしれません。頼ってもらえると嬉しいもんですよね。


この2人の他にも、たくさんの個性豊かな登場人物がそれぞれどこかで失ったものを取り戻していく姿が描かれています。

「つらかったよね。でも、大丈夫だよ」って優しく包み込んでくれるような優しい物語です。是非読んでみて欲しいです。


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