見出し画像

Kero Kero Bonito - Trampoline

Kero Kero Bonitoが10/21にリリースする新作『Bonito Generation』から新曲「Trampoline」を公開。

中田ヤスタカなどを影響に置く彼らだが、確かにPerfumeが今年リリースした『COSMIC EXPLORER』で見られたMadeonPassion Pitなどと呼応するエレメントが随所に感じられる。Seihotofubeatsがリミックス時に引用しそうなカットアップやエフェクトも、彼らがJ-POP、日本語に強い関心とリスペクトを抱いているからだろう。

日英のハーフであるSarah Midori Bonitoのビジュアル/ヴォーカルがまさにこのグループのアイデンティティーを表現している。

セルフィにみる彼女の趣味趣向はまさにShibuya/Harajuku

世界から見た日本というと漢字や原宿文化、和食に相撲あたりがベターだが、こと音楽においてはシュルレアリスム的な捉えられ方をされていたのかもしれない。彼らの1srミッククテープ『Intro Bonto』はまさに”ニホンゴ”が飛び道具のように使用され、それがDFA直系のオーソドックスでミニマムな8〜16ビートトラックに乗っかっていくのだから、そりゃ欧米人には奇妙でクセになるに違いない。

最近はBABYMETALやPerfumeのグローバルな活躍によってキャラクター、テクノロジーも合わせて背系へと輸出されているので、ひと昔前の偏った日本文化は徐々に薄れていくとは思う。それはKero Kero Bonitoが『Intro Bonito』以降リリースした楽曲群を聴いても顕著だ。

エレポップ要素が増し、日本語もトラックの音色に合わせて「リリック」の理解がよりシンプルな方向に変化しているように思う。

形式としてはヒップホップに近いのかもしれない。ヴァースやフックの部分に日本語歌唱を持ってくるのも母音・子音による韻踏に歯茎摩擦音・歯茎硬口蓋摩擦音(サ行)、パ行などの両唇破裂音が欧米人にとってはそれこそ面白い音色(おんしょく)として聞こえているのではないか。

逆説的なアプローチとしてはbo enあきおによるコラボレーションがとても興味深かった。

あきお & bo en - ぼくらのいろとりどり←(DL直リンク)

J-POPを形式や概念ではなくしっかりとメソッドで聴き解いた上で練られたトラックは、Sugar's Campaignのヴォーカルとしても活躍するあきおのハスキーで軽快な歌と見事にマッチングしている。

”J-POP”が聴く人の中にどのような成分として咀嚼されていくか。Kero Kero Bonitoにもbo enにも、確かにJ-POPは存在していてる。決してジャンルやカテゴリのようなタグで消費されない、少し天邪鬼なポップスの栄養素になって。

ともかく、10/21に発売される新作はここ最近のワールドミュージックにおける大きな地殻変動のそれとは大きく距離を置いた、良い意味での箸休めな作品であることを期待したい。

7月にはきゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーにも足を運んでいるみたいだし、来年には来日公演、もしくはサマソニや「OTONOKO」(中田ヤスタカ主催のフェス)、マルチネとの共同企画もしてほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?