PMにおける調整事との向き合い方
メルペイでPMやってます、さとじゅんです。
PMとして仕事をしていく中で、たまにPMなりたての駆け出しPMくんに話しを聞くと、
「調整事がうまくできなくて苦手」とか「調整事はめんどくさいからいやです」みたいな声を聞くことがあります。
私としては調整事こそPMの腕の見せ所でもあるので、そんな事ないのになーといつも思ってしまいます。
そもそも調整事は、Product開発をする時に、関わるチームが複数あったり、関わる職種が複数あったり、ステークホルダーの数によって発生する頻度や難易度が上下するものだと思います。
特に大きな組織で開発をしている場合やステークホルダーが多いPJでは調整事は多く発生します。
例えば、私が働くメルペイでは、同時並行で複数のPJがいくつも走りますし、そもそもmicroserviceアーキテクチャを採用しているので、1つの機能開発をするにも、複数のmicroservice間で足並みをあわせるための調整事は毎日のように発生していきます。
冒頭の駆け出しPMくんのそんな声を聞くたびに、いつも私は「考え方を変えたらもっと楽しくなるのに」と思います。
というのも、私の考える調整事は「今考えられる最高のゴールにステークホルダーを引っ張っていくための一連の行為」であり、ビジョンに向かって関係者を巻き込んでいくという観点から、PMの仕事の醍醐味のひとつなのではと考えているからです。
思うようにいかずに大変なことがあるのは調整事の難しさだとは思いますが、調整事がうまくいって、Productがさらによくなっていくための施策を打てたりステークホルダーに感謝されるのはやはりうれしいことです。
今日はその「調整事」について考えていきたいと思います。
調整事とは?
そもそも調整事ってなんでしょうか。
Weblioによると調整とは、
「ある基準に合わせて正しく整えること。過不足などを正してつりあいのとれた状態にすること。」 ※参考:weblio
とあります。
・・・ややわかりづらい。
たしかに調整事というのは、Productに関してはパラメータを調整することも調整だし、開発優先順位を変えることも調整です。
さまざまなシチュエーションで出てくる言葉ですので、ここでは、Produt開発を進める上での「人と人との調整事」について話をしていくことにします。
駆け出しPMくんの思い違い
駆け出しPMくんの話をよく聞くと、調整事は「誰かと誰かの間に入って板挟みの状態で折衷案を考えること」だと思われているように感じます。
折衷案というのは両者が納得するゴールではあるとは思うのですが、ここで大事なのは、自分自身がその案を今考えうる最善策だと思っているかということがあるような気がしています。
つまり、コトを収めるために間を取り持っているだけのことをしていると、精神的に消耗してしまい、調整がいやだというような印象につながってしまうので、そうではなく課題に対するビジョンを持ち、主体的にそのアイデアを実行したいと思えているのかが重要な気がしています。
あるべき姿
あるべき姿としては、「ステークホルダーの意見を聞き、課題に対する自分なりの仮設を持って、自分が考えるベストな方向性にステークホルダーを巻き込んでいくこと」なんじゃないかと思います。
なお、自分が意思決定するのが得策ではないと判断したら、明確に誰かに意思決定を依頼するなど、その時によってなにがベストかは違ってくることはあると思います。
ステークホルダーが納得する答えを出すのは大前提ですし、折衷案を考えるべきシーンもあるんでしょうが、出した答えが自分としても今のベストだと思っていることが前提にあり、その上でWhy(なぜそれをやる必要があるのか)をあつく語り、人を巻き込んでPJを前進させていくことが重要だと思います。
調整事をうまく進めていくためには
正しい心持ちを持てるようになったら、あとは正しい方法でゴールを決めに行けるようになると、もっと調整事が楽しくなっていくと思います。
調整事には社内向けの調整と社外向けの調整があると思いますが、基本的にはやるべきことはあまり変わらないように思います。
1) ゴールを定義する
前述のあるべき姿ってやつですね。
基本的にはさまざまな人との意見交換・壁打ちを通じて、あるべき姿の輪郭をだんだんと見える化していき、最終的にあるべき姿が三方良しになっているよう設計する必要があります。
誰かが損しないように、針の穴を通すようなベストな一手になっているかがとても重要で、ここを大前提としてクリアできれば次のステップに移ります。
2) シャイニングロードを見つける
漫画「ライジングイパクト」にて、主人公のライバルがパターを一撃で沈める必殺技を使うのですが、その時に、ゴールまでの道のりのことを「シャイニングロード」と言います。
これを調整事と照らし合わせてみると、ある問題を解決したい時に、ステークホルダーが誰であって、誰となにをどういう順番で合意することでゴールを決めるのかを記した1つの線(道のり)を指すことと置き換えられると勝手に思っています。
調整事はシャイニングロードが見えていない限りは、いくらゴールが見えていても、ゴールにたどり着くことができません。
特に駆け出しPMくんの場合は、このシャイニングロードを見誤っているか、見えていないために、ゴールが決まらない、または余計な時間をかけてしまっていて、結果的に調整事がうまく進捗せず、自分の中でネガティブなタスクになっている可能性があります。
また、シャイニングロードは最初から見えている場合と、やっているうちに見えてくる場合とがあります。
過去似た案件をやったことがある場合や、調整事のゴールイメージに対するある程度精度の高い仮設が自分の中で導ける場合、前者に該当する場合が多く、自分の中や組織の中で前例がない場合、後者に該当する場合が多い印象があります。
ゴールへのシャイニングロードを組み立てることがゴールを決めるためにはとても重要な要素だと思います。
ベテランと駆け出しPMくんの差は、このシャイニングロードがどの程度見えているか、または見えていなくてもどうしたら見えるようにできるか理解できているか、ということになると思います。
3) ステークホルダーとの合意形成
合意形成するためにはコニュニケーションすべきいくつかの要素があります。
特にWhyの説明が重要だと思っていて、なぜそれをしたいのかを正しく伝え、今進もうとしている方向性が、結果的にお客さまの抱える課題の解決策として良い成果につながるであろうことを合意する必要があると思います。
そのためには積極的にステークホルダーとコミュニケーションしていきましょう。
目的はステークホルダーのご意見ヒアリング・壁打ち、課題の洗い出し、合意形成、あたりになると思います。
MTGで確認することは主に下記のようなことになると思います。
▼ MTGアジェンダ
・前提の説明
・Whatの説明(なにをしたいのか)
・Whyの説明(なぜしたいのか)
・Whenの説明(いつまでしたいのか)
・Howの説明(どうやりたいのか。場合によって決まっていないこともある)
▼ 確認事項
・ステークホルダーのご意見
・実現可能性
・懸念点
・実施・遂行にあたり発生するトレードオフ
・スケジュール
▼ Next action
・ヒアリング結果を踏まえ、自分なりの現時点での最高のゴール案の仮設の微調整
・次のSTEPに進み次に調整すべき関係者に同じアジェンダで話を持っていく
さいごに
ということで調整事について書いてみました。
調整事は慣れてくると、自分で果敢にドリブルをしかけていって、ゴールを決めることができますし、数をこなしていくと、周囲からの信頼にもつながります。
(キャプ翼めっちゃ好きだった。フライングドライブシュートいいよね)
「あの人に相談すれば解決してくれる」と思われる存在になれたらかっこいいですよね!
調整事はPMのメイン業務ではないですが、避けては通れないタスクでもあるので書いてみました。
もしかしたらBizdevなど他の職種の人も同様かもしれませんね。
ご覧いただきありがとうございました。
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