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Rasnovに高く上がる二つの日の丸 〜高梨沙羅と小林陵侑〜

強さを見せた高梨沙羅

昨日、高梨沙羅の優勝が見れますとほぼ断定で書きました 笑

1本目、2本目と共にトップスコアで完勝した高梨沙羅。

テレマークこそ微妙ではありましたが、テイクオフからの圧倒的な推進力で飛行距離では他を寄せ付けませんでした。

表彰台に上がった3人は数試合メンバーが変わらず、調子の良い選手達ですが、その中でも「飛行距離」ということに関しては、頭ひとつ抜けています。

強かった頃の沙羅の姿そのものです。

また、2本目は99mというHSを超える飛距離でした。

テレマークこそ入りませんでしたが、「尻餅をつく」ような減点される着地ではなく、テレマークが入りそうな着地でした。

この、着地が難しいRasnovのジャンプ台で、よく持ち堪えたと思います。

2位のOpseth(NOR)は着地が比較的上手な選手ですが、97mで「尻餅をつく」ように潰されてしまい減点となりました。

世界選手権に向けて視界良好。

本人もかつてない手応えと共に「技術」に対して力強い言葉を使っていました。

ワールドカップの優勝は60回積み重ねていますが、沙羅はまだ個人で「金メダル」を獲得したことがありません。

金メダル」に向けて技術的にも精神的にも大きく前進した一勝になったのではないでしょうか。

20勝、50勝、60勝と節目の勝利を、ここルーマニアRasnovで決めました。センターポールに日の丸を掲げ、君が代を何回も流しています。

女子リザルト

小林陵侑、再び勝利を手繰り寄せる

表彰台は狙えるとプレビューで書きました。

しかし、スーパーGranerud(NOR)、Kubacki(POL)、Geiger(GER)など表彰台に向けて、立ち塞がる選手が数多いる男子ジャンプ。

この日も1本目、非常にレベルの高いジャンプを繰り出しましたが順位は7位。3人は捲れる可能性の高い選手たちでしたが

やはり立ち塞がったのは上記のプレビューに挙げた3人。さらには、1本目9位だったStoch(POL)が神るジャンプをしてきました。

僅かなミス、僅かな不運な風も許されない状況の中で、2本ジャンプを揃えStoch(POL)の上にいき、Geiger(GER)、Kubacki(POL)の粘りのジャンプでも順位を守り続けました。

残念ながらスーパーGranerud(NOR)には、1本目と2本目両方で差をつけられてしまい、2点差の2位。

惜しくも優勝は逃したものの、Zakopaneの「幸運に助けられた形」ではなく「自らの力で表彰台を勝ち取った」感がありました。

#2本目は久しぶりのガッツポーズ

充足感ある2位だと思ったはずです。

Granerud(NOR)が飛び終わり、得点が表示され2位表彰台を噛み締めた10分後。

Granerudの「スーツの規定違反」の報が流れました。

これによりGranerudは「失格」となり、小林陵侑の優勝が決まりました。

これで今季2勝目。スーパーGranerudと呼べるようになってから、小林陵侑しか表彰台の真ん中を奪えていません。

良い意味で「勝ち運」を持っているのでしょう。

スキージャンプ競技は中々優勝できる競技ではありません。
表彰台に登れる選手は数多といますが、近年は特に「優勝する」というのは難しいです。

「勝てる選手」というのは限られていると私は考えています。

実際に今季も、Zyla(POL)やLanisek(SLO)など表彰台に何度も上がっていますが、優勝には届いていません。

それだけ難しいのです。

やはり、現在の陵侑のジャンプはプレビューにも書きましたが、ノーマルヒルの方が力を発揮しやすいと思います。

世界選手権では、ノーマルヒルと得意のOberstdorfのラージヒルなので、どちらもメダルを狙える状態まで上がってきていると考えます。

また「ジャンプスーツのグレードアップ」とともに調子が上がってきている、という見方もできるので

世界選手権に向けた新たなジャンプスーツで、メダルを掴み取りたいですね。

どういう形であれ、ルーマニアの空、センターポールに日の丸が掲げられ、2度も君が代が流れました。

プレビューにも書きましたが、多くの日本人がこのRasnovの国際大会にお世話になっています。

#私もその1人

ルーマニアRasnov」は日本のジャンプ界にとって大事な場所になりそうです。

男子リザルト

スーツの規定違反での失格

この日の男子は、Granerud(NOR)と共にEisenbichler(GER)も失格になりました。

ワールドカップの総合順位トップ2が、同じ日の2本目に失格になるという「珍事」でした。

この日もstand.fmで副音声配信をしていました。

01:07:26頃にEisenbichlerが飛び終え、審判に呼び出されました。

その3分後(01:10:48)にコントロールルームが映像に流れたので失格になったかと思いましたが、この時は勘違い 笑

しかしその4分後(01:14:00)にEisenbichler「失格」の報が流れました。

失格が多い競技とはいえ、超一流が失格することは頻繁ではないので驚きました。

とぼとぼとコントロールルームから引き上げていく姿が印象的でした。

そんな事があった矢先、Granerudの得点が表示された直後の01:27:56に

Granerudが審判に呼び出されます。

トップ10は、必ずコントロールルームでチェックを受けるので珍しいことではありません。

しかし、なんか様子がいつもと違ったように私の目には映りました。

その時の映像がこちら

いつもならば得点が出たら、さっさと配信を終えて寝るのですが、異変を感じ取ったとので配信を続けていたら

10分後にGranerud「失格」の報が流れ、小林陵侑の優勝が決まりました。

なんか失格にすることを決めていたのでは、と勘繰ってしまうような失格劇でした。

今季は連戦連勝していたGranerud。
こういった些細なことでジャンプの調子を乱したりするので、少し心配です。

今季はあまりにも強すぎるので、もうちょっと勝ったり負けたり
楽しめるといいなと個人的には思ったりもしています 笑

正直、この後の世界選手権も含めて「Granerudが優勝を逃す姿」は想像しづらいです。

確実に力が抜けており、誰よりも確実に遠くに飛んできます。

残りの試合数は僅かですが、破竹の連勝が見れると思います。

合わせ読みすると楽しめると思います。


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