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X100Fフォトプロジェクト|SHIROYAMA|vol.10

フォトプロジェクト10日目。今年の3月末の写真です。



まず初めに

先日の城山の土砂崩れに関して、亡くなった方々や被害に遭われた方々に心を寄せたいと思います。


そういった状況で城山で撮った写真をSNSに載せるのもどうかなと思いました。しかし、写真と共に城山で出会った瞬間瞬間の美しさをnoteで書き綴りながら振り返りる作業が、自分にとって必要な気がして、書いています。
今回の写真をChillhopMusicのLofiと合わせて1分ぐらいに。サクッと見れます。

⒈テクスチャに惹かれる

二の丸史跡庭園近く

二の丸史跡庭園近くには石垣が何ヶ所かあります。その一角、西側にある石垣の上には桜の木ともみじが植えてあります。ここが、西陽が出た時にとても綺麗です。この日は夕方前ですが、西陽が桜の木を後ろから照らし、つぼみがたくさんついた木の枝のシルエットがかわいいテクスチャになりました↑。西陽が差し込んできた角度を、1枚目の写真を撮って確認できたので、その光と周辺の木々や石垣と作り出す情景で心惹かれるものがあるか探すと、見つけました。

二の丸史跡庭園近く

↑石垣の表面に浮かび上がった木の幹の影が印象的です。それに加えて、石垣のゴツゴツした表情、それに対比したような写真左上の繊細な木の葉っぱも面白いです。地面に広がる葉っぱの全体の柄模様と、光が当たった部分と影になった部分の対比。でも影になった部分が影に落ち込むのではなくしっかり見えるのはこの時間帯の西陽のなせる、特別な光の演出でしょうか。

二の丸史跡庭園近く

前の写真では影に沈んでしまった、手前の木の幹の柄模様に注目して視点を変えたら、その先に並んでいる木々の立ち姿の作るラインが美しく見えました。背景になっている石垣の様子にも心惹かれます。↑の写真で行儀良く並んでいる木々と西陽の表情が気になり、近づいてみました。

二の丸史跡庭園近く

↑ここでは敢えてF2で奥行きを持たせています。そうすると、石垣の上の桜に当たった西陽がこちら側の木の葉っぱにも注がれている光のストーリーが見えてくるようです。

二の丸史跡庭園近く

↑木の幹と石垣が二重三重のフレームとなっています。道がS字に曲がっていて、構図として気持ちいい場面です。そこに人が通り過ぎました。今見返していると、カップルの服の白黒と石垣の手前と後ろの濃淡がシンクロしているようにも見えます。

二の丸史跡庭園近く

この日は3月末ですが、二の丸史跡庭園の外には早咲きの桜の木が数本あって、もう葉桜が始まっているところでした。西陽に照らされた、桜の枝と葉桜のシルエットを模様のように見立てて捉えてみました。

⒉天守へと続く山道へ。

山道入り口近くにあるもみじ

本格的に松山城へ登る前に、山道入り口で振り返ると、おおきなもみじの木があります。毎回この木が好きで振り返ってしまいます。自分の立ち位置ともみじのある場所の光が違うので、毎回何か撮れそうな気がします。この日は石垣の影の濃淡のレイヤーが見事でした。手前が完全にシャドウ、右がミッドシャドウ、左奥がハイライト側に並びました。

山道にて

白い花が真ん中に来ると、特にACROSのような白黒の世界だと、花がより背景と比べて浮かび上がって見え、写真を見た人の心に届くような気がします。ここではF4でしっかり花びらが見えるようにしつつ背景との距離感を出してみました。

山道にて

この山道には、背の高い木々が多く、普段は光が届いて来ず、朝方でもところどころ暗いところがあるほどです。この日は夕方ぐらいだったので、西陽が木々の間から差し込んできて、時折その輝きに目を奪われながら歩いていました。そこで見つけたのが、↑木の幹に当たった西陽。近づいてみます。

山道にて

木の幹に当たった西陽が印象的な反面、当たってない方との差異がドラマチックに見えました。そうやって西陽に注目していると、綺麗な瞬間が目の前に↓。

山道にて

ここでもF2にして、写真に奥行きを持たせています。ACROSの表現だとこういう場面は写真が平坦に見えてしまいそうに感じたのだと思います。また、自分がその瞬間美しいなと感じたところを強調したい気持ちもあったと思います。F2とBlackmistNo5のおかげで強い西陽が少し分散して、淡い感じなると共に、写真全体を包み込むような暖かさも演出してくれているようにも感じます。

⒊天守周辺の曇り空と西陽

天守に登る前の辺り

こういう場面に出会うと、桜は咲いてなくても、曇っていても、その時その時、松山城に登ってくる方々にとって、目の前の景色や大切な人と過ごす時間がかけがえのないものである気もします。

天守の左横から後ろ側に入った辺り

1枚目の写真と同じくここでもテクスチャに目がいっています。枝のシルエットが作る曲線と対照的な、お城の建物の真っ直ぐなライン。桜のつぼみのフォルムがつぶつぶしていてかわいいと共に、雲越しに届く西陽とつぼみが出会った瞬間を見ているようでした。

城山の山頂広場から瀬戸内海方面の眺望

この日は曇っていたけれど、夕方になってきて雲に流れが出てきたのか、光が筋のように出てきていました。何もない青空もいいですが、曇が時々見せるさまざまな表情もそれはそれでいいのかなと。

山頂広場にて

桜の木と枝が自然なフレームになった中、仲良く過ごしているカップルのシルエットと一眼を構えたおじさま。楽しみ方、過ごし方はそれぞれ。ある程度広さがあるので、お互いの行動があんまり気にならないのも気持ちよく過ごせる原因なのかもしれません。なかなか都会や街でばかり過ごしているとそういう時間があんまりないものです。

⒋咲き始めた桜に挨拶して下山。

山頂広場出口辺り

山頂広場の桜はほぼつぼみでしたが、ここの桜だけ少し咲き始めていました↑。写真左下が西側、右上が東側。朝には朝日が注いで、夕方には西陽がドラマを作るスポットで、そこに門があるのがまたドラマチックで、もっと何か撮れそうでなかなか撮れない場所です。

山頂広場の出口辺り

この時はもう日が落ちていて、後ろには夜景が広がり始めています。そこをすぎる人のシルエットと門、街灯がかっこいい瞬間でした。

最後にマガジンのご紹介

SHIROYAMAフォトプロジェクトは、松山城のある城山で、光と影、人々が作る瞬間のドラマをACROSとX100Fで撮影するプロジェクトです。
予定ではもうちょっと続きます。もし気に入って、また写真みてみたいな、と思ったらマガジン登録もできます。

拙い文章と写真にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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