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天皇杯2次ラウンド広島大会展望

9月21日〜23日に広島グリーンアリーナで行われる天皇杯2次ラウンド。
3日間で3試合を戦うハードなトーナメントで、ベスト16に相当する3次ラウンド進出を争います。
今回は広島大会に出場するB1チームについて紹介し、広島大会の勝ち上がりを展望します。

①千葉ジェッツ

渡邊雄太選手がいよいよ日本での公式戦初出場となることが見込まれ、注目を集めているジェッツ。
昨シーズンの成績や今シーズンの補強を考えても、広島大会の突破最有力であることは間違い無いと思います。
先週のプレシーズンゲームでも、各選手に出場制限(特に渡邊選手は両日前半のみのプレー)があり、まだまだ万全にチーム状態ではありませんが、今シーズンは選手層にも厚みがあり、過酷な3連戦にも耐えうる戦力は整っていると感じています。
ただ、後述の特にB1の2チームは比較的チームとしての仕上がりが良く、強度の高いバスケットができるチームなので、簡単な3試合にはならないと予想します。

注目選手:#10 ディージェイ・ホグ選手

渡邊選手の補強に目が行きがちですが、注目は同じく新加入のディージェイ・ホグ選手。オーストラリアNBLでAll 2nd teamに選出された、オフェンスのバリエーション豊かなオールラウンダーです。
プレシーズンの渋谷戦・ソウルSK戦では、チームオフェンスを重視したプレーがチーム全体として目立ちましたが、狙いのオフェンスが上手くいかなかった際に、昨シーズンであれば富樫選手がほとんどを担っていたクロックダウンのシュートを打ってくれる場面が多く、それでいて難しいシュートを最も簡単に決めてしまう能力の高さに驚かされました。
ディフェンスやリバウンドはまだまだこれから強度を上げてくれると思うので、天皇杯では更に仕上がった姿に期待したいです。

②横浜ビー・コルセアーズ

河村選手が抜け、HCも変わり、チームとして大きな変革期を迎えているビーコル。ロスターが固まった段階ではかなり苦しいシーズンになることを予想していましたが、プレシーズンを見ていると、既存の日本人若手選手がノビノビと、そして責任感を持ってプレーしている印象で、下馬評以上に面白い可能性を秘めたチームだと感じています。
ビーコルの懸念は、現在試合に出られるロスターが9人しかいない点。
ナナー選手が怪我、イングリス選手は合流遅れ(数日前に来日しましたが、恐らく天皇杯への出場は難しい)のため、勝ち上がって3連戦することを考えると、体力的にかなり苦しいため、いかに初戦からプレータイムをシェアして試合を運べるかがポイントになります。

注目選手:#4ゲイリー・クラーク選手

昨シーズンのオーストラリアNBL All 1st teamであり、NBAでも100試合以上プレーしている素晴らしい経歴の持ち主で、ビーコル史上最高クラスの助っ人になることは間違いないプレイヤーです。
現島根のコティ・クラークや琉球のヴィック・ローのようにSF/PFでプレーし、ハンドリング・シュート・リバウンドなど、オールラウンドにプレーできるのが特長です。
お互い1戦目を勝ち上がれば、ジェッツの渡邊選手やホグ選手とマッチアップすることが予想され、NBAレベルの対決を見られるのが、非常に楽しみです。

③仙台89ers

藤田HCと日本人エースの阿部選手が抜け、こちらも変革期の仙台。
核となる日本人選手、そして外国籍も2人入れ替わったことで、チーム作りが難しいと思いますが、先の東北カップでは同地区B1の秋田を下して2連覇し、一定のチーム力があることを証明しています。
従来の激しいディフェンススタイルを維持しながら、大型の若手選手を獲得し、外国籍選手もオフェンス面で違う特長を見せられる3選手が揃ったことで、昨シーズンのベースがあった上で、チームがスケールアップしているように感じます。

注目選手:#7 スタントン・キッド選手

先述の通り3選手とも特長のある外国籍選手を揃えているため、1人に絞るのは難しいですが、仙台がこのラウンドを勝ち抜く観点から、キッド選手に注目します。
昨シーズン序盤に大怪我を負ったキッド選手は東北カップが久しぶりの公式戦でしたが、まずまずの動きが戻っていました。
高確率で3ポイントを決められるオフェンス力はもちろん、3戦目で当たることが想定されるジェッツのホグ選手やビーコルのクラーク選手など、相手のオフェンス力が高いウイングプレイヤーをキッド選手が個人で守れるかによって、仙台がこのラウンドを制することができる確率は変わるでしょう。



広島ラウンドトーナメント表

勝ち上がり予想

広島ラウンドの勝ち上がり予想ですが、やはり戦力的に千葉ジェッツが一つ抜けているのは間違い無いと思います。
元々の選手層もありながら、主力に大きな怪我人もいないため、開幕を控えた今段階のベストに近いパフォーマンスが見れることに期待します。
チームの目標が天皇杯を含めた全タイトル獲得であることからも、ある程度2次ラウンドから本腰を入れた戦いを見せてくれるでしょう。

一方でビーコルと仙台は、これまで多くのプレシーズンマッチを実施しており、コンディション的にはB1の中でも仕上がっているように感じる2チームであるため、簡単にジェッツが勝ち上がるとは思いません。
特に仙台は3戦目までB1チームと対戦しないトーナメント表になっており、2戦目までを比較的余力を残して終えられる可能性もあるため、ジェッツとビーコルが2戦目までで消耗している場合に、大きくチャンスが広がると思います。
ただ目の前の試合に勝つだけではなく、明日やってくる次の試合に、いかに万全に近いコンディションで臨めるかも、この2次ラウンドの難しいところです。
最終的に主観的な確率にすると、
◎千葉ジェッツ 60%
○仙台89ers 20%
▲横浜ビー・コルセアーズ 15%
△その他のチーム 5%
と予想します。

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