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#42 映画『ベルリン・天使の詩』を観て

午前10時の映画祭はご存知でしょうか?2010年から始まった、過去の作品をリバイバル上映する企画です。洋画限定で年間上映本数50本、現在は日本映画も組み込まれ、上映本数も年々減っているようですが、一部の世代から支持があるのか?細今年2024年も開催されています。

これまでに、この企画で上映された作品を何本か観ています。見逃作品を映画館観ることが出来る素晴らしい企画。これからの継続を願うため、今年も幾つか観る予定です。

『PERFECT DAYS』のヴィム・ヴァンダース監督作品が本年の企画に2作品組み入れられています。ひとつは#39 で取り上げさせて頂いた『パリ、テキサス』と、今回取り上げる『ベルリン・天使の詩』です。

中年男性の姿を天使ダミエルとカシエルは親友同士。人間から姿を見る事が叶わないダミエルとカシエルは、ベルリンの街の人々の心の声に耳を傾け、寄り添ってくれています。

天使のひとりダミエルは、サーカスの空中ブランコで素晴らしい演者でありながら、孤独を抱えている女性マリオンに強く魅かれ、人間界への興味が膨らみ始めています。

人間界では姿を表すことが無いダミエルですが、本人役として登場するテレビドラマ「刑事コロンボ」のブルーノ・ガンツから、見えないけれども感じるとしてとして、人間界について示唆を貰い、永遠の命を捨てて、人間界へ移ることを選択。

ダミエルとマリオンは出会いを果たし、心を通わせる事ができました。

というファンタジーなストーリーです。

天界はモノクロ、人間界をカラーで描き分けています。撮影当時、引退状態だった映像監督の名匠アンリ・アルカンに撮影を引き受けて貰ったそうです。ファンタジーなストーリーでありながらも、分かりやすくメッセージが伝わってくるのは、映像の力だいうことが、素人にも理解できました。

壁崩壊間近のベルリンという街の切迫感と、人の心の苦悩を映し出すモノクロ映像からは、息苦しさを感じました。

一方で、中年男性の姿をした天使、おじさんの背中の巨大で真っ白な天使の羽、ブルーノ・ガンツの元天使の俳優、これらの一般的でない設定により、明と暗・光と影の分かり易い対比により、わたしは息苦しさからすぐに回復させて貰えました。

途中、有り得なさすぎる設定で疲れを感じてしまいましたが、最後にはファンタジーでありながら、現実的な物語としても捉えることが出来、見事なバランス感覚の作品とわたしは感じました。

好みのタイプの作品では無いため、観るか観ないか随分迷いながら訪れたカフェの店主さんに、背中を押して頂いたので、観る事ができました。好みの作品以外の物を観る事が機会が得られました。

お礼に、カフェで頂いたマーマレードのトーストと珈琲の画像を残して置きます。

以上です。














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