キレる17歳世代

わたしは、自分でやっているのももちろんあるが音楽が大好きで、それと同じくらいラジオが好きである。
年齢を重ねるにつれて、テレビよりもラジオを好むようになった。子供の頃はよくおじさんたちがラジオを聞いていて、何が楽しいのかと思っていたが、この年頃になってすごく気持ちがよく分かる。
テレビは見ると聞く、つまり目と耳を使わなきゃならないけど、音楽やラジオは耳だけでいい。何かをしながらでも情報を得られるから非常に効率的だと思う。
最近は、テレビで映画すらあまり見なくなった。というか、テレビの前で2時間もじっとしていられないのだ。そんなに忙しいのかと言われるとそうでもない。ただ、そこにじっとしているくらいなら、他の自分のためになることに時間を費やしたいと考えてしまうのだ。
まあラジオと言ってもここ数年はもっぱらPodcastばかりを聞いている。
歴史物やら、英語関係やら、オカルト系やら、犯罪ルポやら。それはそれはバラエティーに富んだプログラムが転がっている。
その中でも特に気に入っているのは、凶悪事件を語る番組で、ほぼ毎日聞いている。
過去に国内で起こった事件を経緯から、犯人の生い立ちから、その後の顛末に至るまで、細かく語られる内容は非常に興味深い。

今日は神戸で1997年に起こった連続児童殺人事件についての内容だった。通称酒鬼薔薇事件と言えばピンと来る人も多いだろう。わたしはこの事件の犯人だった少年Aと同じ世代である。
だから事件当時わたしは、中学生だった。
犯行内容も残酷だったし、犯人が中学生だったということもあって、やっぱり当時としてはかなり衝撃的だった記憶がある。
その後2000年になって、そんな我々世代が17歳になるころ、少年による犯罪が多発した。
西鉄バスジャック事件、豊川市主婦殺人事件、金属バット母親殺害事件、これらを起こしたのは、みんな犯行当時17歳だった。
金属バット母親殺害事件の犯人については、その後2005年にも大阪で姉妹を強姦して殺害し死刑になった。
そんなわけでその年では「キレる17歳」なんて言葉が流行した。
わたしも17歳というだけでまわりからお願いだからキレたりしないでね、なんて声をかけられた記憶が今でもある。
あれから20数年、我々世代も2回目の成人を迎えるくらいの年頃になった。
親になっている人もほとんどだろう。
子供が誰かによって命を奪われるなんて、どう考えても耐え難い苦痛だと思う。
個人的には少年犯罪なんていうのも、区別する必要なんて本当にあるのだろうかと考えてしまう。
少年だったからゆえに、数年で社会復帰して他の犯罪を犯す人間が多いと感じる。
ならばもっともっと、厳罰化してもいいのではないか。
どうもこの国は犯罪被害者よりも加害者の人権の方が守られている気がしてならない。

旭川のいじめ自殺事件だって被害者は顔も名前もばんばん知られているのに、加害者は顔はおろか名前すら知らない。何かこの国はおかしくないですか?

酒鬼薔薇だって、2005年に社会に復帰して、2018年までは遺族に手紙を書いていたが、それ以降は手紙をよこさなくなったそう。
赦された、とでも思っているのだろうか。
彼が執筆し、出版した本を読んだことがある。
気分的に支払った金額の幾ばくかでも、彼の懐に入るのは嫌だったのでリサイクルショップで購入した。
内容を読んでもどこか小説的な書き方で、心からの謝罪の気持ちで書いてるようには感じなかった。
こいつまだ自分に陶酔しているのではないかと思った程だ。

人間は簡単には変われない。
だから人の親になった自分に出来ることは、自分の子供がそういった人間にならないよう見守り育てていくことなんだと強く感じた。



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