電気ひざかけはこうやって使う
∫1 効果を最大限に引き出す使い方はこうだ
──── 腰にぐるっと巻きつける ────
注:以下の使用方法では真価が発揮されない
△ 足先を温める
△ 腹側を温める
△ 掛けるだけ(暖気スカスカ)
∫2 自室で露天風呂を再現しよう
◆1 手足から放熱する人々・・・、そして猿?
露天風呂に浸かっている人が手足を外気にさらし、冷やしている。
医学上の知識に基づいて冷やしているのではない。
そうすると気持ちがいいので、そうしている。
その証拠に温泉の猿も手を出す。
当人は何も考えていないと思うが、
身体は計画的にその形を誘導している。
体幹の熱を血流を使って抹消に回し、手足から放熱する。
手足は放熱板の機能を担っている。
「手足が冷えているのなら、手足を温めるべきでは?」
マネキンの手足を温めるのなら、それで正解だろう。
しかし、温めようとしている対象はマネキンではない。
人体は放熱命令を介して手足を温めることができる。
放熱命令に添った温かさには、自然な心地よさがある。
[血流のない温かさ] << [血流のある温かさ]
といったらよいだろうか。
直接、手足を加温することをとめるものではないが、
その方法では露天風呂の境地には到達しない。
◆2 電気ひざかけで放熱のかたちを作る
腰から尻のあたりにかけて巻く。
暖かい空気を腰周りに閉じ込める。
必ず背中側からも温める。
あとは中温でじっくり。
本を読んでもいいし、執筆仕事をしてもいい。
やがて深部まで温まる。
体幹が温かいのと反対に頭が冷たい。
覆っていないはずの手足に血が巡る。
気持ちの良さに思わず顔が「ニタァ」となる。
これは露天風呂の再現に近い。
∫3 人をダメにしにくい
「こたつ」も暖かい空気を閉じ込めて使う。
こたつも悪くないが、入ると出たくなくなるのが問題だ。
こたつは主に、下肢と腹の表面を温める。
足先は温かくても、身体の芯は温まっていないため、
温かさの飢えが続いて、しがみつくのをやめられない。
芯まで温めて放熱するかたちは、人をダメにしにくい。
◆1 冷たさが気持ちイイ
サウナーたちは、熱さのあと、水風呂を恋い求める。
放熱が成立すると、冷たさはむしろ楽しみになる。
◆2 身体が軽い。
血が巡るせいだろうか、身体が軽い。
用事があったとき、あっさり立てる。
◆3 運動のブースターになる
運動すれば、身体が温まることはわかっている。
いかんせん、始めるときが寒い。
事前の温めはウォーミングアップの代用になる。
∫4 トリビア
◆トリビア1 スイッチは体幹深部にある
太古の時代、ヒトの祖先は冬眠していたかもしれない。
手足が冷えただけで冬眠に入ってしまっては困る。
全身の代謝調整は深部の温度を参照するのが合理的だ。
意識を失った低体温症の患者が運びこまれたときは、
胃にチューブを通して温水を還流する。
低温が血流の絶えた手足を温存しているので、抹消は加温しない。
体幹、できれば深部を温める。
温かい飲み物を飲んで、驚くほど温まった経験はないだろうか。
同じ仕組みが低体温症の急患でも働く。
手がかじかんで、楽器をうまく演奏できないことがある。
自販機で買ったコーヒーは、手で握るより胃に入れるのが正解だ。
電気ひざかけに温かい飲み物ほどの即効性はない。
時間をかけて温めることで、芯まで温まった状態を作り出す。
◆トリビア2 認識には差分が必要
人は変化を感知する。
平日を終えて、休日が嬉しい。
昼の暑さが引いて、夜風が涼しい。
大病から回復して、健康がありがたい。
しかし、悲しいかな、良い状態が安定すると何も感じなくなってしまう。
幸福感を長続きさせることは無理なのだろうか?
時間差分と異なり、状態の差分は認識が消えない。
体幹は暖気の中にある。
頭と手足は冷気の中にある。
差分の感覚はずっと続く。
∫5 おすすめの商品
いくつか試して、一番よかったのは以下の製品だ。
たぶん手持ちの製品でもできる。
ライフジョイ工房 フランネル電気ひざかけ
・柔らい手触り。毛玉知らず。チリ吸着なし。
・巻き付けやすい80cm×140cm。
・節電に優れる8時間11円。
背中を温めるため、以下の座椅子を併用している。
タンスのゲン ポケットコイル座椅子
・座面が高く、くるぶしから下を下げて座れる
・しっかり支え、包むような座り心地、何時間座っても痛くない
・何年使い続けてもへたらない
∫6 おわりに
ポイントは、
① 背中側までしっかりくるむ
② 加温時間を長くとって、芯まで温める。
これに尽きる。
たぶん、言いたいことは伝わっていない。
実際に試すと「あぁ、こういうことだったのか」とわかる。
自宅で露天風呂の極楽を。
一冊の本とともに。
ではでは
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