エロイカへの道

9時半に自宅をスタートして多摩川サイクリングロードを進む。今日は発売されたばかりのエロイカジャパンのジャージを着てみる。ずいぶん伸縮性があり伸びる感じだけど落車したらどうなるか。
立川市民球場の信号で止まりメールしてると、先ほど追い越した若者グループ3名が追い付いて、私のCOPPIを見て珍しそうに質問してくる。
「クロモリっすか?」
「クランクシルバーだ」
彼らは都民の森まで行くそうだ。「わぉ、頑張って!」


私は信号を左折して甲州街道に乗り、いつものように大垂水峠を超え、富士見茶屋が閉店していることに寂しさを感じながら、ギアを上げて下りに入る。すでに新緑を過ぎ、盛り盛りとした濃い緑の合間から相模湖が見える。藤野を過ぎ、中央高速の真下をくぐる上り坂をヨタ〜っとクリアし、上野原で右折して甲武トンネルを目指す。逆側からは何度か走ったことがあるけど、上野原側からは今回が初めてになる。
10数年前に鶴峠の下りで激しく落車して、血だらけで辿り着いた「ふるさと長寿館」を過ぎ、小菅村との分岐を直進すると本格的な坂道が始まった。勾配は平均8%程度だろうか。下って来るサイクリストが時々いるので挨拶しながら上る。最近は筋力が落ちてきたせいかギアが踏めず、上りでは腰が痛くなる。ピークの1km手前で休憩を入れてから再スタート。

ピークの甲武トンネルを抜けるとヘアピンカーブの連続で、桧原村に駆け降りる。ここから都民の森までは12kmで、その間に断続的な急勾配区間があり走り甲斐がある。今日は迷わず右折してそのまま下る。

トレーラーハウスのカフェでアイスコーヒー休憩。マスターが「きれいな自転車ですねぇ」とコメントしてくれる。

走り出すとピッタマスクが中央から裂ける。正面からの風と呼吸のストレスに耐えられなかったようだ。ピッタマスクは自転車向きではないかもしれない。しかしマスクがないとずいぶんと気持ちがいい。このさい緑の風を思いっきり吸い込むために、続々下って来るライダー(オートバイ)を先に促す。それでも橘橋の信号では大渋滞中だ。

五日市街道に別れてくじら公園からサイクリング道に入る。前方のグループに同じエロイカジャージを発見して話しかける。3名ともエロイカファンで吾妻の大会から参加しているとのこと。もちろんロングに! そして自然と一昨年の激しい万沢林道の話で盛り上がる。今年もとても楽しみにしてるとのことで、エロイカファン層の存在にとてもうれしくなる。そして自転車で走りながらの会話ってなんて気持ちいいんだろうと再認識。研究論文があれば読んでみたいなぁ、適度に動きながらの会話時の状態は、身体がどんなメカニズムになっているのか。

エロイカとはヴィンテージバイク(自転車)で未舗装路を走るイタリアで始まったイベントです。スローフード運動からの流れを汲み、環境破壊へのメッセージとなる地球規模のキャンペーンと言えます。そのコースは昔ながら舗装されていない土や泥の道、時には尖った石が剥き出しの急勾配の悪路を自転車を押しながら超えて、泥だらけになってゴールを目指します。

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2019年6月に吾妻で開催されたエロイカジャパン。四万温泉をスタートするミドルクラス。


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