見出し画像

「山城隆一WEB MUSEUM」を計画しています。Ryuichi Yamashiro Web Museum

「デザインに悲しみは盛れないか」
グラフィックデザイナー山城隆一さんの言葉です。この言葉の背後にはやはり戦争体験があるのでしょうか? ご本人が健在の頃にも、その理由を直接お聞きした方はいませんでした。表現の源泉には悲しみがあり、そこからのポスターや、イラストレーションの猫たちであるならば、ほのぼのとした猫たちが伝えるメッセージはそれこそが「平和の表現」なのだろうかと思いを巡らします。
先日の「徹子の部屋」にてのタモさんの口から出た言葉、「新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」というコメントは岸田首相の「新しい資本主義」にかけた言葉であることは明白ですが、うまいな!と思うと同時に怖くもなりました。すでに平和は日常から離れ、手の届かない高さまで浮遊しているんじゃないかと。

2020年の「山城先生」の生誕100年を目指して、関係者でアーカイブをつくろうというチームが2018年に発足。しかし2019年の夏、山城先生と最も長く時間を過ごした、吉田臣さんが急逝。最後の仕事は山城先生の作品をまとめた書籍『猫のいる風景』でした。その帯には「デザインに悲しみは盛れないか」との山城先生の言葉がタイプされています。そしてその書籍の完成を見届けたかのように吉田さんは旅立ちました。

その後、2020年からの新型コロナウィルスの世界的な流行により、移動の制限が始まり人と会うことが困難となり、制作が暗礁に乗り上げました。しかし今日までの2年間はそのまま山城隆一作品のデータベース作りの期間となりました。広告作品、猫のイラストレーションに加え、新聞での連載エッセイやインタビュー記事などをまとめることができ、今はWEB MUSEUMのデザインと設計段階に入りました。WEBサイトのコーディングも洒落たものにしたい、海外の人にも訪れて欲しいので他言語の解説も入れたい。そんな風にイメージが広がったことで、制作費が必要になりました。

現在、「山城隆一 WEB MUSEUM」の開設に向けた制作費を募るクラウドファンディングページの準備中です。今こそ暴力を回避するためのデザインによるコミュニケーションの力が必要です。海外の人やデザインを志す若い世代にも気軽に「かわいい猫たち」に触れてほしい。ネコミュニケーションの輪を世界に拡げたい。
みなさまのご支援をお願いいたします。READY FORにて2月中旬の公開を予定しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?