パリの炎 ボリショイ・バレエinシネマ
観てきたので感想です。
このnoteでも何度か書いていますが私は3月からこの方、ずっとロミジュリにどっぷりでした。
私の言うロミジュリとは、21年星組ロミジュリ(特にB日程)のことですが、ハマりたてはこうも言っていました。
「マーキューシオの解釈を浴びたい」
ということでロミジュリや登場人物名で検索する日々の中で出会いました。
ボリショイバレエinシネマ ロミオとジュリエット。
行く!と思いました。以前NHKでやっていたバレエのロミオとジュリエット、録画容量が逼迫したときに観ずに消しちゃっていたので……
けれど残念なことに緊急事態宣言やらで5/18のロミオとジュリエットは延期。
6/1の「パリの炎」は上映されることが発表されました。
まったくバレエに詳しくない私は聞いたことがない演目だなぁと思いました。
でもこの動画を観た瞬間、行く!と決めました。
行って良かった!本当に良かった!
バレエが何たるかなんてまったくわからない私でしたが始まった瞬間にもう「来てよかった」と思いました。
この動画と同じものが冒頭流れただけで来てよかったと思いました。さらに言うと、この動画の前にもう少し言葉があったんですよね。
その中に「静止の中にも躍動がある」とあったのですがこの言葉に私はいたく感動しました。
どうしてこの言葉が私の琴線に触れたのかまだ説明できるほどわかっていないのですが、この言葉!ということを書き記しておきます。
何度も言いますが私は本当にバレエのことをほとんど知りません。
知識はりぼんで読んだトウ・シューズという水沢めぐみの漫画で得たもの、そしてそれも今はもう遠い記憶。
ゴールデンウィークの新国立劇場バレエ団のコッペリアの配信と、アマプラにあるパリ・オペラ座バレエ団のヌレエフ版シンデレラと、数年前ウィーンへ行った際にウィーン・オペラ座の立見席から白鳥の湖。この3つがかろうじてある私のバレエ鑑賞体験です。
そして今回観たボリショイ・バレエ団のパリの炎。
いっぱい言いたいことがあるはずなのにすごく感銘を受けたのに私にバレエを語る言葉がない……圧倒的知識不足……
バレエの王子さまというNHKのドキュメンタリーで、ワガノワの先生が"バレエの王道"はボリショイとマリインスキー、そしてパリ・オペラ座だけと言っていました。
その言葉をまるっと鵜呑みにすると今回観たボリショイバレエ団はバレエの世界の王道、最高峰だということになります。
最高峰、わかるわかる。
主人公兄妹が出てきた瞬間もう分かる、身体が強い…!!!
私は小学生のときに新体操をしていて、「骨が太い」と言われて選手クラスに選んでもらえなかった悲しい過去があるのですが、選ばれた身体を持つ人が鍛錬に鍛錬を重ね磨き上げた身体だと素人目にも一目でわかります。
ふんわりと柔らかい動き。私も少しですがスポーツをしてきた人間なのでわかります。ゆっくりと身体を動かす方が筋力が要ります。柔らかく見せることはとても難しいのです。
高いジャンプ。知ってました?人間って空中で止まれるんですよ?とさも当たり前のことのように見えますが、人間は空中では止まれません。でも本当に簡単にふわっと跳ぶのです。重力はどこ?と思っているとトンッと着地の音が聞こえます。重力、あった。
観ていて「いいなぁ」と思いました。あれだけ身体が自分の思い通りに動けばさぞ楽しいだろうなぁと思います。
私も踊りたい。スカートを捌いて踊りたい。
出てくる人出てくる人、軽やかになんでもないことのように踊るのでもしかしたら私もできるのかもしれない、と踊りたくなります。
でもわかりますよ、私には出来ない。
本当に観ているこちらも踊りたくなるほど軽やかで楽しげです。
パリの炎はフランス革命の話。主人公兄妹の妹が侯爵に見初められ拒んでいるところを助けた兄は捕えられてしまいます。その兄を侯爵の娘が逃がします。娘は逃がしたことで父の怒りを買いパリへ送られます。パリでは王様も参加する舞踏会へ娘も行きます。舞踏会へ義勇軍が乗り込み、貴族は方々へ逃げます。娘も逃げます。同じ頃主人公兄妹も義勇軍に参加するためにパリへ。義勇軍へ無事入れてもらえ広場で仲間たちと過ごしています。そこへ逃げてきた侯爵の娘。兄は自分を助けてくれた人だと気がつき惹かれます。綺麗なドレスでは目立ちすぎるので着替え、娘も義勇軍へ加わりました。義勇軍は戦い勝ちました。妹と義勇軍のある兵は恋仲になり、革命後初の結婚式を挙げるカップルになりました。そんな喜ばしい中、貴族たちは捕えられギロチンにかけられようとしています。広場に現れた断罪される貴族の中に侯爵がいます。娘はすがりつきます。娘の監視役だった乳母が娘も侯爵の娘で貴族であることをバラし、娘もギロチンにかけられます。革命に沸く民衆。その後ろで恋人の首を抱き絶望する兄。幕が下ります。
上はまた私が今勢いでまとめたあらすじです。
悲劇だ!宝塚歌劇と違ってフィナーレでミラーボール回してキラキラでは終わらない!完全に兄の絶望顔で終わった!!
カーテンコールで恋人たちが手を繋いで出てきてお辞儀するとはいえ、後味!悪い!!
でもめちゃくちゃ面白かったです。言葉はなく全編ダンスだけなのに恋人たちが惹かれ合うのが、物語が、伝わってきます。
中でも侯爵の娘役の方の佇まい、妹と同じ振り付けを踊っているときでも感じるたおやかさ、貴族として守られて生きてきたことが伝わります。彼女の傾けた首に漂う憂い……すごいものを見た……
物語としての主役は多分兄なんですけど、バレエの場面構成としての主役はおそらく妹。めちゃくちゃな超絶技巧を軽々と軽やかに、ときに勇ましく自由自在に踊ります。
めちゃくちゃ良かったんですよ。振り付けが全部好き。目を離す隙がない。本当に観て良かったです。次も行きたいです。
次は6/24にコッペリアです。
今回平日昼間とはいえ私の観た会場、私含めて3人しか観てなかったですからね……採算……取れてる……?という心配もあって、感想を文字にしました。
これ読んだ人はみんな次のコッペリア観に行ってください。
パリの炎本当に好きになったのでAmazonでBlu-ray買うかどうか悩んでます。
次観に行くまでにもう少しバレエについて勉強しておきたいと思います!バリエーションとかコーダとかさらっとインタビューとかで出てくるけどどこを指してるのか皆目見当もつかない……勉強します……
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