
渋谷幕張中学入試の作戦会議
【更新履歴】
・2022年12月9日 公開
・2023年8月2日 2023年の入試結果・内容を反映した記事に更新
・2023年11月15日 入試分析中心の記事にリニューアル
はじめに
こんにちは、中学受験ウォッチというサイトを運営している受験生親です。そっちのサイトでは、世の中に出回っている公開情報を基本として、塾や学校の横比較や役立ちそうな情報、2022年に息子が中学受験したときの経験談などを中心に、広く受験生親子のサポートになればと情報発信をしています。
こちらのnoteでは、読み手のターゲットを絞って、個別の学校の入試問題を詳細に
分析し、対策・戦略について深く考えていくための材料をご提供しようと思っています。息子の入試の際に一度分析した内容をベースとしながら、改めて最新の過去問を使って他校との横比較もしながら分析し直し、戦略や対策について本気で検討しました。
この記事では、渋谷教育学園幕張中学校(渋幕)の入試を考えているご家庭に向けた内容をご紹介します。一度、自らの経験を中心に書いた内容で公開しましたが、改めて分析と対策を中心とした内容に書き換えたので、より多くの人に有益な情報にすることができたのではと考えています。同系列の渋谷教育学園渋谷(渋渋)とも一部比較しながら解説します。
渋幕は対策がしづらいとか、偏差値があてにならず合否が読みづらいとか言われることが多いようですが、これは単に塾が向いている方向性(主に御三家)とズレているからそう言われているだけだと思います。分析していけば傾向はハッキリあるし、渋幕にフォーカスして対策していけば、他の人が手薄ならば逆転の余地は十分にあると思います。
この記事は個別の学校の入試対策まで踏み込んだ内容なので、本当に必要な人にだけに届けるべきとの思いもあり有料記事にさせていただいています。対象にマッチする方、信頼や価値を感じていただける方にご購読いただければと思っています。
我が家の背景情報
そうは言われてもいきなり信用はできないと思うので、まずは背景情報として我が家の話に触れておきます。
本番入試結果と成績情報
学習スタイル・成績帯等について、細かなことは下のリンクを見ていただければと思いますが、ざっくり言うと、今なら四谷大塚の進学くらぶが近いスタイルです。塾なしと表現することもありますが、塾という物理的な空間で授業を受けないというだけで、四谷大塚カリキュラムでの学習という意味では四谷系の塾生と大きな違いはないと思っています。
受験結果と持ち偏差値は↑に書いています。
偏差値と合否結果がリンクしていないのですが、それこそが志望校対策の成果だと考えています。栄東と海城は80%判定を取れていましたが、渋幕の80%判定に達したことは一度もなく、最終回のサピックスオープンに至っては偏差値マイナス10以上となり、その結果からすれば逆転合格という見方もできます。栄東の東大特待は80%判定が出ていたので、そこからすれば逆転不合格ということにもなります。
これらの経験から、入試において偏差値は目安にはなっても最重要指標ではない、最も重要なのは志望校対策だという思いを強くし、せっかくならそれを必要な方へも届けられないかということで、このシリーズ記事の提供に至ったという次第です。
対象読者の設定
とはいえ、こういう記事は送り手と受け手の想定が違ってしまうと意味をなさなくなってしまうので、私が対象と考える読者想定は明確にしておきたいと思います。
基本的に次から挙げる2点の両方に当てはまる方が想定となります。
1. 偏差値が対象の範囲内である
6年生後期の模試偏差値(持ち偏差値)を対象とし、学校の80偏差値マイナス7・8くらいからプラス2くらいまで、合否判定で言うと30%〜80%に入るところと考えます。これは志望校対策によって合否が大きく影響される範囲、つまり勝負の範囲がこの辺りという考えからになります。
過去に50%判定が合否ラインという記事(50%偏差値表って何につかうの?)を書いたので参考にしていただければと思いますが、普通に分布すれば、50%判定を中心に合格・不合格がひしめき合っているのがこの辺りのラインです。別に80%に達しなければ合格できないわけでもないし、逆に80%だから安泰というわけでもありません。
普通に受験すれば当日のデキに左右されるところでしょうが、その可能性を最大限上げるために取り組むのが志望校対策だと考えています。
2. 親子で一緒に作戦を考える
塾や家庭教師などに受験戦略を一任しているのであれば、かえって混乱するかもしれないので不要だと思います。これまであまり子供や受験に関わってこなかった方も、急に色々言い始めると親子関係を壊すかもしれないのでお勧めできません。通塾のありなしは関係ありませんが、基本的には親御さんも一緒に考えサポートしていける方に向けた情報だと思っています。
ご提供するのは入試や問題の詳細な分析と、それを元にした戦略や対策の考え方です。お子さんの状況はひとりひとり異なるはずなので、具体的な対策はそれぞれの状況に合わせて考えていく必要があります。これを読めば合格できるとかそんな類の情報ではないので、ここでの情報を元にご自身で思考していただきたいです。
誤解のないように少しだけフォローすると、親御さん自身が難問を解いて教えることは想定しません。過去問は可能であれば(全てでなくていいので)一緒に解いてほしいと思いますが、それは教えるためではなく共感し作戦を考えるためです。せっかく親子で取り組むことのできる中学受験だからこそ、自らの頭で考えてはいかがかなと思います。この記事での分析や我が家の事例はそのガイドにはなると思います。(ちなみに過去問を読み込んでいくと学校が求める生徒像が何となくわかってきます)
私としては、合格の可能性アップに向けて自ら出来ることはやり尽くしたい、と考える方に向けて情報提供したいと思っています。親子でベストを尽くしたと思える受験にぜひしてほしいという気持ちから、この記事をお届けします。
【ご購読いただいた方で、ご質問やお悩みがあれば個別にご相談に乗っています。ただnote上で直接のやり取りはできない仕組みになっているので、メールかSNSメッセージ上でお問い合わせいただくかたちになる点はご了承ください。】
なお、この情報を元にした二次配信は行わないようお願いいたします。また、情報の性質上、購入後のキャンセルもできませんので慎重にご判断いただければと思います。
入試の分析
前置きが長くなりましたが、ここから本題に入っていきます。まずは入試結果データを元に、渋幕の入試自体の分析をします。
難易度はまだ上昇している
もう何年も前から共学最難関とされ、1月の一次入試では最上位層がこぞって受験すると言われる渋幕ですが、よく見るとまだ難易度は上昇しているようです。
まずは分かりやすいところで偏差値の推移を見てみると次の通りです。


(サピックスのみ翌年度の第1回志望校判定サピックスオープンによる予想偏差値)
パッと見、もう最高値で張り付いてるじゃんと感じますが、サピックス偏差値を見るとここ数年でもまだ上昇しているのが分かります。四谷大塚や日能研だと母集団が大きすぎて最上位の動きは出づらいので、ここではサピックスが一番実態を反映していると思われます。
偏差値だけだとやや漠然としている感があるので、実際の入試データも見てみます。ここでは、受験者平均点と合格者平均点を取り、合格最低点がどのあたりに位置するかで難易度の推移を判断します。このとき、合格最低点がグラフの右側に近くなれば、合格者平均点近くを取らないと合格に至らないということで難易度が高い、逆に左側にいけば受験者平均点近くでも合格できるということで難易度が低いと判断します。正確には受験者全体の学力レベルが変わると前提も変わってしまうので、一応偏差値も見ながらの推測にはなりますが。
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