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本郷中学入試の作戦会議

はじめに

この記事では、本郷中学校の入試を考えているご家庭に向け、入試・問題の分析と対策案についてご紹介します。本郷は最難関クラスからの併願校とされることも多く、塾の志望校対策もあまりありませんが、近年は2月2日の第2回を中心に第1回も人気化(=難化)しているので、対策のし甲斐はあると思っています。

このシリーズ全般に共通する内容として、どういう背景で情報提供しているのか、対象と想定しているのはどういう方かについて以下のページに記載していますので、最初にぜひご一読ください。

【更新履歴】
・2023年12月22日 公開


入試の分析

ではここから本題に入っていきます。まずは入試結果データを元に、本郷の入試自体の分析をします。

全ての回で偏差値は上昇中

まずは各塾の偏差値表から見ていきます。

2014年に2月1日午前入試に参入したこと(それまでは第1回が2月2日、第2回が2月3日)と、2020年から第1回・第2回の定員を増やしたこと(高校入試の廃止により)が大きな入試変更点となります。それも踏まえながら偏差値の推移を見てみます。

*2月1日午前入試となった2014年以降の第1回入試
データ元:各塾の入試結果偏差値表
(サピックスのみ翌年度の第1回志望校判定サピックスオープンによる予想偏差値)

第1回入試は2014年にスタートしたあと、基本的に右肩上がり(この図だと左肩ですが)で推移してきているのがわかります(サピックスは2018年以前のデータがありませんが、49よりは低かったと思われます)。特に直近の2年が大きく上がってきています

*2014年以降は第2回入試・2013年以前は第1回入試(共に2月2日)

第2回入試も、2月1日入試に参入した2014年に大きく落ち込んでいますが、そこからは基本右肩(左肩)上がりになっています。2023年は全ての塾で上がっているので、はっきり難易度は上がったのだと思います。
ちなみに2011〜2014年にかけて下がっている背景に何があったのかはよくわかりません。

第3回は2月5日で日程も定員も変更のない回です。ここでも2012〜2015あたりで一旦下降し、その後は上昇しています。まあそうは言っても合格者が40〜50名しか出ない入試回なので80%判定の精度は疑わしく、偏差値は参考程度にして他の指標を見ていった方がいいと思います。

ちなみにこの偏差値の動きと大学合格者数とに相関がありそうで面白いので見てみました。以下のサイトで推移があるので見ていただければと思いますが、国公立大学への現役合格者は2019・20年で一度落ち込んでいます。

ここがちょうど2013〜2014年入学組で、偏差値が落ちた時期とちょうど重なります。高校受験組もいるので完全に一致とは言えないと思いますが、興味深い動きだと思います。

でその後の偏差値上昇を考えれば、進学実績が上向いてくる(=人気が上がる)のは予想できる動きかなと思います。また高校受験組は2023年までで、2024年からは全てが中学からの一貫教育組になるので、その意味でも注目したいところです。

第1回が比較的高倍率

続いて出願者・受験者・合格者の数と実質倍率を見てみます。

第1回入試は2020年に定員が80→100名に変更になり、それに伴って合格者数も140名前後から170名前後へと増えています。ただそれ以上に受験者数が増えているので、実質倍率は2倍台後半に高止まりしていて、2023年は3.5倍近くという大きな上昇になっています。

第2回入試は併願日程ということもあり、合格者をたくさん出すので倍率もそこまで高くないです。ただ2023年はこちらも受験者が非常に多く、倍率も2倍を大きく超える厳しい入試になったようです。

第3回入試は入学者数調整の面もあると思うので倍率はあてにしない方がいいと思いますが、ここ3年ではほとんど定員の数しか合格者が出ていないので、かなり狭き門だと言えるでしょう。

ちなみに合格者が実際に入学する割合を歩留まりとして出してみると次の通りです。

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