東大に足切りされたならば

まずは落ち着こう。絶望のあまり取り乱し、泣きたくなるのはよくわかるが、こうなってしまった以上はどうしようもないので、まずは落ち着こう。
今日は何か美味いものを食べるなり、早く寝るなりして心を一旦労わってから次の一手を考えよう。

以下私の東大足切り体験記をご覧頂ければ幸いである。

高校時代、東大現役合格を夢見て頑張っていたつもりだったのだが、センター試験で失敗して、予備校の足切り予想ラインすれすれになってしまった。
私はそれでも前期、後期共東大理Ⅰに出願する気満々だったのだが、結局前期は東大理Ⅰ、後期はとある旧帝大に出願した。

出願直後は大丈夫だろうと思っていたものの、日が経つにつれて不安で吐きそうな毎日を過ごすことになり、勉強していても集中力が著しく低下してしまっていた。
で、ようやく迎えた死刑宣告当日。正午過ぎに東大から郵便物が届く。異常に薄い郵便物だったので、この時点で心の底では悟ってはいたが、開封してみると一枚の死刑宣告通知だけが入っていた。

東大現役合格の夢が破れたことが確定したことで、その瞬間は震えが止まらなかった。その後、精神的な防衛反応のためか、急に笑いが込み上げてきて明るくなったり・・・と当日の私は傍から見て気が狂っていた筈だ。

当日夜になって漸く落ち着いてきて、先のことを考えることができるようになった。とりあえず後期の入試に向けての勉強は継続することにしたが、正直に言ってそちらに合格したとしても入学するのが嫌で仕方なかったのである。出願を決めたのは自分であり、誠に申し訳ないのだがそれが本音なのだ。そのため、もう完全に浪人を考えており、モチベーションが著しく下がっていたので、勉強したつもりになっていただけだった。

今年東大に足切りされた数百人の方々の多くが後期に他所の大学に出願されているだろう。前期の東大がダメでも後期でそちらに入学できれば満足だ、と心底思えるならば何の問題も無い。だからここから先は読む意味が全く無いので、さっさと閉じて勉強を再開して頂きたい。
ただ、東大に惚れ込んでここまでやってきたのだから、東大でなければ死んだ方がマシだ、と心から思えてもう一年やれそうならばそうすれば良いのだ。一年間純粋浪人、あるいは後期で受かった大学で仮面浪人しても良いから、

後期の入試は全力で取り組んで、合格してきて欲しい


次に繋げるために。
その合格実績があればそれが自信になり、精神的に大いに救いになるだろう。合格を辞退してどこかの予備校で浪人する場合でも、その合格先によっては優遇してもらう(選抜クラスに入れてもらう、特待生に認定してもらう等)ための交渉のカードになるだろう。

足切りされて辛いであろうし、その痛みは私は誰よりも理解できるつもりである。だから、今この瞬間から頑張れなどとは言わない。少し休憩して構わないから、また勝負の土俵に戻ってきて欲しい。

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