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自分で縒った紐

今回のサハラ砂漠の旅の土産は
・撮ってきた写真
・ジャネットの友人からいただいたビスクラ(デーツの産地として非常に有名)産デーツ
・スークで買ったトゥアレグの服(男性用3着、自分用)
・スークで買ったトゥアレグの服(女性用7着、妻と来日した親戚用)
そして写真の「紐」です。

ラクダに乗る時はサンダルを脱ぎます。
ラクダから降りる時は、アカシアの刺が足に刺さると痛いので直ぐにサンダルを履きたいです。
そういう理由で、乗る直前ラクダにサッとサンダルを結びつけ、降りたらパッとそれを外せるアイテムがあるとととても便利です(かつてのラクダの旅の知恵)。
以前は、草を食べさせるために夜にラクダを放している時に使う「足枷の紐」を(ラクダに乗っているときは足枷は不要なので)サンダル用に使っていました。しかし今回、ラクダ使いが足枷の紐も荷物を固定するのに使っていたのでこれをサンダル用には使えませんでした。カラビナがあれば一番簡単なのですが今回カラビナを持って行くのを忘れました(カラビナは荷物の固定にも非常に便利でラクダやロバの旅にお薦めです)。
そこで、ラクダ使いから使い古しの布きれ(おそらくターバン)を急遽いただき、初日の出発直前、ラクダ使いたちが荷物を荷物用ラクダに積んでくれている10分くらいの間に大急ぎでその布を縒って紐を作りました。

こんな風に「輪っか」にしてサンダルをこの紐に通してラクダにぶら下げていました。
因みにこのふたつのバッグがラクダの旅の間の僕のすべての持ち物です。

さて、初日はラクダの手綱を握らせてもらえませんでした(笑)
道案内兼調理人が僕のラクダの手綱を引っ張る形でラクダの旅は始まりました。これはまったくおもしろくないので乗って直ぐ
「明日からは手綱は自分で握りたい」
と希望を伝えてみました。

・初日の夕方、自分でラクダの鞍を外し、ラクダに足枷を付けた
・翌日、自分でラクダの鞍を付ける準備をした
余談ですが、鞍と荷物の固定までやらなかったのは以下の理由からです。
・タッシリ・ナジェール地方の鞍や荷物の付け方が知りたかった
・荷物の積み方は遊牧民ひとりひとりこだわりがあるので、最後の部分は任せた方がよいと判断した

ラクダの扱いが少しはできるよ、というこんなアピールが功を奏したの、2日目は最初からラクダの手綱を握らせてもらえました。
大喜びで手綱をブンブン振り回していたら
「ゆっくりゆっくり!」
とたしなめられましたが(笑)

いざラクダに乗ってみると手綱が短かいと感じました。
・荷物を運ぶラクダとラクダを繋ぐ
・キャラバンの先頭のラクダを引っ張る
・観光客をラクダに乗せ、ラクダ使いがそのラクダの手綱を引っ張る
こういう用途なら確かに2mくらいの手綱で充分です。
しかしラクダに乗って手綱でラクダを操る場合、特に鞭や杖を使わず手綱だけでラクダを操りたい場合、最低もう1m長いと手綱を鞭代わりにできて使い勝手がはるかによくなります。

そこでサンダル用には別の紐を流用し、自分で縒った紐は手綱の端に結んで手綱として使うことにしました。
ラクダの旅でラクダに乗っている間、ずっとこれを握りしめていました。

黄色いナイロン製の手綱の先に木綿の紐を付け足して使っていました。

愛用しているアーミーナイフの紐も40年前に(こちらは丁寧に縒って)作ったものが未だに健在です。
この紐も、今回の旅の記念として愛用していきたいものです。日本でうまく使い続ける方法を考えてみます。例えばカメラストラップにするのも良さそうです。

先端の布が細くて千切れる危険性があったので手綱の時はあえてそこは縒らずに使っていました。ラクダの旅が終わり、先端まで縒り直しました。


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