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考えごと:GW

今年のゴールデンウィークは基本家。
ゆるいガウンの部屋着。
最近届いたソファ。
買ってきたアイスコーヒー。
気が向いた時にする料理。
映画とテレビと漫画。

何かもっと活動的なことを
したほうがいいんだろうな…
いやいや。そういうところ。
「ねばならない」思考はやめよう。
少しばかりの後ろめたさを振り切って、
家にいることにする。

GW渋滞を中継しに、
わざわざリポーターを乗せた車が
わざわざ東名高速を走っている
のをわざわざ見ている私
テレビってこんな不毛だったっけと言うと、
にこにこしながらまぁまぁテレビも
大変なんだよと返す夫
私は多分いろいろな場面で夫に救われている。


夫は他者に対して優しく謙虚だ。
全員B型で好き勝手喋る家庭に育った私からすると、家庭内でこんな謙虚で気遣いのある言葉を発すること自体、本来は新鮮だった。

逆に言えば、夫はなぜ、いちいち毒を吐く私と一緒にいてくれるんだろう、とさえ思っていたし、夫にもそんな話をしていた。
いつも夫はにこにこしながら、わかんないけど、みたいなことを言うだけだ。

夫の実家とは結婚してから本格的に交流が始まった。
夫のような人間が育つのだから、さぞ穏やかな家庭なのだろうと思っていた。
実際そうなのだが、ちょっと細かく見てみると意外なことに、B型フリーダム気質の義父、O型の寛容な義母、後者を引き継いだ長男(夫)、前者を引き継いだ次男(義弟)、という構成であることが判明した。
外に出て興味のあることにとことん打ち込む義父、マイペースで意外と毒を吐く(褒めてる)義弟…そう、義父と義弟はどちらかと言えば私と同じ側の人間。
そんなB型フリーダム人間の扱いに長けた夫を引き当てた自らの奇跡を、自分で称えたい。

夫と一緒にいるようになって、私は優しさを学んだと思う。
それは元はと言えばたぶん、主に義母が夫にはぐくんでくれたものなのだろう。
家族に寄り添い、いつも家をきれいにして静かに暮らしている義母に、いつかそのことを話したいと思う。

GWの終わりに冷たい雨が降った。
憂鬱だ。けれども、この後には夏が待っている。
茹だるような暑さの東京の夏が。



写真と文/皐月
写真:GWのある日、夜の浅草



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