【悲報】とうとうハワイにコーヒー葉さび病が上陸してしまった件。。。【嘘だろ】【どこから??】|2020/11/02補足情報追加


元記事:Coffee Leaf Rust Has Been Discovered in Hawaii - Daily Coffee News [Nick Brown | October 28, 2020]

ハワイ州農業当局は今週、コーヒーの作物を全滅させてしまう程の強い感染力をもつ植物の病気「コーヒー葉さび病」がハワイで初めて発見されたと発表した。

ハワイ州農業局(HDOA)とデービッド・イゲ州知事 David Ige は、マウイ島ハイク地区のコーヒー農園から一週間前提出された葉に、コーヒーに壊滅的な影響をもたらす病気「コーヒー葉さび病」の症状が見られたことを報告した。

ハワイ州は上陸する新しいコーヒーの苗木に対して厳しい検疫基準を設けており、コーヒー葉さび病がどのようにしてマウイ島に到達したのかはまだ分かっていない。ハワイ大学熱帯農業・人的資源カレッジにおける予備検査の結果では、ハイク地域に存在する野生のコーヒーの木と、管理のもと生育されたコーヒーの木との両方からさび病菌が確認された。州当局者はさらなる確認のため、米国農務省の国家識別サービスにサンプルを送っている。



病原菌、ヘミリア・ヴァスタトリックス(Hemileia Vastatrix)— 葉さび病(スペイン語でラ・ロヤ la roya)の原因 — は、1860 年代に東アフリカとスリランカで初めて確認され、その後世界中のコーヒー栽培地域に広まっていった。感染は急速に広がることで知られ、その地域のコーヒー作物を全滅させてしまうこともある。 南米、中米、メキシコなどの生産国では、2012 年頃から急速に広がったコーヒー葉さび病による壊滅的な影響を未だに引きずっている小規模農家もある

HDOA の会長であるフィリス・シマブクロ・ガイザー氏 Phyllis Shimabukuro-Geiser は月曜日の午後に行われた州の会見において、マウイ島でのコーヒー葉さび病の発見について「現時点でどのように、いつコーヒー葉さび病がマウイ島に持ち込まれたか分かっていない。まん延の程度や、コーヒー葉さび病菌がどのようにしてマウイ島に持ち込まれたかを特定するために複数の機関からの支援を得たことを感謝する」と語った。


州当局はコーヒー農家に対し、葉に発生する小さな黄色の斑点などのコーヒー葉さび病の兆候に気を配り、目撃した場合には連絡するよう訴えている。HDOAは、「殺菌剤を使って菌の拡散をコントロールする方法もあるが、害虫管理プログラム(注釈:ペストコントロール)のカギとなるのは衛生管理の徹底だ。コーヒーの木に定期的な剪定を施しコンディションを整えることで、過度の耕作による木や土地の疲労を防ぎ、圃場の健康を維持することができる。さらに剪定を行うことで(作物間の)空気の循環が改善し、殺菌剤を散布する際にも上部から均一に散布できる。また、雑草のコントロールも重要な要素であり、重要な栄養分の競合を低く保つことで、さび病の影響を受けにくくすることができる」と述べた。

(以下省略)

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とうとうハワイでコーヒー葉さび病が確認される、という関係者戦慄のニュースが数日前に飛び込んできました。さび病は今までにアフリカや東南アジア、中南米で確認されてきましたがハワイ州で確認されたことはなく、太平洋に囲まれた島という地理的優位性を保ってきたように見えました。

しかし、スペシャルティコーヒーやダイレクトトレードが盛んになるにつれて世界中のコーヒー産地を横断的に尋ねる専門家や関係者が増え、「汚染」のリスクが近年上がっていたことは明らかであり、ある意味時間の問題と思われていた部分もあったように思います。

とはいえ、です。2020年3月以降コロナウイルスの流行とそれに伴う渡航制限が敷かれていた中で、このタイミングでさび病菌の症状が確認されたという事実には少し驚きました。さび病菌が単体でどの程度の期間生存できるかを把握していないのですが、渡航制限が今年の2〜3月ごろから始まったことを考えると、1月ごろ、もしくは2019年中には既にさび病菌がマウイ島に持ち込まれていた可能性もあり、そうなってくると既にある程度の規模でまん延が進んでいる可能性もあります。ハワイ州のコーヒー生産者は気が気でない思いをしていることと思います。

この件に関して、コーヒーハンター川島良彰氏は Twitter 上にて以下のような見解をまとめています。

そして、このニュースから一週間後、米国農務省(USDA)が調査を進めていたコーヒー葉のサンプルからもコーヒー葉さび病が確認され、マウイ島のみならずハワイ島ヒロのコーヒーサンプルもコーヒー葉さび病に感染していることが確認されました

ハワイ島・マウイ島にどのような経路でコーヒー葉さび病が持ち込まれたかの原因はいまだ調査中とのことです。


コーヒー葉さび病の感染力はすさまじく、かつてコーヒーの一大産地であったスリランカはさび病のまん延でコーヒーの木が壊滅的な被害を受け、結局コーヒーの栽培を断念し、紅茶の栽培に切り替えた…という歴史があります。どうか、ハワイが第二のスリランカになりませんようにと願うばかりです。

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今回の記事からは以上です。

junko