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教師、力量を見誤る(?)

高校の夏休み、まだ一週目。

あぁ〜夏休みだぁ〜とボケボケの状態の時期に、学校が加盟する、とある全国的な組織の講座に学校代表で友達と二人で参加したお話し。

『した』というと前向きな生徒のようだが、全くそんな性格ではなく、前年度から用意周到な教師の蜘蛛の巣にまんまとひっかかり、あっという間にこの状況になってしまったと言った方が当たっているだけなのです。あゝ失敗……友達よ、巻き込んで申し訳ない。ごめん。

しょうがないなぁと情け心を見せたが最後。アレよアレよと申込書に名前を書かれて、〝費用は学校が負担するから大丈夫よ♡“などと旨い言葉で釣られた私達は、周りにコンビニ一つない研修施設に送り込まれたのでした。

最寄駅からは、タクシーしか移動手段がなかったほど淋しい場所…夜、逃げ出すこともできない。なんでこんな所に女子高生を集めて研修を……?

しかし会場の施設は大変立派で、本館・食堂と至れり尽くせり。新しくて広くて素晴らし〜い。

最初に開会式の執り行われる講堂へ、参加者一堂が集まり雑談が始まった頃、自分は新たな蜘蛛の巣に絡めとられていたことに気がついた。

「あなたは今日の総合司会者よ。」

「……?」

「早く準備して。ステージ脇の席で原稿下読みするから。ホラ、行くわよ。」

(ヌぉ〜?総合司会者?一言も聞いてませんねぇ〜)

友達を一人客席に残し、教師と司会者席に着く私。
ステージ下に設られたテーブルの上には、初めて眼にする原稿が…。私はアナウンサー志望じゃないぞ。いきなりマイクで喋れと?拒否権も無し。ほぼぶっつけ本番。文句を言う時間も無し。ウググゥ…
(この恨み、どこで晴らしてくれようブチブチブチ…)

原稿にサッと目を通した私は、読み上げなければならない講演者の方々や顧問の方の名前を見て、ヤバさが倍増していったのでした。
読めないし、人生で目にしたことがない肩書きがズラリズラリと渋滞を起こしているではないですか。

本名は伏せさせて頂きますが、佐藤さん・田中さんという一般的に目にする機会の多い苗字が誰もいないのです。みんな読めなーい。肩書きも、文部省・労働省から始まる方や、東京都教育庁から始まる方、全国から集まっているので、初めて目にする
◯×高等学校校長先生…。

拷問なのぉ?私がどんな悪いことしたっていうのぉ?
全国的な組織のため、集まっている人数は半端じゃない。ご丁寧にカメラマンもスタンバッテいる。
こらぁ〜撮るな〜!


  *・゜゚・*:.。..。.:*・'・:*+.⭐︎.:+'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

なぜか器用に事を成してしまう哀しい癖を持ち合わしている自分…⤵️
教師の思惑どおり、大きなミスもなく、言い淀みもなく、ぶっつけ本番の雰囲気など少しも醸すこともなく、約三時間の大役を終えるのでした。


できたじゃない。

ちっ〜がぁ〜うっ!
頑張ってできたんだぁ!
簡単に言うなぁ〜!!

…このまま終わってはいけない。何とかしてこのモニャモニャした、してやられた感を回収せねばと考えた末、コレから数泊するうちのバイキングの食事で回収することに決めたのです。
メニューは和洋中にデザート付きの豪華絢爛。おかわり自由ですが、一皿ずつに値段が付いていました。しかしコレは学校持ち。
よーし、食べてやるぞぉ〜…
甘いものは別腹。果物やプリン、杏仁豆腐を毎回毎回食べてました。へっへっへっ…。他校の生徒より、食費がかかってるのはこのせいさ♡

Y先生、この時のあなたと同じ年齢になりました。
この時のあなたの私の扱いが、正しかったのか
間違っていたのか、今でもわかりません。
(でも、機会を与えてくださったことは
感謝しています、 ありがとうございました。)